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うちのグラビアアイドル

我が家には、キジトラの雌猫が一匹いる。

名前は、あさり。

名前の由来は知らない。

2歳の時に、動物愛護センターから譲りうけて8年、10歳になる。

「あさり」という名前は、愛護センターにいた時の名前だ。キジトラ模様が貝のあさり模様に似ているからかなぁと思うけど、どうしてあさりなのかはわからない。

あさりを家に迎えると決めたとき、子どもたちは「名前をどうするの?」と聞いた。きっと、自分たちでつけたかったんだと思う。けれど私は、このままでいいやんと言った。だって、もし私があさりだったら、住む場所が変わるたびに名前を変えられたくなかったから。別に愛護センターの人も、「あさり」って呼んでたわけじゃないと思うし、新しく名前をつけるのがフツーっちゃ、フツーかもしれない。でも、変えたくなかった。子どもたちも「そうだね」と言ってくれた。

あさりは、ひどく人見知りだ。知らない人が来たら、即寝室のベッドの下やクローゼットの奥や本棚の隅に逃げ込んで出てこない。

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あさりは、さみしがり屋だ。
我が家に来たすぐの頃は、夜になるとゲージの中で「にゃーにゃー」鳴いていた。ゲージに入れていたのは、愛護センターの人に、夜は入れてくださいと言われていたからだ。だけど、あまり鳴くので一度布団の中に入れてやると、それからは夜になると布団に入ってすやすやと寝るようになった。朝早く猫パンチで起こされるのは、ちょっと困るけど、それはそれで可愛い。

あさりは、スタイルがいい。
うちに来た時、3㎏あった体重は今も変わらない。夏場はもっと痩せてスレンダーになる。私たちがおやつを食べていると、「自分も」とゲージの食卓ゾーンに、ちょこっと座って待っている。でも、与えすぎると残す。体重管理のしっかりしたモデルみたいだ。

あさりは、置物と間違えられる。
お気に入りの窓から、いつも外を眺めている。時々やってくる人が置物と思っていたら動くのでびっくりするっていうことも、たびたびある。

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あさりは新聞が好きだ。
朝、新聞を広げているとやってきて、くるんでくれと言わんばかりに新聞に寝そべる。仕方がないので、くるんでやると安心するのか、さっきまで寝ていたはずなのに、またすやすやと寝てしまう。

あさりは、ドアを開ける。
レバーハンドルは、一度教えてやると飛びついて開けるようになった。引き戸は、開けてくれと「にゃーにゃー」鳴いているのを放っておいたら、自分で前足を入れて開けるようになった。猫がもともと賢い動物なのか、あさりが賢いのか。家族はみんな、あさりが賢いからだと思っている。(飼い主バカだ)

あさりは、家族の中で一番写真が多い。
先日、写真を整理していたら、次から次へとあさりの写真が出てきて、フォルダがいっぱいになった。デジカメも携帯も、あさり、あさり、あさり。私だけじゃなくて、娘もいろんな顔のあさりを撮ってLINEで報告してくる。タイトルは、「今日のあさりちゃん」。ちょっとしたグラビアアイドルみたいだ。

大好きというと、なでてくれとすり寄ってくる。

いい子だねというと、そうでしょっとにゃーと鳴く。

ずっと、一緒にいられないのはわかっている。

わかっているけど、ずっと一緒にいようと思う。

生きている限り、ずっと、一緒に。

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