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豊岡演劇祭2020フリンジマガジン

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豊岡に滞在して作品製作を行っている一部のフリンジ参加団体に寄稿頂いた劇団紹介・エッセイを掲載しています。
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#フリンジ

theater apartment complex libido:『libido:AESOP0.9』

ご観劇いただいた方々、気にかけてくれた方々、豊岡演劇祭の関係者の皆様。日高神鍋観光協会、アップかんなべ、やまね屋のおばちゃん、野菜くれた隣のおじちゃん、轢いちゃった鹿さんにはごめんなさいだけど、本当に色々な方々に感謝の豊岡演劇祭でした。 (第0回があったとは言え)1回目の演劇祭で、その上にコロナの影響があって、大変なことばかりだったと思いますが、参加した身として、急速に変わり続ける状況の中で迅速で徹底した対応と、何より、今一番大切な、人と人の繋がりを感じることのできた演劇祭で

劇団普通『電話』

豊岡の皆さま、演劇祭へお越しになる皆さまへ はじめまして。劇団普通の主宰をしております、石黒麻衣と申します。劇団普通をご存じない方も多いかと思いますので、はじめに自己紹介をさせていただきます。当劇団は2013年に東京都で私石黒が自作の戯曲を上演するため旗上げしまして、以来年に2回ほどのペースで上演を重ねております。劇団員が居たこともありますが、現在、劇団員は私ひとりの劇団です。 都内でばかり公演をしてきましたので、この度豊岡演劇祭で、新しい土地で、豊岡で公演できますことを

越後正志『観測地点』

2020年9月14日 越後 正志 ◉インスタレーションとは? 豊岡演劇祭2020のフリンジに参加している現代美術家の越後です。 フリンジの演目内容をチェックすると私のジャンルは「インスタレーション」と書かれています。「インスタレーション」は、現代美術の世界では当たり前のように使われている言葉ですが、演劇祭に来てくださった方には馴染みのない言葉かもしれません。そもそも「インスタレーション」の言葉の定義も美術家によって様々です。私が「インスタレーション」を説明するのであれば、「

知念大地『続・ひしと』

雨です。たまに、雷の音がしています。 そんな今日も大道芸があります。 ぜひ、みなさまお越しください。 【スケジュール】 9月11日(金)21:00 会場:豊岡稽古堂前 9月12日(土)20:00 会場:江原河畔劇場駐車場 9月13日(日)20:30 会場:江原河畔劇場駐車場 9月16日(水)19:30 会場:江原駅前イベント広場 9月18日(金)20:30 会場:江原河畔劇場駐車場 9月19日(土)19:00 会場:江原駅前イベント広場 ☆ウォーキングアクト 9月22日(火

竹中香子『「民主的演技」を考えるワークショップミーティング』

わたしが「民主主義」という言葉をつかう理由  コロナウィルスが「普通の」生活を完全に呑み込むまで、3日もかからなかったと思う。3月の初め、わたしはフランス・ブルターニュ地方の1000人規模のホールで公演をしていて、次のツアー公演までの1週間の休みをパリの自宅で過ごしていた。つい数日前まで、わたしたちは頬と頬で挨拶のキスを交わすたびに、おっと、コロナがうつっちゃう!と冗談を言って笑っていた。ところが、あっという間に感染者数は幾何級数的に増えていった。200人が400人、400

ブルーエゴナク『ザンザカと遊行』

『ザンザカと遊行』に寄せて(当日パンフレットより) 8月16日。 豊岡市地域おこし協力隊であり演劇祭事務局のサカイ君の車で、初めて竹野町に入ってから本番までの約1ヶ月の間に、 自分に起きた変化を考えながら、この文章を書いてみようと思う。 今作は滞在制作ということもあり、前半は竹野町の歴史や言い伝え、風習などをリサーチする期間が続いた。 同月9日に城崎在住の松井敬代さんにお話をお聞きしていたこともあり、民族的なテーマにある程度焦点を絞っていた。 リサーチは進むにつれて、主

to R mansion『街角の恋人〜湯けむりサーカス編〜』『DIVE/JOURNEY(ダイブジャーニー)』

肩にコウノトリをのせ、ロックンローラーが但馬牛にまたがり夜の温泉街を闊歩している。 「豊岡フリンジ」のイメージ。 フリンジとは「周辺にあるもの」という意味もあるんだそう。 え?フリンジってエルビス・プレスリーの袖についてるあのピラピラのヒモの事? そう、それもあるらしいけれど。 演劇祭でいうフリンジとは、演劇、ダンス、音楽と様々なジャンルの演目が、プロ・アマを問わず同じ地平で上演されるお祭りのこと。つまりパフォーミングアーツのビュッフェ。 メインディッシュも大切だけど、

スペースノットブランク 『ラブ・ダイアローグ・ナウ』

2020年9月12日(土)、13日(日)にアップかんなべ 中央ゲレンデにて『ラブ・ダイアローグ・ナウ』という舞台を上演します。 2020年3月、江原河畔劇場のプレオープンにて豊岡を訪れました。その際に神鍋をご案内していただきました。アップかんなべ(スキー場)の周辺と神鍋山噴火口を拝見し、その環境にひとめぼれ(LOVE AT FIRST SIGHT)して、出会いを描いた舞台『ラブ・ダイアローグ・ナウ』(愛・対話・今)をここ神鍋で上演したいと思いました。 緑と青空に包まれて、