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対談インタビュー01 「IPPO'N」が生んだもの

既存のお客様向けにお配りするデザイン、ブランディングのマガジンを作成しました。定期的に発行を予定しています。

当社のクライアント、しゅんぞう堂さんのインタビュー記事を特集として組みましたのでこちらにも掲載します。

マガジン(12ページ)の現物がほしい方は、当社WEBサイトからお問い合わせください。

二代目 稲庭うどん職人のあらたな挑戦

2018年の暮れに誕生した「いなにわうどん IPPO’N」。この商品は、秋田県湯沢市の中でも山深い宇留院内という場所で作られています。稲庭うどん職人の髙橋栄さん(稲庭うどん しゅんぞう堂)が、初代であるお父様から引き継いだ工場で手づくりで丁寧に作っています。当社は高橋さんの作る稲庭うどんのパッケージリニューアルに関わり、その魅力をより高めるためのお手伝いをさせていただきました。今回は、パッケージリニューアル、ブランディングによってどんな結果がもたらされたのか、お話をうかがうことができました。

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対談者プロフィール
稲庭うどん しゅんぞう堂 代表 髙橋 栄さん
秋田県湯沢市の雪深い地域、宇留院内で稲庭うどんをつくる「しゅんぞう堂」代表。父が創業した事業を引き継いだ二代目として日々奮闘を続ける。真っ直ぐな性格でうどんづくりに実直に向き合っている。

宮崎 今日はお時間いただきありがとうございます。パッケージのリニューアルからもう一年以上経ちますが、しゅんぞう堂さんにとって、どんなことをもたらしたのかを改めてうかがいたいと思っています。

髙橋 こちらこそありがとうございます。「IPPO’N」が誕生してからいろいろな変化がありましたよ。ブランディングをしていなければ、今のしゅんぞう堂はなかったんじゃないかと思います。

宮崎 そう言っていただけると非常にありがたいです。髙橋さんとはたまに飲みに行きますが、そのたびに褒めてもらえるので、とても嬉しいです。ありがとうございます。当時、ブランディングをしていく中でかなりしつこくいろいろな質問をさせてもらいました。私としてはブランディングの材料を集めるために根掘り葉掘り聞くのですが、そのプロセスはどう感じましたか?

髙橋 一方的な提案ではなくて、こちらの気持ちを汲み取ってくれる聞き方で、安心して話をすることができました。自分では思いもよらないところまで考えを深めることができて、新しい発見がありましたね。いろいろと話を聞いてもらう中で、一緒になってこんなに考えてくれいているのであれば、デザインがどんなものであっても、売ってやろうっていう気持ちになりました。
あと、職人の硬い頭を変えてもらったと思います。いいものを作れば売れる、というのを覆してもらいました。製品のクオリティだけでは売れないということを理解できました。

宮崎 できあがったデザインを見たときはどう思いましたか?

髙橋 デザインができあがるまでは、稲庭うどんらしい、和風の仕上がりになると思っていました。でも、デザイン案を見たときに、他とは全く違うデザインで驚きました。かみさんも驚いていましたよ。中身が見えるようにパッケージに穴が空いていますが、実はこれが職人泣かせでした。というのも、稲庭うどんは気温によって製品の色が変わってしまうのです。夏場は気を抜くと黄色っぽくなってしまうんです。でも、中身が見えるからこそ、職人魂に火が着きました。もっといいものにしなければと感じてがんばって、品質を管理できるようになりました。同業者からもほめらえたんですよ。IPPO’Nブランドの価値を落としたくない、リピーターになってもらいたい、そう思って仕事ができるようになりました。

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封筒型の個包装と貼り箱と言われる化粧箱。どちらも紙製品で、プラスチック素材より製造ロットのコントロールがしやすい。数が少なければひとつあたりの単価は上がるが、イニシャルコストは抑えられる。しゅんぞう堂では初期は少ないロットでパッケージを生産し、売上が伸びてきた今では大量に製造し、パッケージの原価を下げる努力をしている。

取引先増、売上アップにデザインが貢献

宮崎 気持ちが前向きに変わったんですね。他にも変化はありましたか?

髙橋 新規営業がまったく苦にならなくなりました。今までは、営業先からどんなことを言われるのか不安もありましたが、パッケージが変わってからは自信を持って営業先へ行くことができました。実際、これまで営業に行っても断られていたところでも、IPPO’Nを持っていったら取引が決まった、ということもありました。
以前は業務用のうどんが主力でしたが、IPPO’N販売後は小売の取引先が10件ほど増えて、小売売上は2倍になりました。小売の方でしっかり稼げるようになりました。

宮崎 IPPO’Nのパッケージデザインは、国際的なパッケージデザイン賞「Pentaward2019」で金賞をいただきました。デザインをした私自身も驚きでしたが、なにか変化はありましたか?

髙橋 受賞した印を店頭のPOPにも付けました。受賞を知っている方からは声をかけてもらえるようになりました。IPPO’Nが縁を持ってきてくれているな、と感じることが増えましたね。生き方も変わったような気がします。前向きになりましたよ。

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「IPPO'N」のパッケージは世界的なパッケージデザイン賞「Pentaward2019」にて、部門最高の金賞を受賞。ロンドンでの授賞式に参加しました。英語が話せない中での一人旅はなかなかしんどいものでしたが、いい経験をさせてもらいました。審査会会長との一枚。

この人から買いたいと思えるブランドに

宮崎 これからの展望はありますか?事業拡大など、何か取り組んでいくことはありますか?

髙橋 今の目標は、新しい工場を立てることですね。うどんを作っているところを見せられるようにしたり、食べられるスペースを作ったりして、しゅんぞう堂のうどんをもっと知ってもらえるようにしたいです。その上で、この人が作ったうどんを食べたい、買いたいと思ってもらえる、そういう売り方をしていきたいですね。何があってもこの人のうどんじゃなきゃいけない、というものを作りたいです。なので、人を増やして生産量を増やしたりして事業規模を大きくするつもりは、今はないですね。
今は、私自身のこだわりやストーリー、湯沢の風土、稲庭うどんの歴史など背景を味わってくれる人に届けたいと考えています。新たな取り組みも考えていて、独自の製法で作る「生うどん」を近いうちに商品化したいですね。

宮崎 今日はありがとうございました。さらなる活躍を期待しています。そして、引き続きよろしくおねがいします。

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「IPPO'N」を手にする髙橋さん。さらなる活躍を期待しています。そして応援、サポートしていきます。

稲庭うどん しゅんぞう堂

公式サイトはこちらです。
https://syunzoudou.com/



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