見出し画像

ep.17 地獄に仏。

シドニーに着いた僕は現地までバスでいくことに決めた。いくらかかるか分からないタクシーに乗る勇気がなかったのだ。標識を頼りにバスターミナルへいく。運転手に住所をみせると、運転手はウインクをしてくれた。

「よしよし順調順調!」

どのくらい走ったか覚えていないけれど、気がつけば乗客はかなり減っていた。すると運転手が僕に声をかけてきた。

「ここだ!」と言っているように聞こえる。しかし、グラウンドらしくものはまったく見えない。むしろTHE郊外の住宅地といった雰囲気だ。「本当にここか?」と念を押す。「ここだ!」と言っているようにみえる。

「プシュー、ブロロロロロ〜」

僕を乗せていたバスが走り去っていった。さて本当にグラウンドらしきものはない。とりあえずバスの進行方向にむかって歩くことにした。すると「プッ、プー」クラクションを鳴らされた。振り返ると一台の乗用車。その運転席には女性が一人。

女性「こんなところで何してるの?」
僕「(えーーーっと)宿へ、、」
女性「いつまでいるのよ?」
僕「3泊、、、かな??」
女性「今夜、ウチでパーティーがあるのよ。来なさいよ!」
僕「!!!!? へーー凄いじゃん!」

なぜパーティーに誘われたのかは今でも分からない。土地勘ゼロで見ず知らずの人に着いていくわけにもいかず、何よりも僕はまだ目的地にすらたどり着いていないのだ。遊んでいる暇などあるはずがない。丁重にお断りして先を急ぐ。

そんなこんなしているうちにT字路に突き当たった。ここで僕はここであることに気がついた。

そういえば、これまで海外で住所を頼りに目的地にたどり着いた経験がなかった。なぜならば、中東のイランやバーレーン、エジプトでは基本的にタクシー移動だったし、そもそも僕はアラビア文字が読めない。

T字路。右か左。どちらかを選ばねばならない。僕は手元のメモをみる。どうやらストリートの名前と数字が書いてある。なるほど、こちらの住所はストリートごとに作られているのか。この番号はおそらく番地だろう。そこまでは理解した。

僕はあたりを見回した。すると、東京なら「山手通り」と書いてありそうな標識を見つけた。ストリート名が合致した! あとは番地だ。番地らしきものを探す。民家の軒先に数字がふってある。おおお、番地も近いっ

バスの運転手は間違っていなかった。番地を頼りに分かれ道を左に進む。少し進むとそこにはグラウンドらしきものがみえた! 思わず駆け足になる。そして、日本の取材陣らしき人影があることを確認して密かに歓喜する。

さらに幸運だったのは、この頃、業界に知り合いがほとんどいなかった僕にとって、数少ない顔見知りの編集者がそこにいたことだ。

「おおおおおおおおお、O西さんっ」

まさに地獄に仏。いや、シドニーにO西さん。

成田から半日以上、ずーっと緊張状態だった僕はこの再会に心から安堵した。そして、興奮気味に激しく握手を求められたO西さんは、さぞビックリしたと思いますが、その節はありがとうございましたっ

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽


スポーツ写真のオンラインサロン始めました。
写真について語り合いましょう。
ご興味のある方はこちらをご参照ください。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
クル━━━m9( ゚∀゚)9m━━━!!
25
フリーカメラマン。主にスポーツを撮る人。ライフワークでセパタクロー日本代表を追いかけています。フォロー大歓迎です。高須力ON-LINEもよろしくお願いします。 https://bit.ly/2ZRcqRA 📩takasutsutomuonline@gmail.com

こちらでもピックアップされています

What I've been doing ...
What I've been doing ...
  • 18本

イチオシです。写真との出会いやカメラマンとしての人生を振り返り中です^^

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。