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【投機の流儀 セレクション】波乱相場こそ準備さえあれば好機探し場

先週の米国市場では、4日のFOMC通過後にNYダウは+900ドルの大幅上昇となったものの、5日には一転して▲1000ドル超の大幅反落となった。
3月のFOMC通過後にみせた短期の戻り継続の動きにはならなかったことからも、インフレへの警戒がより高まっており、株式市場をより悲観に傾斜させていることが窺える。
週末のNYダウは一時▲500ドル超の下落となったが下げ渋り、▲98ドルで終えている。ナスダック指数は年初来安値を更新し、一時2020年11月以来の12000の節目割れとなった。
尚、CME日経先物は26800円、週末値より200円程度安いところで取引を終えている。
ナスダックは、2021年11月高値(16212)から先週末安値(11992)での下落率は▲26%に達しており、2009年を起点とした長期上昇トレンドに対する終焉としての大きな調整となるか否かの正念場が続いている。
過去に学ぶと、ITバブル時は2000年3月高値から約2年半で▲78%の調整で過剰流動性相場の起点となった1998年アジア通貨危機時の株価水準まで戻った。今回、過剰流動性相場の起点となった2020年3月のコロナショック時のナスダックは7000水準となる。またリーマンショック時は2007年10月高値から約1年半で▲55%の調整となった。
上記のような危機的な下落の可能性は現状ではまだ高くないと考えるが、仮にそのような状況が襲ってきた時における投資行動を、あらかじめ覚悟し、準備する姿勢ももっておきたい。準備があればこそ決断、行動は早く、その好機を逃すことはない。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)波乱相場こそ準備さえあれば好機探し場
(2)4月の世界の株式市場
(3)岸田首相の「新しい資本主義の『バージョンアップ』」
(4)岸田政権と原発再稼働の問題
(5)急速かつ大幅な円安は攪乱要因
第2部 「新冷戦時代」―対ロ経済制裁の意味・メルケルとプーチン・台湾有事はあるか
(1)対ロ経済制裁の意味
「大国の興亡は常に当該国の経済的衰亡が原因となる」
(2)世界の自由貿易体制からロシアが取り除かれても世界諸国に対する影響はほとんどない
(3)プーチンとメルケル
(4)ウクライナ侵攻は長引くか?
(5)「新冷戦時代」の複雑さ
(6)台湾有事はあるか? 地政学の素養の無い筆者はこう考える
第3部 インフレ時代をどう生きるか?
(1)大げさなタイトルだが…
(2)日本は欧米に比べて消費者物価のインフレが緩やかだし遅い
(3)インフレ下で売値を上げても競争力を維持している企業
(4)4月22日総務省発表によれば……
(5)インフレへの足音
第4部 危機は好機になる。CHANGE→CHANCEだ。(★註)
(1)米経済のハードランディングはあるかないか?
(2)過去、大きな試練を乗り越えてきた株式市場を思い出そう。
(3)「賃金停滞は投資で乗り切れ」
(4)人間は自分が信じたいものを信じる性質がある、そして損をする

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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