外山恒一&藤村修の時事放談2019.6.9(その1)【無料記事】

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 紙版『人民の敵』の人気(かどうかは知らんが、まあおおむね高評価)コンテンツだった、福岡在住の天皇主義右翼(!)である藤村修氏との“時事放談”をお送りする。
 藤村氏は私と同い年で1970年生まれ。ファシストとなった現在でこそ“右方面の友人知人”もだいぶ増えたが、藤村氏は私がまだ“異端的極左活動家”だった頃からの、数少ない(他には東京の大石規雄氏ぐらい)そっち方面の友人で、しかも政治的・思想的な諸々に関して当時からなぜか、他の多くの左方面の友人たちを差しおいて“最も意見が合う同世代”だった。

 私のテープ起こし原稿は“とにかく長い!”のである。
 今回の対談も400字詰め原稿用紙換算で計130枚ぐらいある(笑)。
 「note」を始めるに際して宣言していたとおり、“原稿用紙1枚あたり10円”の有料コンテンツとするが、購読の参考に供する目的も兼ねて、冒頭20枚分近くは無料公開する。
 具体的には、全体を約20枚ずつに分けて6部構成とし、第1部は完全無料、第2部以降はそれぞれ冒頭部だけチラ見せしつつの有料公開ということになる。

 第1部の約20枚(正確には18枚)分のうち冒頭6枚分ぐらいは単なる雑談で“時事放談”でも何でもないが、完全無料部分なんだし許せ(笑)。でもまあ、ノリとしてはこういう感じに時々なるんで覚悟しなさい、の意味もなきにしもあらず。

     ※     ※     ※

  異様に素直でない交通違反者

外山 今日はバイクじゃないんだ?
藤村 うん、壊れちゃってね。
外山 ここに来る途中で?
藤村 いやいや、2週間ぐらい前。だから今はほぼ、移動はいつも自転車です。
外山 あ、自転車だったのか。バイクの音がしなかったから、駅から歩いてきたのかと思った。
藤村 通勤も最近は自転車で、職場からさらに足を伸ばすぐらいの感覚だよ。
外山 でもムチャクチャ遠くないか?(笑)
藤村 10キロぐらいかな。前にバイクで測ったことがある。
外山 まあそうかもしれんが……とりあえず運動にはなるね。
藤村 そうそう、ちょうど痩せなきゃいけないと思ってたんだ。というのも、伊集院光がラジオで体重測定をやってて、そしたら今のオレは伊集院より太ってるみたいなんだよ。伊集院は99・何キロとか云ってて、オレは3ケタあるからさ。伊集院って身長が183センチぐらいなんで、オレはさらに高いとはいえ(藤村氏は190センチ超)、それは云い訳にはなりそうもなくて、ショックを受けてたところです。しかもそれとは別に、〝2段階右折違反〟というのを連続3回やらかしちゃって……。
外山 あれは警察のいいカモなんだよなあ。ぼくもそれがイヤで、車の免許を取って以来、近場でも原付はほとんど使わなくなってるもん。
藤村 オレはそこで、ちゃんと反則金を払うという姑息で安易な解決を選んでしまって、原則的な問題提起をする面倒を避けたために(笑)、〝マイナス6点〟で、なんか講習を受けないと免停になりますっていう、脅迫状が届いてるんです。
外山 ぼくはここ2年で2回かな、違反で停められてるけど、「絶対に払わんから、まずは正式裁判にしろ」と云い張ってたら、結局2つとももう何も云ってこなくなったよ(笑)。
藤村 ほー、やっぱり1回ちゃんと闘っておくといいんだな。
外山 警察も一応、この異様に素直でない違反者はどういう奴だ、って記録を調べるだろうからね。そしたら逮捕されて1ヶ月も拘束されて、正式裁判も最高裁までやって、しかも結局1銭も払わなかったという〝実績〟が判明するわけで、そりゃあ諦めるでしょう(笑)。
藤村 そこまで徹底的にやれば、向こうも態度を改める、と。
外山 もちろん重大な違反はダメだろうけどね。こないだみたいな、どう見ても危険のない場所で一時停止の標識を見逃した、ぐらいのことならまあ。
藤村 しかし2段階右折とか……。
外山 ほぼ意味ないよなあ、あんなの。
藤村 警察がいる目の前で2段階右折をしなかったのに何も咎められなかったことが何度もあるし、1度それで停められたと思った時も、一時停止がどうこう云うだけで、〝2段階右折〟のことは一言も云われなかったから、ほとんど有名無実化してる交通法規なのかと思ってた。だってそもそもバカバカしいでしょ。何のためにあるルールなのか分からん。
外山 警察が反則金のノルマを達成できそうにない時のためにあるんじゃない?(笑)
藤村 それこそ伊集院光も、2段階右折がイヤだからわざわざ遠回りをすることがよくあるって何かに書いてたよ。2段階右折のために車道の脇でいったん停まることのほうがよっぽど危ない気がする、って。で、やがてバイクが壊れて使えなくなって、その次の日ぐらいに警察から〝脅迫状〟が届いたから、これはもうオレはバイクに乗るなということなんだろう。
外山 そりゃまあ自転車のほうが健康にはいいでしょう。

