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無名で哀れな承認欲求モンスター

僕は自分で言うのも何だが、無名な人間だ。取り立てて人に注目されたことは無く、ちっぽけなプライドを抱えて蠢く一匹の無名の虫。承認欲求モンスター。大した自尊心もなく育ったくせにクリエイターなんて職業を選んでしまったために四六時中誰かに認めてもらうこと、名声を得ることばかり考えてしまう哀れな虫になってしまった。

世間に目を向ければ世の中には実に変わり者がいて、面白いものがあって、人々に称賛されている。そういう光景が、実に恨めしくて羨ましくて悔しくて仕方がない。己はチャンスを掴むタイミングも、実力も持たない出来損ないの才能無しであるという現実だけが常に視界にちらつく。
ここがカイジの世界であれば僕は間違いなく鉄骨は渡りきれなかったであろう。持たざる者。

現実は甘くない。面白い物が評価されるとは限らないとは言うものの、そもそも面白い物が作れない。自分では上手くやったつもりだったとしても、それが人に評価される訳ではない。自分で納得して、それが観客に受け入れられて、初めて面白いと言えるだろうに、仕事をこなしていると言えるだろうに、それが出来ない今の僕は何を成し得ていると言うのだ。

インフルエンサーになりたいと常々思う。僕がクリエイターであると認めさせたい。価値があると言ってほしい。
昔は自分の作りたい物が作れればそれで良かった。誰に評価されようと、批判されようと、無関心であろうと、僕のために創作をしていたから。
でも、誰かの為に何かをすることになった途端、他人を力づくでも認めされなければならなくなった。世の中のクリエイターが如何に凄まじい執念を持っているか痛感する日々である。僕なんぞたかだか数年の執念で内側から溶け落ちそうだと言うのに。

それでも、選んだ道を引き返すことはできない。大体、誰かを認めさせたいって思ってなければこんな仕事選んでなんかいない。
社会に馴染めないのに、人と同じことが出来ないのに。何かを成し遂げなければ、何か特別で無ければ、僕は他人の劣化に過ぎない欠陥品の烙印を押されてしまう。だから僕はここに居てもいい価値のある虫なんだって見返してやりたい一心で、どうしたって今日も自分を傷つけながら蠢いているのである。


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