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米国市場での半導体銘柄について

トミィです (@toushi_tommy) 。最近米国株市場では半導体銘柄が躍進しております。半導体銘柄と言っても、半導体ができる工程に色んな会社がかかわっておりますので、まとめてみました。またそれぞれの銘柄の過去パフォーマンスも含めて、確認ください。

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12/20変更:SOXLはSOXの3倍レバレッジではなくなりました。

半導体とは

ここで半導体の素材の話や技術的な情報は興味が無いと思いますので、割愛させていただきますが、半導体とは普段暮らしの中で使っている電気製品の中に入っているものです。例えばスマートフォン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、最近ではLED電球にも使われております。さらに自動車に至っては、EV化の流れもあり、使われる半導体デバイスの搭載数が確実に増加してきております。特に自動運転システムではより多くの半導体が使われることになります。半導体の材料はシリコンと言われる元素が使われます。そのシリコンを加工し、ウェーハと言われる電子部品の元となるものを作り出し、そこに集積回路を印刷して、パッケージ化することで電子部品ができあがります。各半導体製造メーカーが微細化に力を入れることで、小さい電子部品に多くの機能を入れることができ、また省電力化も期待できます。先端を行くのがTSMCの5nm、サムソンの7nm、インテルは10nmですが先日7nmを2023年に開始すると、技術は大幅に出遅れております。

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半導体のシリコンサイクル

半導体業界にはシリコンサイクルと言う物があり定期的に好景気、不景気を繰り返します。需給のバランスが偏ることから発生するサイクルであるが、品不足になった場合は、半導体メモリの価格が上昇します。すると、半導体ベンダーは量産の増産を決定行います。すると増産希望が需要を超えて供給が過剰になり、価格が下落。すると設備投資を凍結し、減産を行います。すると品不足になり・・・・を繰り返しサイクルを作ります。シリコンサイクルは過去4年おきに起こっていると言われておりますが、その長さは一定しておりません。このサイクルを探る為には、現在の需給がどのようになっているかを探る必要があります。「鉱工業生産指数」から需給を確認することである程度見えてくるので、ググってみてください。過去のシリコンサイクルは以下の図のようになっております。

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半導体の需要状況

シリコンサイクルを確認することは必要ですが、現在は、最近のニュースにもある通り、半導体が不足している状況です。夏以降の車の急激な増産計画と、EVによる半導体の大きな需要、コロナによる急激なDX(デジタルトランスメーション)化で半導体の需要が大きく高まりました。

詳細はこちらもご参考ください。

クルマが生産できない!その意外な理由とは?

半導体の需要は当面は続いていくと思っております。

米国市場で買える半導体銘柄

楽天証券、SBI証券、マネックス証券のいずれかで買える銘柄に絞って3つの分野に分けました。まずはデバイス開発メーカー。NVDAやAMDのように量産工場を持たないデバイスメーカーをファブレスと言います。逆にインテルは自分で工場を持ち、量産することが可能ですが、一部をTSMCとサムスンに外注をすると言う話もあります。次に製造メーカー。量産工場を持たないデバイスメーカーが製造を依頼する場所です。代表的な銘柄はTSM(台湾セミコンダクター)になります。最後に半導体を製造する装置を作っているメーカー。ASMLやLRCXなどですが、TERでは半導体を検査する装置を、KLACなどは製造、検査の工程を管理する装置を作っております。

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デバイス開発メーカー

米国株式市場で購入が可能なデバイス開発メーカーは以下の通りです。後で説明しますが、青色は半導体ETF保有比率5位以内のメーカー、赤が10位以内のメーカーになります。表は時価総額順に並べております。

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パフォ―マスを見ると明らかですが、NVDAが2倍に、インテルはマイナスになっております。

製造メーカー(ファウンドリ)

設計された半導体、デバイスを製造するメーカーが以下になります。TSMC(ティッカーTSM)が圧倒的に大きく、一位のTSMの時価総額が601Bに対し、2位のUMCは24Bとなんと25倍の規模です。