  “時事放談”になってますか?

藤村 とにかく伊集院よりもデブになってしまったのは、ちょっとヤバい。しかも向こうはその、自分がデブであるということも〝キャラ〟の1つに昇華させて、お金に変えてきたわけでしょ。オレがデブになっても、ただデブなだけなんだもん(笑)。伊集院はもともと130キロぐらいあって、今は90何キロだというのもかなりダイエットした結果なんだけど、それでも相変わらず自分のことを「オレのようなクソデブは……」とかって卑下してギャグにしてるんだよ。ってことは、オレも〝クソデブ〟ってことじゃん(笑)。オレは中3の時にちょうど伊集院と同じで身長183センチだったんだけど、体重は50キロ台だったからね。自分が〝クソデブ〟であるという事態にオレは慣れてないんだ。
外山 あっというまの30余年でありましたな。
藤村 そうだよなあ、まさか100キロを超えるなんて……。
外山 倍じゃん(笑)。
藤村 焦って一時は93キロまで落としたけど、またリバウンドしてしまった。ちょうど外山君がBARラジカルをやってた頃、オレはよく自転車で通ってたでしょ。
外山 あ、あれはダイエットをしてたのか。だけどあれももう10年ぐらい前の話になりますよ(笑)。
藤村 まだそんなには経たないでしょう。ちょうど東日本大震災の時だから……(2011年3月18日つまり震災の1週間後にオープンし、外山が〝雇われ店長〟を務めていたのはそれから約10ヶ月間)。
外山 8年前ということになる。
藤村 ……〝時事放談〟だよね(笑)
外山 うん(笑)。
藤村 それこそまさにネタはいっぱいある時期のような気がするんだけど、オレは最近けっこう忙しくて、全然知らないんだ。
外山 〝ネタはありそう〟というのは、例えば?
藤村 川崎の事件とかさ。
外山 それは何だっけ?
藤村 通り魔殺人みたいなのが起きたでしょ、小学生が10何人か刺されたっていう。
外山 うっすら知ってる……。
藤村 あと農水省の元事務次官だかが引きこもりの息子を殺した事件とか……。
外山 それも小耳には挟んだ(笑)。
藤村 その事件のTVニュースでの扱い方をめぐって、ネットでまたギャーギャー騒いでる連中もいるみたいだし、それから小川彩佳がテレ朝を事実上追い出されて、TBSの『ニュース23』のキャスターになった初日に、ゲストで東京工大の例の、宮台(真司)の弟子で……西田亮介か、社会学者の。西田亮介と鴻上尚史がゲストで出てて、議論したのがネットで炎上したりとかね。
外山 なんだかんだで世相に詳しいな。

