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『Good to Great』①成功する会社にはワケがある

『Good to Great』/ Jim Collins

「世界最高の経営思想家」と名高いJim Collins (ジム・コリンズ)先生の名著。Goodな会社がGreatな会社になるための条件を丁寧に解説してくれる。

ページ数も多く読み応えがあるが、読了後は確かな満足感を得ることができる。本書の特徴は何といっても圧倒的なリサーチと豊富な実例。経験や勘ではなく客観的なデータを用いて、読者を納得感のある答えに導いてくれる。

経営者向けの本なので、書かれている内容の視座は正直かなり高い。とはいえ、僕のような一般ビジネスマンにとってもタメになる教訓が含まれている。

起業・リーダーなど意識の高い言葉とは無縁の人にもぜひ手に取って読んでみてほしい。本書での事例を「会社」から「プロジェクト」あるいは「家族」など自分の身近な集団に置き換えてみると、より具体的に著者の研究結果を理解できるかもしれない。

わかりやすい解説動画を見つけたので貼ります。膨大なページ数の本書を約5分の動画にまとめてしまう作成者の要約力に脱帽です。

これだけ有名な本だからもちろん日本語版も発売されている。日本語版タイトルは『ビジョナリー・カンパニー ② - 飛躍の法則 』。個人的な意見だけどこのタイトルは本当に惜しい。タイトルに②をつけてしまったばかりに、①から読まなければならないと思い込んでいる人もいるのではないだろうか。

僕は①にあたる本を日本語版も原版も読んでいないが、それでも本書を楽しんで読むことができた。もちろん①②を合わせて読むことによって理解が深まる部分はあるのだろうけど、それぞれが独立した本と思って問題ない。

Greatな会社になるためにすべきこと

本書ではGreatな会社になるための条件として以下の3つが挙げられている。

1. 規律のとれた「正しい」人を配置すること

2. 核となる価値観を共有すること

3. 愚直に実行し続けること

肌感覚ではあるけども、2. については実践されているケースは多いように思う。僕の前職も企業理念を浸透させようとかなり努力していたし、他の企業の施策紹介記事も読んだことがある。

ただ残念なことに、1. 3. の重要性については2. と比較してまだまだ理解されていないのではないだろうか。

だからこそか、1. については日本でも反響は大きかったらしく、多くのメディアや書籍で引用されている。(筆者は1. を「誰をバスに乗せるか」「誰をバスから降ろすか」と表現したため、「誰バス理論」と呼ばれることもあるんだとか。)

会社に莫大な資産があっても、立派な製品があっても、人が正しくなければその時点ですでに詰んでいる。だからこそ社員には投資をしなければいけないし、採用活動は慎重に行う必要がある。ということか。

3. については「愚直に」というところがポイント。長い時間をかけてじっくりと押し続けることによってはじめて成功への道筋が見える。

最新のIT技術を使えばすぐにイノベーションを生み出せると思われがちだけど、本書はそれをバッサリ否定する。IT技術は改革を促進するけれど、改革そのものを生み出すわけではない。「Pythonとか人工知能でなんかすごいことやってよ!」的なことを言ってくる人が周囲にいる方は、ぜひこの本を紹介してあげてほしい 笑。

まとめ

イノベーションを生み出すための条件は?Greatな会社とはどんな会社か?本書ではマグレや博打ではなく長期的に企業を繁栄させるための方法を学ぶことができる。

一見して成功しているように見える会社も果たして本当にGreatな会社なのか。読了後、僕は本書の内容を思い出しながらニュースを見るようになった。

本書についてより詳細に要約をしたいので、後日別記事を複数たてます。各章について詳細な要約記事を書いていく予定です。

内容がかなり濃い本なのでまとめるのも正直大変。それでも、自分自身の体験や感想を交えながらの要約に挑戦していきます。頑張ろう!

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