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演奏再開♪について(報告と感想)


まさかこの様な状況が現実になるなんて数ヶ月前まで全く想像もしなかった。
オーケストラといえば(室内楽はもちろん)なるべく人と近づいて少しでも密接な距離でアンサンブルをするのが常識だ。全国のオーケストラがそれぞれに形態を模索している中、兵庫県立芸術文化センターのオーケストラ(通称HPAC)も距離を取った並びやマスク着用など、ガイドラインをもとにホールでの演奏を試みる機会が設けられた。

HPACの特徴としては、外国人の割合が高い事や、メンバーの年齢が若いということがまず他のオーケストラと大きく違うところだと思う。これはある意味他の国内のオーケストラと比べると色んなリスクが少し高めっていうことでもある。
どういうことかと言うと、外国人の文化としてマスクをする習慣が無い、ハグや握手をする習慣がある、若者特有の集団行動やボディランゲージ等々。。。
でも、ここ数年のHPACのメンバーは初期のメンバーに比べるととても優等生が多く、(スタート当初は良い意味でぶっ飛んだメンバーが多かった笑)日本の文化に比較的すぐ馴染んでリハーサル時にペチャクチャ喋ることもなく、今回の試演会でも非常にスムーズにリハが行われた。

一言も声を発せず、弾いているだけの状態(特に弦楽器は)においては、1番の危険要素は指揮者であった。
ある程度のボリュームで喋らなければリハーサルは出来ないし、実際私は以前指揮者からインフルエンザをうつされた経験もあったのでよくわかるのだが、私の座っている場所からは指揮者からの飛沫がハッキリと目視できるのだ。
これは前列に座っている奏者には心理的なストレスがあるのではないかという危惧がある。

結論から言えば、少なくとも声を発することがない本番では全員マスクを外し演奏をした。(任意で着けたい人は着けても良いというルール)
各奏者の距離も1.5mとり、検温、手の消毒もして演奏にのぞんだ訳だが、やはり音の密度という点で特に弦楽器は一体感を感じることがとても難しい。あと、指揮者と握手できない事も何かオケ全体の一体感を削ぐものとして意外と大切なことだったのだという再認識。
今後このウィルスと付き合っていく中での演奏会が、今までとどう変わっていくのか。。。
ここ数年インフルエンザの季節に客席の7.8割の人がマスクをしていて異常だと思っていた光景が季節に関わらず当たり前の光景になるのか。。
また演奏面においてはライブ配信することが当たり前になるとしたら、どうしても演奏が守りに入ってしまうのではないかとか。。。

いずれにせよ、これまでの当たり前が当たり前ではなくなる事だけは確かな事になりそうである。。。。

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