  鴻上尚史vsしばき隊

外山 それは何がどう炎上したの?
藤村 鴻上が反ヘイトの運動を批判した、とか云われて……。
外山 ん? ヘイトスピーチを批判したんじゃなくて、反ヘイト側の運動を批判したの?
藤村 そうそう。
外山 〝行き過ぎだ〟的な?
藤村 オレも番組を見てたわけじゃなくて、ネットの反応が目に入っただけなんで、正確なことは知らないんだけどね。最初に鴻上の発言の内容がツイッターで流れてきて、そもそものテーマはヘイト・デモだったのか、それとも杉田水脈とかだったのか、ともかくそういったものに対して、ただひたすら罵る人たちと、〝あなたはここがこう間違っている〟と一所懸命説こうとする人たちとがいる、と。もちろん鴻上は後者を評価してて、そっちにしか可能性はないと思う、というような話だったらしい。だからヘイト・デモに〝カウンター〟に行って〝ただ罵声を浴びせている〟ような人たちが……。
外山 〝オレたちのことを悪く云った〟、と。自分たちがそういう存在であるという自覚はあるんだ(笑)。
藤村 たしかオレが最初に見たのは、その鴻上の発言に対して香山リカが……
外山 香山リカは一緒に出演してたわけではなく、視聴者?
藤村 そうだね。在特会とか、ああいうヘイト連中に〝言葉〟が通じるわけないじゃないか、と香山リカは鴻上を批判してた。それに対して今度は鴻上尚史が、たしかにヘイトスピーチをやってる当人たちはほとんど宗教的な、というか狂信的な連中なんだし、言葉は通じないかもしれないけど、私は劇作家なので、そのヘイトスピーチの現場に居合わせた通行人たち、つまり〝観衆〟の目を意識すべきだと考えているんだ、と返信して……。
外山 ただ罵声を浴びせて、〝狂信者どうしの争い〟ってふうに通行人の目に映ってはマズいだろう、ということだね。鴻上の本にもそんなエピソードが書かれてましたよ。鴻上尚史は早大でしょ。学生時代にキャンパスで革マル派と原理研がお互いトラメガを手に批判し合ってて、その周りを大勢の早大生が興味津々で取り巻いてるんだけど、どうも見てると革マル側が押されて、劣勢だったらしいんだ。〝理論の革マル〟のくせに原理研に議論で負けてた(笑)。それで〝ええい見ちゃおれん!〟ってことで、つい「オレに喋らせろ」と革マルからトラメガを奪って、たまにギャグとか挟んで、それこそ〝観客〟を味方につけながら原理研を追い詰めて、退散させたらしい。遠くから様子を窺ってた革マル派の幹部活動家らしき人が、「あの優秀なアジテーターは何者だ?」みたいに周りに訊いてるから、ヤバいと思って自分も慌てて姿をくらました、って(笑)。
藤村 へー、鴻上はちゃんと実践してたんだね。
外山 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社・06年)の最初のほうに、その話が出てくる。
藤村 ただ鴻上は、ヘイトに対してただ罵声を浴びせるような人たちのことを〝左翼原理主義者〟と呼んだんだよ。オレだったら正確に〝パヨク〟と云う。そうすれば……やっぱり〝パヨク〟って言葉は重要なんだよなあ。どうしてこう、〝ちゃんと〟広がらないのか。
外山 せっかくぼくが、『良いテロリストのための教科書』(青林堂・17年)でも『全共闘以後』(イーストプレス・18年)でも、きちんと定義して〝使える言葉〟にしてあげたのに(笑)。
