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Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (3/)

引き続き、日本人の最高のイノベーターの濱口秀司さんの論文集Shiftについて書いていきます。名著というものは「使い倒す」ことが重要です、そしてそれが名著への最大の敬意だと思います。
SHIFT:イノベーションの作法
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目次は下記のとおりです。
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第1回 イノベーションは誰もが起こせる
第2回 SHIFT領域の考え方
第3回 バイアスを破壊する
第4回 問題の本質から強制発想する
第5回 市場を実験場にしない
第6回 不確実性の中で意思決定を下すには
第7回 戦略意思決定の質を高める
第8回 ユーザーの心をいかにとらえるか
第9回 誰に何をどのように働きかけるか
第10回 プライシングを動的にとらえる
第11回 自由度の高いフェーズにリソースをかける
第12回 個人で考え切ってこそ議論の質が上がる
第13回 学ぶ者が教える者を超えなければ意味がない
第14回 不確実性を論理的に乗り越える ~SHIFTに関するQ&A
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バイアスを破壊する
本書で規定されているバイアスとは、「多くの人の一般的な考え方」とされています。ちょっと本来の意味とは異なりますね。別の章では、「人々の持つ複雑に絡みあった既成概念」と定義されておます。バイアスって通常は「偏り」みたいな意味合いが使われることが多いので、言葉通りの意味とは違います。

ここで恐らく前提条件となっているのは、「一般的な考えは歪んでいて、本当に効果が出る方法論とはずれている」ということでしょうか。ぼくはドラゴン桜に凄く感心することが多いのですが、その理由として下記の様なフローが物語の中で出てくることが多いからです。
あなたはこう思ってますよね。
ところで、それは根拠もなく植え付けられた常識です。論拠のデータはこれです。

正しいデータに基づいた本当に取るべきアプローチはこれです。
一番のわかりやすい例だと、東大は難しくない !という物語の根幹のインサイトですね。ぼくも仕事柄クライアントになんとか意思決定してもらわなければならないことがあるのですが、基本的にやることは2点のみです。

・このメリットを獲得する為に、このアクションを実行してください
・このデメリットを回避する為に、このアクションを実行してください


ただちょっと色気がないなとここ数年思っていました。合理性の限界って常にあります。本書を読んでいてその答えが分かった気がしました。基本的にコンサルティングワークはクライアントのビジネスイシューを見極めて、そこになんらかの解を見出します。まあPure strategy projectだったり、BDD系の話です。濱口さんはそういったことはおさえつつも、バイアスにまず着目するというのが特徴的です。濱口さんはなぜ驚くようなイノベーションを起こすことが出来るのだろうというベタなことを考えていたのですが、このバイアスにまず着目するというところがイシューな様に思います。

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バイアス:多くの人の一般的な考え方、人々の持つ複雑に絡みあった既成概念
出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法
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本書内でも、バイアスを壊すことこそが、ビジネスにおける深いSHIFTにつながるとされています。まずはバイアスの構造化ですね。

次回以降続きます。
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