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パフォーマンスを確認すると1年間のパフォーマンスはTSMで3倍、UMCはなんと4倍近くになっております。その他、米国市場で買えないSamsungはご存じの通り韓国の巨大企業で時価総額582Tの化け物です。GlobalFoundries(グローバルファウンドリーズ)が実はTSM、サムスンに続く第3位の企業ですが、米国市場で取引できません。台湾にはUMCに続いてKYECもありますが、同様に米国株の取り引きができない為、記載しておりません。

半導体製造装置メーカー

半導体を作るには製造装置、検査装置、さらには工程管理する環境やソフトウェアが必要になります。ASMLはSMHのETFにも入っており、オランダに本社を置くウェアの半導体露光装置を作っております。日本ではグロース株として有名なレーザーテックが同様な装置を提供しております。KLACは工程管理のソフトやソリューションを提供、TER(テラダイン)はウェハ状態やパッケージ状態での試験装置を提供しております。日本ではアドバンテストが同様の装置を提供しており、世界シェアはこの2社が2強になります。

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パフォ―マスを見ると、製造装置も大きく伸びていることが見えます。ASMLも1年で2倍近くの伸びを見せております。

下記は各製造工程で使われる製造装置の図になります

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半導体全体に投資できるETFの紹介

とは言え、どの銘柄に投資した方が良いかは悩みどころだと思います。米国市場で私たちが買えるETFは以下の二つです。

SMH(ヴァンエック・ベクトル半導体ETF)

経費率 0.35%、配当利回り 0.62%とETFにしては比較的安い部類になると思います。構成銘柄は以下の通りです。

SOXL(Direxionデイリー半導体株 ブル3倍ETF)

経費率0.95%、配当利回り0.03%です。SOXLはSMHの3倍の値動きをするわけではなく、フィラデルフィア半導体指数(SOX)の3倍の値動きを目指します。SOXは半導体銘柄30社で構成されております。
2021/12/20修正
SOXLは、2021年8月25日までは、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)という半導体関連の指数に連動するように構成されていました。
現在はICE Semiconductor Index (ICE 半導体インデックス)に連動してます。

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パフォーマンス比較

QQQ vs VOO vs SMH

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QQQ(ナスダック100連動ETF)、VOO(S&P500連動ETF)と比べると、非常にパフォーマンスが良いことが分かります。特に去年11月からの伸びは異常なぐらいに急速であると言えます。やはり夏からの半導体需要がそのまま株価に反映していると言えると思います。

SMH TOP5銘柄比較

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SMHに組み込まれたトップ5銘柄を見てみるとSMHの約1.7倍に比べてさらに大きな伸びを見せていることが分かります。特にNVDA、TSMは伸びが大きいです。NVDAは去年の9月ぐらいから横ばいが続いておりますが、TSMは着実に右肩上がりに上がっております。NVDAもそろそろ動き出すことを期待しております。

SMH vs SOXL

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SOXLは先にも記載しましたが、SMHの3倍の値動きをするETFではありません。フィラデルフィア半導体指数の3倍を目指した動きをいたします。コロナショックではSMHは25%程度の落ちに対して、75%の下落をしておりますので、下落に対するリスクは非常に高いですが、同様に上昇が非常に大きいです。

所感

半導体の好景気はまだまだ続くと思われます。NVDA、TSMが代表格として個別を持っておけば恩恵を得ることができると思いますが、SMHでも十分だと思います。SOXLでリスクを取ってレバレッジETFに挑戦してみるのも良いと思いますが、下落の値動きにメンタルが耐えれられるかになると思います。今後、半導体の強い動きに乗る為には、何かしら半導体銘柄を保持して、ポートフォリオのスパイスにしてみるのも良いと思います。ちなみに、私の個人的感覚としては、NVDA、TSMは現金の逃げ場として考えております。定期貯金に預けるのであれば、TSMに入れておいても安心して置けると感じております。もちろん、投資は自己責任ですので、よろしくお願いいたします。今回は半導体の大型株に注目いたしましたが、今後、さらに小型株なども、細かく調べていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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