【ゲーム感想】文化の失われた船団の上でアイドル活動「アイよりアオい海の果て」

お久しぶりの更新です。とぜです。

今回プレイしたゲーム「アイよりアオい海の果て」は2017年にアダルトゲームブランドAXLより発売されたゲームです。

前回クリアした「キュリオディーラー」から1週間程度でクリアできると思っていたのですが、結果的に2週間弱かかってしまいましたね。やはりノベルゲームはボリューミー。

★ざっくりしたあらすじ

陸に住めなくなった人類が生活に必要な設備を船の上に移設して、何年もたった。という世界観です。

主人公の静馬アオは祖父のカトリに育てられた「エンジニア」であり、船の点検から家電の修理までをこなしています。

ある日、悪友の善福ナオトラと普段は入れない部屋にうっかり入ってしまい、そこでコールドスリープされていた美少女を起こしてしまいます。

美少女は自分に関する記憶が抜けているようだったので、主人公たちはコールドスリープされていた設備の近くにあった文字の「I」からアイと呼ぶことになりました。

アイは自分はアイドルだということは覚えていて、アイドル活動を行おうとしますが、船団では歌や音楽など、娯楽に関する文化は消えており、まずはアイドル活動とはなんなのかを船団の人々に布教する活動にいそしむのでした。

新参者のアイだけでは住民の気を引き付けられないと感じたアオは幼馴染の、七海ナタネ、真備シオン、東森サンゴの3人をうまいこと説得し、アイと一緒にアイドルのライブへ参加させることに成功したのでした。

★七海ナタネルート感想

ナタネは漁師であり、自分の小型船「セブンスター号」を所有しています。

ですが、セブンスター号はどこまでも自由に航海できるわけではなく、ある程度船団から離れたら自動で船団の方へと戻ってしまう安全装置が付いていました。

安全装置はロストテクノロジーでいつか主人公がそれを解析して自由に航行できるようになったら7つの海を制覇し、陸を見つけるのがナタネの夢でした。

しかし、物語を進めると陸はもう無いことがわかり、彼女は絶望します。

主人公は彼女に希望を持ってもらいたく、陸がある可能性を見つけました。

このルートでは幼馴染で且つほかのヒロインに比べてチョロインなナタネがとにかくかわいいお話でした。

でも、船団長に注意されたのにも関わらず船団のルールを無視する展開が何度も繰り返され、若者の無鉄砲さが表現されていると言えばそうなんですが、「さすがにお前たち学習しろよ…」と思ってしまうところもありました。

共通ルートではそこまで魅力的に感じなかったナタネですが、個別ルートをクリアした中では一番好きです。

★真備シオンルート感想

実はシオンや、主人公、その他同世代の若者もアイと同様にコールドスリープから目覚めさせられた人間だということが発覚します。

シオンは母である船団長といつもぶつかっているのが日常だったのですが、実の家族ではないことを知り、「自分は本当の子ではないから、こんなにもわかってもらえないんじゃないか」と落ち込んでしまいます。

そこで主人公がシオンが母に愛されている証拠を突き付けて、「お前はこんなにも愛されているんだぞ」と納得させてハッピーエンドを迎えました。

正直、ありがちな話だなと思って読んでいました。感動できるか否かで言えば涙もろい方であればそこそこ泣けると思います。(私はかなり涙もろいのでもちろん泣きました。)

シオンは物語開始から主人公に露骨なまでに好き好きオーラを出しているので、少しくどいと感じるのが欠点だったと思いますが、好みの方であれば特に問題ない程度でした。


★東森サンゴルート感想

サンゴだけは主人公とその幼馴染たちより少し年上という設定です。

普段から姉のように主人公と接してきた彼女は主人公が思いを告げてもなかなか恋人になってくれません。

それは、昔大人に「主人公の世代の男の子とは恋人になってはいけない」とくぎを刺されていたことが原因によるものでした。

結局主人公の押しの強さで恋人になるのですが、なったらなったで、大人たちに別れを強要されます。

別れを強要された理由はサンゴは昔船団でウイルスが流行って人が大量に死んだときの生き残りで、生殖機能が大きく低下しているから、というもので、ある程度予想がつくものでした。

最終的にはエンジニアの才能爆発させた主人公が不妊の問題を解決してハッピーエンドとなりました。

物語の序盤から最後に至るまで非常に納得感のある展開で安心してプレイできる内容で良かったです。

★アイルート感想

船団が嵐に見舞われて、主人公は復旧に勤しみますが、なかなか復旧できません。

恋人になったアイに励まされ、何とか復旧できたものの束の間、また大きな嵐が来るということでアイを除く同世代と「海上マーケット」という場所に避難して物語は幕を閉じます。

最終的に主人公とアイが再開する様子が描かれず終わったため、残尿感の残る非常にもったいないお話でした。

途中までの展開がいいだけにお話しのラストが悪すぎて、このルートをプレイしないで終えたほうがよかったんじゃないかとも思えます。

★全体を通して

アイドルがテーマになっているのに全体的アイドル描写は「ついで」といった感じが多く、アイドルものを期待してプレイするとがっかりすると思います。

絶望的な船団でどう過ごすか、という物語としては面白かったと思うので、無難に面白い作品をやりたいという人であればおすすめできますが、もしそうであれば「キュリオディーラー」のほうを先にプレイすることをすすめます。


★終わりに

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