藤村 〝左翼原理主義者〟なんて言葉を使っちゃうと、対象がボヤけてしまうんだ。〝パヨク〟と云えば全部解決する。
外山 それは鴻上が、ツイッターで書いてたの?
藤村 うん。自分はそういう〝左翼原理主義者〟にずっと悩まされてきた、みたいな書き方をしてた。でも、常識的な感覚から云えば、〝左翼原理主義者〟というのは、それこそ中核派とか革マル派とか、そういうのをイメージするものでしょ。
外山 まあそうだな。むしろ〝パヨク〟(外山の定義では、首都圏反原発連合や〝レイシストをしばき隊〟やシールズをはじめとする、〝3・11以降〟の諸運動を指す。もともと〝しばき隊〟つまり〝野間易通一派〟を指すネット・スラングとしてネトウヨが使い始めた言葉だが、60年代末以来の新左翼ノンセクトの流儀を後生大事に守り続ける〝ヘサヨ〟、80年代末以来のサブカル的・面白主義的な〝ドブネズミ〟に対して、〝3・11以降〟の諸運動の全体を指す用語がなかったので、〝広義の野間易通系〟のニュアンスで流用することを提唱している。ヘサヨ&ドブネズミと違って新左翼運動の影響をまったく受けておらず、そもそも運動史に関する知識が貧弱で、左翼のくせに理屈がなく、また、ヘサヨ&ドブネズミが嫌悪する議会政治あるいは日本共産党と親和的である、などの特徴がある)って、要は〝原理〟がない左翼だもんね(笑)。
藤村 案の定、パヨクどもが一斉にツイッターで鴻上を攻撃し始めて、さすがに香山リカもマズいと思ったらしく、パヨクに対して、〝みなさん誤解されているようですが、鴻上さんはヘイト問題に早くから取り組んでいて……〟。
外山 立派な人である、と。
藤村 安田浩一さんの『ネットと愛国』(12年・講談社+α文庫)にインスパイアされた戯曲も書いて上演してるし、決して口だけの、実践をしないタイプの人ではありません、ってふうに擁護して鎮静化を図ってた。そんなことを香山リカがわざわざ書いてフォローしなきゃいけなくなるぐらい、ほんとにパヨクというのはもう……すげえな、と。しかもその香山リカのフォローも、パヨクには通用しないんだもん(笑)。
外山 うん、だって〝理屈の通じない左翼〟なんだからさ(笑)。
藤村 それにパヨクにとっては、〝街頭に出る〟ことだけが〝実践〟で……。
外山 しかもただ出るんじゃダメで、彼らと同じ流儀でヘイト連中を罵倒すること以外は〝実践〟とは認めてもらえない。
藤村 東浩紀に対してさえ〝口先だけの奴〟って批判をするでしょ。そんなバカな! 東浩紀がどれだけ〝実践の人〟であるか……
外山 ほとんど〝活動家〟だよね、トンチンカンだけど。
藤村 だって〝ゲンロンカフェ〟ひとつとっても、ああいう空間が必要だと考え、実際に立ち上げて、何年も維持してきたというのは大変なことですよ。たしかに東浩紀は、良く云えばナイーブ、悪く云えば打たれ弱いというか人望がないというか(笑)、それでいろいろ苦労されてるようだけど、少なくとも今の日本の言論人の中では最も〝実践〟してる人でしょう。しかしパヨクにとってはそういうのは〝実践〟のうちに入らなくて、街頭に出てワーワー云うことだけが〝実践〟だと思ってるから、東浩紀なんかは〝口先だけの奴〟ってことになってしまう。鴻上尚史が〝演劇で〟ヘイト問題に取り組んでるなんてことも、もちろん〝実践〟とは認めてもらえません。
外山 せっかくの香山リカのフォローも、全然フォローになってない、と。

