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亜麻色の髪の乙女

【亜麻色の髪の乙女ーLa fille aux cheveux de lin】
 
大学4年の冬。
当時習っていたバイオリンの先生宅にて、忘年会を兼ねた演奏会。
僕はそこで、亜麻色の髪の乙女(バイオリン編曲)をピアノ伴奏付きで演奏した。


なんでだろう。
どうしてこの曲をこのとき選曲したのか、論理的な説明は6年くらい経つ今でもできないでいる。
漫然と、ただ漫然と感じるのは、この曲から受け取る世界観は今でも変わらず好きだということ。

春に、桜の花びらが散り、散ったその花びらの香りをかぐ。
その香りに詰められたすべてが、この曲から感じるすべてだ。
こんなことしか言えない。
 
この曲はとてもおとなしい。
おとなしいけれど、動的な、揺さぶられる感情のダイナミックな表現もある。
だから、いい。
いかにも、いかにも人間的な、抑制されたなかでパッと花開いた、瞬間の美しさと儚さを感じる。
 

この曲の美しさを、僕自身が満足する形で、言葉でちゃんと説明または表現できたときは、僕が死ぬときではないか。
ずっと遠いところにあるから追いかけるけれども、追いついてしまったら、そこからはさて何を追いかけたらよいのか、もうそんな対象はないかもしれないのでは?という寂しさがある。
いつまでも遠くにあって欲しいものって、ある。
 

・・・村上春樹はギャツビーに対してこんな視線で見ているのだろうか。
(氏はもう翻訳したけれども。)

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