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言葉を使いこなすには

新入社員の頃に上司から習い、今でも心がけていることに「プレゼンでは子供でもわかる言葉で話しなさい。難しい言葉で煙に巻くのは誰にでもできることだから」
がある。

難しい言葉を使うと、知識が豊富そうに見えるし、使う本人にとってはそんな自分を演じられて心強く感じるかもしれない。
反面、相手にとっては、知識で煙に巻かれることに警戒心を抱くし、そもそもこちらの意図が伝わりにくくなってしまうかもしれない。

プレゼンの本来の目的は、こちらの意図を伝えることだ。
相手を威圧することでも、自分の印象を良くすることでもない。だから、わかりやすい言葉で話すことがコツだというのだ。 

そんな上司の言葉に納得してから、私は普段の会話でも分かりやすい言葉で話すように心がけている。

分かりやすい言葉で伝えるためには、何倍もの知識と理解が必要だとも思っているから、日々精進だしまだまだ未熟者です。

余談だが、上司の教えを逆手に取り、分かり合いたくない人には難しい言葉で煙に巻いてもいる。私、性格が悪いので。
近づきたくない相手には、威圧感、警戒心は効果的だからだ。

ところで、家の娘は小学生だが、時々友達に言い負かされ帰ってくることがある。
だから
「言葉をたくさん知っているとケンカも強くなるよ」
と話した。そしたら「勉強なんて大嫌いだ」と返ってきた。
本人にしてみれば、即戦力が欲しい時に何を言うと思ったのだろうけれども。私は勉強しろとは言ってないのだけれども。

大人でも人と争う時に
「んだよ、テメー、くだらねえことほざくと、承知しねえぞ、コラ」
という威圧の仕方がある。
もちろん、威圧感半端ない。だが、その方法しか知らない人と

その方法以外に
「それは、どういう意味でしょうか。場合によっては警察に通報いたしますし、法的手段も考えますが」
と言える人では、どちらが生きやすいだろうか。

攻撃や防御の方法は、複数あった方が良いと思う。
自分一人で相手を威圧する以外にも、困った自分を助けてくれる場所や方法は一つでも多く知っておきたい。
そのためには色々なことを知っておいた方が良い。

だから知識は必要…だと思うんですけどね。
そして、知識が豊富な人がいざと言う時に「承知しねえぞ、コラ」とすごんだら、すごく怖いと思うのですけどね。

話は戻り、私は小学校の回し者ではないけれど、
言葉の知識はたくさんあって損はないと思っている。

雨の降り方や雪の降り方に、たくさんの言葉があるように。恋心を伝える時にただ好きというだけでなく、ちょうど良い言葉が見つけられるように。
その言葉達を使いこなせたら、どんなに豊かな毎日が送れるだろう。

そのためには、勉強というよりも、読書が一番だと思っている。
本を読めば言葉を知ることができるだけでなく、自分以外の誰かの人生も知ることができる。心が豊かになる。
だから、私はこれからも本をたくさん読みたいし、娘にも読んでほしい。
学校の授業だけが勉強ではないからね。
最後は母親のつまらぬ説教になってごめんなさい。

でも、本さえあれば"毒になるかもしれぬ母"なんていらぬと思うくらい、私は娘に読書を勧めたい。

娘よ、本を読まねえと承知しねえぞ、コラ。
いや、どうか本をたくさん読んでください。

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