【社員が一丸となれる環境は、オフィスでかなうのか?】エネルギー業界の変革に挑むスタートアップの新オフィスができるまで
こんにちは!トレイルヘッズ広報の村上です。今回は、スタートアップのオフィス作りの裏側をご紹介します。
今回のクライアントは、国内最大のエネルギーのマーケットプレイスを運営するスタートアップenechain社。"Building energy markets coloring your life" をミッションに掲げ、エネルギー業界の変革に挑んでいます。
2019年に創業し、最初はマンションの1室からスタート。今回は3つ目のオフィスになります。依頼を受けた当初は約100人のところ、早々に150人規模に成長することを見据えて、環境や働き方を整え、社員同士の交流やコミュニケーションを活発にすることを目的に移転が決定しました。
では、次の規模を見据えたenechain社には、どのような働く場が必要なのでしょうか?今回は、同社の次のオフィスや働き方について、コンセプトから一緒に考えてほしいというご要望をいただき、トレイルヘッズとULTRA STUDIO社で担当させていただきました。
1. オフィス移転を通して、何をかなえるのか?
今回のコンセプト作りにあたって、まずは、今後の働き方と働く場のゴールイメージ作りからスタートしました。enechain社のミッション・ビジョンからキーワードを収集し、それに合うビジュアルとともに確認をしていきます。
なぜビジュアルも必要なのか?
その理由は、言語化しきれていないニーズのすり合わせのため。例えば同社は「活発なコミュニケーション」を大切にしていますが、そのための「コミュニケーションスタイル」に紐づくビジュアルは以下の2つを用意。
お祭りの櫓のようなリーダーとフォロワーという関係(写真左)もあれば、みんなでフラットに焚き火を囲む形(写真右)もあります。
どちらがより、組織の目指す姿に近いのか、何を大切にしたいのか?それによってオフィスのデザインも変わってきます。
他にも様々な要素をビジュアルで確認しながら、言語化してニーズを深掘りしていきます。
話を進める中で、代表がいなくても、社員が「新たな市場をつくる」というミッションの達成に取り組んでもらいたい。それに向けて一人一人が情熱を持って働いてほしい。そんな思いも伺うことができました。
最終的には洗い出した要素を元に、enechain代表の野澤さんによって基本コンセプトが決定しました。その一部をご紹介します。
世界のエネルギーマーケットのハブとなり、ダイナミックに作用する
対話と建設的な批判を賞賛する
エネルギーのマーケットをつくる覚悟を持ち、それを楽しむ
色とりどりの価値観を大切にする
個々を尊重しつつ、みんなが同じ情熱を持つ
これが、今後のenechain社における、働き方・働く場の指針となります。
2.デザインの考え方
基本コンセプトが決まった後は、空間のデザインに入っていきます。
いくつかスタディを見ていただき、コンセプトに合うゾーニング(空間の区分け)を決めていきます。上記の大方針をベースに、空間コンセプトは以下の2つに決まりました。
そして「目線を揃える」の象徴として、中央に大きなテーブルを配置。
これは、アーサー王とともに円卓を囲むことを許された「円卓の騎士」のイメージです。卓を囲むひとりひとりが、多様な価値観を持っていても対等でフラットに議論をすることから、コンセプトの「対話や建設的な批判」の象徴としてご提案をしました。
また大テーブルの周りには「DOTS」として、会議室、個人ワークスペースなど、多様な機能を配置し繋いでいきました。
3. 完成した空間をご紹介!
そして完成したオフィスはこちらです!
「目線を揃える」の象徴である大テーブルは中央に。色はコーポレートカラーのブルーと、内なる情熱を感じさせる青い炎をイメージしたグラデーションで仕上げました。
また、大型スクリーンにマーケット情報を投影したり、世界中の主要なエネルギーインデックスの都市名を会議スペースの名称にするなど、世界のエネルギー市況を感じられる仕掛けを随所に導入しています。
執務室中央には大型モニタを配置し、オフィスと世界各地のリモートメンバーをシームレスにつなげる設備も。またオンライン上にはバーチャルオフィスも用意し、物理的に距離のある社員同士でも一体感を持って作業ができる環境が整っています。
それぞれの多様な働き方をつなぐ、CONNECTING THE DOTSの実現です。
さらにリアルの場だからこそのコミュニケーションも重視。ゲームができる「Play room」や「Wai Gaya(ワイガヤ)エリア」といった余白も備え、社員同士の交流を促進します。
4.カルチャーを醸成するユニークな取り組み
enechainさんは、ハード面だけでなくソフト面での施策も展開されています。例えばそのひとつがHigh-Fiveボタン。賞賛や喜びを分かち合う「ハイタッチ」の動作をボタンにし、これを押すとSlackに通知がとび、オフィス内で音楽が流れるというユニークなもの!小さな成功もチームのみんなで讃えあおうという、創業時からのカルチャーが素敵です。
5. まとめ
今回オフィス作りをお手伝いさせていただいたenechain社は、オフィス移転をきっかけに何を実現したいか?今後の働き方・働く場をどうしたいか?を検討するところから一緒に進めてまいりました。大切にしたい価値観をしっかり洗い出すことで、必要な機能が分かり、大テーブルや交流スペースに落とし込んでいきました。
完成したのは、社員が目線を合わせて、一丸となってミッションに向かえるオフィス。enechainさんのオフィスづくり、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。