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フローラステークス 2020【反省】

フローラステークス 結果

想定したスローペースの瞬発力戦は強風により脆くも崩れた。直線で舞う強烈な砂埃は見た目以上に強烈。


もともと1000m通過が60秒差を切ることさえ1度しか無かったが、向正面は追い風の影響もあって計時された58秒6はこの条件になってからもちろん最速。
ラップの上ではコーナーで緩んでの瞬発力戦だが、直線での強烈な向かい風によってレース上がりが35秒7、最速上がりが35秒2。この時期の3歳牝馬にはタフなレースとなり底力、精神力が問われた。

1着③ウインマリリン

内枠を活かして先行策をとった中で、勝因は向正面でペースが速いと見て無理に追いかけずに抑えた横山武騎手の好判断であったことは間違いない。
直線に入ってから早々に進路が開けたため、前を風よけに使えた時間は短く、ペースが緩んだコーナーでしっかりと我慢させたことが最後にクビ差で凌いだ踏ん張りに繋がった。今回が初の重賞制覇となった4年目の若武者だが、誰よりもこのレースを読めていた。

前走のミモザ賞は降雪による順延の影響でベストとはいえない体調で飾った勝利で、レースの上がりは今回を上回る37秒0。スクリーンヒーロー産駒だけに上がりの掛かるタフなレースになったことも良かった

2着⑦ホウオウピースフル

前走のクイーンカップでは追走に苦労したが、今回は楽に先行するどころか序盤に顔を上げて行きたがる面を見せるほど。直線では先に前に出たレッドルレーヴが壁になったが、風よけにもなったことを考えればプラスマイナスゼロといったところか。
それでも序盤で行きたがった面や距離ロスはあったわけで、それでクビ差なら勝ちに等しい内容。

デビューからの2戦は類まれな瞬発力を見せたが、ブラストワンピースの半妹だけにタフなレースで真価を発揮した可能性は考えておきたい
このペースでも行きたがる面を見せただけに気性面は課題にはなるが、本番となるオークスでは先行策に活路を見い出せそうな印象はあった。

3着⑯フアナ

東京2000mで不利とされる外枠から最初のコーナーで内から2頭目に潜り込ませて⑨スカイグルーヴの直後につける鮮やかな好騎乗。直線では前が詰まって進路の確保に手間取ったが、⑦ホウオウピースフル同様に風よけの恩恵にもなったはず。

前走の未勝利戦での1000m通過が60秒7で2秒以上も速い流れに対応できたことも含めて、1勝馬の身でメンバー最速の上がりを使って0秒1差なら上々だろう。
これでデビューから3戦すべてでメンバー最速の上がりを記録したことになり、オークスへの出走権獲得こそ叶わなかったが、今後に向けて大きな可能性を感じさせた一戦となった。

4着⑮ショウナンハレルヤ

鮮やかに内に潜り込んだ⑯フアナとは対照的に外々を回る競馬になったことは騎手の差だが、難しいコースだけに仕方がないことだろう。
中団からの競馬でこの厳しい直線での争いを4着まで押し上げた内容は価値が高く、これまで緩いペースでの先行策で結果を残してきたことには展開の恩恵を受けてのものと考えていたが、もともと緩いペースでも34秒1の上がりが自己ベストの馬。上がりの掛かるタフな競馬の方が合うのかも知れない。

また、アルテミスステークスは瞬発力不足、菜の花賞は稍重馬場を敗因に見ていたが、今回の競馬を見て内で揉まれると力を発揮できない可能性も感じた。

5着⑨スカイグルーヴ

持ったままで迎えた直線はどこまで伸びるかとまで見えたが、ラスト1Fでバタッと止まってしまった。
ハイペースに加えて直線での向かい風は距離以上のスタミナが要求されたことは確かでも、京成杯での内容を踏まえればここまで止まることは不自然。
母が短距離で活躍したアドマイヤセプターだから、距離に敗因を求める理由も解るが、それよりもマイナス14kgの馬体は素人目にも細く映ったし、もともと食が細いとの話もあった馬。2週連続での南ウッドでの併せ馬は体調の良さの裏返しではなく、オーバーワークだったことを主因としたい

6着⑬シャレード

外々を回る競馬となったが、最後まで渋太く伸びた。
緩いペースでのヨーイドンでは苦しいが、前々走のフローラルウォーク賞で4着ながら0秒1差の健闘を見せたように、ダイワメジャー産駒らしく締まったペースでなら好走できることを示した。もしかすると距離延長も良かったのかも知れない。

7着⑪レッドルレーヴ

道中の位置取りも直線での手応えも良かったが、勝ち馬に対して早めに動いたことと、直線に入ってすぐに向かい風をモロに受けたこともあってかラスト1Fでバッタリと止まってしまった。
本質的なスタミナが敗因であることもゼロではないと思うが、今回は初めて間隔を詰められての競馬。
もともと体質の弱い馬だけに、そのあたりも少なからず影響はあったように思う。
先行した3頭が揃って下位に沈んだことからも、勝負処で早めに動きながらもよく踏ん張ってはいる。

8着⑤ルトロヴァイユ

スタート直後に隣の④シャンドフルールにぶつけられて後方から。最内をロスなく運べたが、直線では前が壁になったこともあってか伸び切れなかった。
これまで瞬発力戦とロングスパート戦の経験しかなく、前半が速く後半が厳しいレースは初めての経験であり、こんなものではないだろうか。

9着⑩ヒューマンコメディ

ほぼ最後方から終いに賭ける競馬。前走の未勝利戦はロングスパート戦であったが、⑤ルトロヴァイユ同様に1勝馬の身で前半が速く後半が厳しいレースとなった今回は難しかっただろう。

10着⑫ヴォリアーモ

最初のコーナーで窮屈になる場面こそあったが、以降は中団〜後方でスムーズな競馬。ただ、今回のペースでは追走に苦労して徐々に位置取りが下がったし、直線でも脚が溜まっていなかったからか伸びを欠いた。

11着①エレヴァテッツァ

出遅れて最後方から。直線ではそれなりに伸びているが、前半の位置取りと向かい風を抑えられたことを考えれば伸びを欠いたと言わざるを得ない。
とはいえ、キャリア2戦の1勝馬で約5か月ぶりの実戦がこれまでの1000m通過より4秒近く速い流れで、これだけ大きく出遅れてはどうにもならない。

12着②セイウンヴィーナス

内枠を活かして中団からスムーズな競馬が出来たが、これまでマイル路線を歩んできた本馬にとって対応が難しいレースだった。

15着④シャンドフルール

明らかに無策で無謀なオーバーペース。


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