光と音楽の朗読劇 〜白雪姫〜

愛媛県新居浜市に来て約15年。

5年間学校に通ったのちに今の仕事を始めた。

20歳の頃から約10年間、舞台音響・照明業務に従事し、これまで様々な経験をさせていただいた。できる仕事が増えていくことが楽しくて仕方なかった。文化・芸術の豊かな日本において、こんな日常は間違いなく続いていく。そう思うのは必然であり、例に漏れず、私もそう思っていた。

そんな中、この当たり前のような日常はあれよあれよという間に崩れ去った。

新型コロナウイルスの大流行。

青天の霹靂だった。こんなことが起こるなどと夢にも思わなかった。

新型コロナウイルスの世界的な大流行により、瞬く間に仕事は中止または延期となり、仕事という仕事は何もなくなった。イベントや舞台が中心の業務が多い我々のような業界にとって、経済的にも精神的にも辛い日々の始まりだった。

本来の業務を行うのではもう先がない。様々な業務を考え、行うことで今生きていくということを模索した。

その結果、たくさんの方々のご協力もあり、個人的にはたくさんの貴重な経験ができた1年だった。新たなチャレンジをすることで自分の視野を広く持つことで、かけがえのない出会いを得ることができた1年だった。

年末、本来ならば怒涛のようにこなさなければならない業務も今年に限ってはちらほらと数ある程度だった。だからか少し落ち着いて物事を考える時間ができた。もちろんまだまだ足を止めるつもりはない。ただほんの少し目を閉じて考えてみた。

本当に自分のやりたいこと、それを何とかこのコロナ禍でも形にできないか。

本来舞台芸術において、裏方である舞台技術は演者をより鮮やかに、際立たせるものである。それを舞台の主役としたときにどんな舞台になるのだろう。こんなにも素晴らしい、やりがいのある仕事をよりダイレクトに人に伝えたい。

そう考えた末にできたのが本公演である「光と音楽の朗読劇 〜白雪姫〜」

舞台上にはキャストはおらず、あるのは簡易的な舞台セットと演奏者が2名のみ。物語は朗読と歌と舞台照明によってのみ進んでいく。見る人が思う物語を各々が創造する。

現状、コロナ禍以前より舞台技術者人口の減少、高齢化は業界でも深刻であった。この公演がきっかけとなり、若い人たちに舞台技術者の魅力を伝えることで、事態収束後においても舞台技術者のみならず、舞台の素晴らしさを伝えられればなと思っている。

そして、この不安定な世の中において、本公演を通して、皆さんに少しでも安らぎを与えられたらなと思う。

[公演詳細]

「光と音楽の朗読劇 〜白雪姫〜」

日時:2021 年 2 月 17 日に下記URLにて配信開始

視聴料:無料

※本公演は配信のみの公演となっております。


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