  「パヨク」という語の正しい用法

藤村 とはいえ、その件はたまたま目にしただけで、最近はオレもあんまりツイッターを見なくなってるし、そっち方面の情報も普段はあんまり入ってこないんだよね。しかも精神衛生上よくないんで、とくにパヨク系の人をミュートしたりしてて……。
外山 あらら、〝しばき隊評論のトップランナー〟ともあろう人が(初期しばき隊の主要メンバーの1人だった清義明氏が、紙版『人民の敵』での〝時事放談〟シリーズを読んで藤村氏をそう評した)、さすがにもうウンザリしてきた?
藤村 もう6月だから……今年は野間さんの「ノー・ヘイトTV」(野間易通氏と安田浩一氏がYouTubeで定期的に公開している動画)もまだ2回ぐらいしか観てないもん。YouTubeにはチャットがあるんで、そこに野間さんの悪口を書きながら観てる(笑)。で、そのチャットに書き込んでいるカウンター側の1人が、立憲民主党は〝ヘイト容認政党〟だとか、ワケの分からんことを云っててさ。小林よしのりと友好関係を保ってるから、ということなんだけど、ほんと、くっだらない。ほとんどネトウヨだよね(笑)。
外山 まさに〝どっちもどっち〟である、と。在特会にはたしかに言葉は通じないかもしれないけど、しばき隊だって言葉が通用しないからなあ(笑)。
藤村 しかもそうやって〝しばき隊〟という言葉をアバウトに使ってると、また突っかかってくるでしょ。
外山 今はもう〝しばき隊〟という名前じゃないんだということは分かった上で、〝野間系カウンター〟の意味で云ってるわけだけど、そりゃあ正確に区別して云わなきゃいけない文脈ではちゃんと使い分けますよ。その必要がない時はアバウトに云ってるんであって、それをいちいち突っ込んでくるから鬱陶しい。
藤村 〝プラカ隊〟は〝しばき隊〟とは別なのに、引っくるめて〝しばき隊〟と呼ぶのはおかしいとか、いちいちね。だからもう〝パヨク〟でいいんです(笑)。〝パヨク〟ならそこらへんを全部まとめてそう呼んで間違いないんだから。ほんとに便利な言葉だと思うよ。ただまあ、〝パヨク〟の用法もメチャクチャになってきて、だんだん便利じゃなくなってるけどね。
外山 ネトウヨが珍しく、せっかく〝いい言葉〟を作ったのに、やっぱりネトウヨはバカだから、自分たちに敵対してくる連中をリベラルから旧左翼から新左翼から珍左翼から全部いっしょくたに〝パヨク〟呼ばわりして、台無しにしてる。ネトウヨから見ても、チューカクハとか〝ヘサヨ〟とか〝プロ市民〟とかとはどうもちょっと違う、新しいタイプのヘンテコな連中が出てきた感じがして、それでわざわざ〝パヨク〟という新しいレッテルを作って広めたわけでしょ。もともと〝野間一派〟のことだったんだから、せめてそこだけを指す言葉として使い続けてほしいよ。
藤村 まあネトウヨはもうしょうがないと思うけどさ。そういえば〝はすみとしこ〟だったかな、〝尊敬すべき左翼〟というのは明治維新をやった志士たちである、みたいなことを書いてた。それに比べて、今のしょーもない左翼のことを〝パヨク〟と云うんだ、と。すごい理屈というか、ワケ分からんよね(笑)。いやいや、そうじゃなくてだな……。
外山 なんでイチから改めて説明しなきゃならんことになるのか(笑)。
藤村 困ったもんだ。そもそも例えば最近の〝アベ政治を許さない〟とか云ってる連中も、まあ総じてすごくバカではあるけど、あれだって全部を引っくるめて〝パヨク〟とは呼べないでしょ。昔ながらの〝市民運動家〟みたいな人たちと、パヨクの人たちが一緒になって〝アベ政治を許さない〟をやってて、しかも数としては圧倒的に〝昔ながらの市民運動家〟タイプの人のほうが多いと思うよ。福岡の運動状況を見ててもそうだよね。そもそも福岡にパヨクなんて10人ぐらいしかいない(笑)。多く見積もっても、せいぜい20人だろう。
外山 〝3・11以後〟あるいは〝9・11以後〟に登場して、まだ残ってる人たちね。
藤村 そういう人がちょこちょこっといて、それ以外の大多数部分は〝昔ながらの〟人たちで……。
外山 しかも全共闘世代というより、例えば反原連やシールズが盛り上がった時も、むしろ60年安保世代のほうが狂喜して大量登場してた印象だもんな。全共闘とかそういうラジカルなものはピンとこなかったんでしょうね、とイヤミを云ってやりたくなるような人たち(笑)。
藤村 まあいずれにせよ、〝アベ政治を許さない〟の人たちを一括して〝パヨク〟呼ばわりするのはムリがあるんで、そこはちょっとメンドくさい。パヨクって、自分たちは〝新しい〟んだとコトサラに云いつのるわりには、要は何も〝思想〟ってものがないから、結局は昔ながらのバカ左翼と結託してしまう、ってことなんだろうけどさ。
外山 昔ながらの連中と違うのは、〝ノリ〟だけでしょう。
藤村 そうだね。
外山 あと、理屈の有無?(笑)

 第2部へつづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?