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経済メディアはなぜ精神医療を追いかけたのか。

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東洋経済の記者が、精神医療の現状を取材した『ルポ・収容所列島』。 この本の執筆は、閉鎖病棟からの退院を望む1通の手紙をきっかけに始まりました。 経済メディアである東洋経済がなぜ… もっと読む
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東洋経済オンラインで2700万PV突破の人気連載「精神医療を問う」待望の書籍化!『ルポ・収容所列島』

こんにちは。東洋経済オンラインで2700万PV突破の人気連載「精神医療を問う」を書籍化した『ルポ・収容所列島』が3/11(金)に発売となります。 発売に先駆けて、書籍の内容を少しだけご紹介させていただきます。 現在、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人超。精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされています(数字は2017年時点)。この数字は人口あたりで見ても世界でダントツに多く、現場では長期入院や身体

『ルポ・収容所列島』本文公開_第1章

日本の精神医療を東洋経済新報社の記者が3年掛かりで取材したノンフィクション『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』が刊行となりました。閉鎖病棟からの退院を望む患者の手紙をきっかけに取材が始まった本作を、より多くの方に知っていただくために「プロローグ」「第1章」「エピローグ」を公開させていただきます。 こちらの記事では「プロローグ」に続き、第1章を公開しています。 電子版の購入はこちら、オーディオブックはこちら 第1章 問答無用の「長期強制入院」精神科病院に入院した

『ルポ・収容所列島』本文公開_おわりに

「プロローグ」「第1章」は、お読みいただけたでしょうか。自分の意思で退院できない長期入院、精神科病院に強制連行する民間業者、身体拘束、薬漬け…、他人事と思っていた精神医療の闇は、思っている以上に身近なものであることが、少しでも伝わっていましたら幸いです。 このページでは「おわりに」にあたるエピローグを公開いたします。 電子版はこちら、オーディオブックはこちら エピローグ 門外漢が問題提起に取り組む意義2021年10月15日。日本弁護士連合会は岡山市で開催された「人権擁護

『ルポ・収容所列島』本文公開_はじめに

日本の精神医療を東洋経済新報社の記者が3年掛かりで取材したノンフィクション『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』が刊行となりました。閉鎖病棟からの退院を望む患者の手紙をきっかけに取材が始まった本作を、より多くの方に知っていただくために「プロローグ」「第1章」「エピローグ」を公開させていただきます。 プロモーション担当者からのメッセージです。 「精神医療なんて、私には関係ないや」                本書を読む前までそう思っていました。今この文章を読んでく

経済メディアはなぜ精神医療を追いかけたのか。

本人の意思を無視した長期強制入院、病院への強制移送、身体拘束、薬漬け・・・、日本の精神科病院を取り巻く現状は、世界標準からかけ離れた異常な点ばかりです。 そんな日本の精神医療の抱える現実をレポートした、東洋経済オンラインの連載「精神医療を問う」全15回に大幅加筆した書籍、『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』が3月11日に弊社、東洋経済新報社から刊行されました。 このような経済メディアとしてはもちろん、日本のメディアがなかなか正面から取り上げることがなかったテーマ