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【ボクシング】村田諒太 対 ゲンナジーゴロフキン戦

先日、いやもう数週前の話。
ふとAmazonプライムを開くと「村田諒太VS.ゴロフスキン」が公開になっておて、すでに9回でTKOという結果は知っていたのだけれど、熱い試合だったと聞いていたので観てみることに。

ゴロフスキンが手数も有効打も圧倒しているけれど、村田選手のボディブローも効いていて『ひょっとしたら』と思える場面も数多くありましたね。
スマホの画面を食い入るように睨み、いち観客として二人のドラマティックな戦いに感動しつつ、
一方で、冷めた目で観ている自分がもう一人。
職業病、なんだと思います。
ついつい身体を読んでしまう。
物語にのめり込む自分とは別に、村田選手の左のパンチが出ない理由を検討し続ける自分がいたんです。
違和感を感じたのは右の股関節。
左のロングボディやロングレンジのジャブは出ているが、ミドルレンジ未満の左がなかなか出ない。
出しても連打につながらない。
明らかに左のボディが効いているゴロフスキンに対してに左フックが出てこないのは明らかにおかしい。
右の股関節に見える問題は残念ながら確信に近いものになってゆきました。

村田選手の右股関節は折り曲げた状態で内ねじり(屈曲域での内転内旋)の方向へのコントロールが上手くゆかない様子。
序盤から常につっかえ棒のように(外転・伸展させて)踏ん張ってます。

左のパンチは右股関節の内旋動作が軸となりますから、
通常、左を打つときに右股関節は内へ絞る動作が起こるんです。

ロングレンジのパンチでは上体を前へ倒した分、右の股関節を開いて捻じることになりますので股関節の問題は足を引っ張ることがないのでしょう。
しかし、ミドルレンジ以下では右の股関節を若干折り曲げた角度で内に絞ることになるので股関節の回旋範囲が狭すぎて切れの良いパンチとはならないでしょうし連打も効かなくなるでしょう。
それをカバーするように踏み込んでの長いジャブを使っていたのはさすがですよね。
でも、左がコンパクトかつシャープに打てないであろう状態でゴロフスキンを相手にするのは金銀落ちで将棋を指すようなもの、と言ったら言い過ぎでしょうか…

そもそも画面を眺めただけですので右の股関節に問題があると言い切るのも下品な話なのですが、それでも股関節屈曲位での内旋内転ができていないこと、左のロングボディは打てるけど返しの左フックには繋げられないことをみるに、私の中で右股関節の問題への確信は深まるばかりでした。

試合にたらればはないけれど、右の股関節が正常に機能していたら、
左の引き出しが十分にあったら、倒れていたのはゴロフスキンだった可能性も大いにあると思うと残念でなりません。

その点を修正して、もう一度…
と考えてしまうのはエゴでしょうね…
でも、村田選手のその先を観てみたい。
ご縁があれば、メディカルトレーナーとしてお仕事してみたいですね。

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