1988年の反原発運動・全史(もくじ)

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 2018年に上梓した『全共闘以後』(イースト・プレス)は、政治運動・社会運動的なことに関心のある者なら誰もが読まなければならない名著中の名著だが、なにしろ1968年から2018年までの50年間の運動史を1冊に詰め込んだもので、「あとがき」でもボヤいているとおり、〝神は細部に宿る〟的に重要な細かいエピソードを削りまくることを余儀なくされた、かなり不本意な著作である。
 もともとは、単行本化の予定などまったくないまま、09年頃にまず「序章」を書いたまま挫折し、13年頃に一念発起して「第1章」を書き上げたところでまた挫折し、14年秋から刊行を始めた紙版『人民の敵』誌のコンテンツに困った時にそれらを掲載し、せっかく途中まで掲載したのだから続きを書く気がまた湧いてきて、17年に入ってから断続的に〝連載〟を開始し、そうこうするうちに単行本化の話がまとまって、18年の年頭に一気に最後まで書き上げたものである。紙版『人民の敵』では、「第3章・第4節」の前半、具体的には単行本版『全共闘以後』p.213にあたる部分までが〝連載〟されている。
 そして「あとがき」に書いたとおり、紙版『人民の敵』に掲載した、この〝オリジナル版〟はとにかく〝長い!〟のである。単行本版ではそれらに該当する部分の分量は原稿用紙換算で約360枚分、単行本全体の約3分の1だが、〝オリジナル版〟では約1300枚分、最終的に刊行されたあのブ厚い単行本それ自体よりも長かったりする。とっても濃密で面白いと大評判の本だが、しょせん表面をなぞることしかできなかったと忸怩たる思いを抱えている。
 とはいえ、『全共闘以後』は引き続き絶賛発売中の本だから、noteでもその約1300枚の〝前半約3分の1のオリジナル版〟を公開することは差し控える。そのうちごく一部、とくにこの部分は本来の形で世に出したいと痛切に願っていた、約290枚分だけを公開することにしよう。単行本版では、この約290枚はなんとたったの42枚に圧縮されているのだから、もはやほとんど別の作品であり、著作権的にもそう深刻な問題はあるまい。
 つまり単行本版『全共闘以後』の「第3章・第3節 反原発ニューウェーブと札幌ほっけの会」にあたる部分の〝オリジナル全長版〟である。単行本版ですでに読んだという諸君も、あんなに面白い話だったのに、本当はもっと面白い話だったのかと衝撃を受けるはずだ。

 今回、小見出しなど付けていないオリジナル原稿のまま放出するが、参考までに以下、おおよその内容を箇条書きにしておく。

 前篇「反原発ニューウェーブ」

 その1(原稿用紙換算約16枚分・うち冒頭7枚分は無料でも読める)
 反原発運動の歴史

 その2(原稿用紙換算約22枚分・うち冒頭7枚分は無料でも読める)
 広瀬隆ブーム
 伊方原発出力調整実験

 その3(原稿用紙換算約28枚分・うち冒頭11枚分は無料でも読める)
 グループ・原発なしで暮らしたい
 小原三原則
 第1次高松行動

 その4(原稿用紙換算約27枚分・うち冒頭11枚分は無料でも読める)
 ニューウェーブvsオールドウェーブ
 第2次高松行動

 その5(原稿用紙換算約17枚分・うち冒頭6枚分は無料でも読める)
 通産省行動
 東京1万人(2万人)集会

 後篇「札幌ほっけの会」

 その6(原稿用紙換算約21枚分・うち冒頭8枚分は無料でも読める)
 「札幌ほっけの会」とは?
 宮沢直人の闘争歴
 自由高校生連盟(自高連)

 その7(原稿用紙換算約18枚分・うち冒頭8枚分は無料でも読める)
 恵迪寮生有志
 北大ノンセクト運動史
 札幌ほっけの会の結成

 その8(原稿用紙換算約21枚分・うち冒頭9枚分は無料でも読める)
 革マル派問題
 北海道の反原発運動状況
 高松旅団

 その9(原稿用紙換算約24枚分・うち冒頭8枚分は無料でも読める)
 反原発学生連絡会
 反原発わかもの交流会
 労働者組織「千人行動」
 燃料棒搬入阻止闘争

 その10(原稿用紙換算約22枚分・うち冒頭9枚分は無料でも読める)
 北電社長宅侵入事件
 道庁知事室前ロビー占拠

 その11(原稿用紙換算約26枚分・うち冒頭7枚分は無料でも読める)
 原発トマリ記念日
 宮沢直人のキャラクター
 小原派との衝突

 その12(原稿用紙換算約20枚分・うち冒頭9枚分は無料でも読める)
 ほっけの会の分裂
 STOP!泊10日間行動
 北電前テント

 その13(原稿用紙換算約19枚分・うち冒頭5枚分は無料でも読める)
 泊原発侵入・苗木作戦
 ゲート占拠
 試運転開始当日・北電本社封鎖闘争

 その14(原稿用紙換算約17枚分・うち冒頭5枚分は無料でも読める)
 送電鉄塔立てこもり闘争
 道民投票条例
 幻の〝議員拉致〟計画

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