羊を巡る2-1

「羊を巡る冒険in青森」再び

(これは2016年11月11-13日に「再び」を青森県を訪れたときの記録です)
今年の2月に参加して強烈な印象をもらった「羊を巡る冒険in青森」(正式名称は「青森県ならではの暮らしぶり体験ツアー」)。その第二弾に参加させていただいた。今回ツアーの正式名称は「家畜と近しい南部地方ならではの暮らしぶりを巡る旅」(今回も長い(^^ゞ)。
始まりは馬肉のランチ、途中牛肉を食べ、羊の登場は最終日。しかも、食べない。見るだけ・・・というなんとも勿体つけた「羊を巡る冒険」。

今回も裏テーマは「人」。これはツアー仕掛け人さんの「観光地は1度いくと他に行きたくなるが、人は一度会うとまた会いたくなる」という哲学から来ている。今回強く感じたのは「繋がった」感。今になって思えば前回は「出会った」感が強かった。前回初めてお会いした何名かの方々に今回再び合うことができた。これが「繋がった」感になっている。「行って戻って、また行って」な感じが糸で布を縫うように繋がった感になった。

僕自身が地域活性化、それを巡る観光、飲食などに関心があるので、裏テーマを秘めながら青森の魅力を見せつけてくれるこのツアーはいろんな面でとても楽しく、そして、参考になる(とは言えまだ「活かせる」レベルないのだが・・)。
「楽しかった青森旅行記」とはちょっと異なる角度の記録のためにノートを書いておこうと思う。

■青森県さんの本気
今回も青森県さんが関わったツアー。開始早々に(貸し切ったバスの中で)青森県が制作した「青森県の暮らしぶりを訪ねる旅」という冊子を頂いた。これが力作!

サブタイトルは「すべての”故郷不足”なみなさまへ贈る!地元で暮らす”人”が主役の、新しい旅のカタチをご提案」。「こんなフレーズを思いつくのは『リアル故郷不足』な都会出身の人だな」とか「いや、いや、僕は故郷不足でないんでスイマセン」と言いたいところだが、故郷不足でないつもりの僕が見ても(悔しいけど)魅力満載な冊子だ。

「”人”が主役」という切り口の冊子としては、クラウドファンディングが採用されている「福井人(福井県・嶺北地方)」などのコミュニティトラベルガイドなどもある。同じように人を切り口としながらも、違いは「青森県の暮らしぶりを訪ねる旅」については青森県全域を対象にしていること。そして、民間有識者だけでなく青森県(行政)が関わっていることと感じた。
行政が関わることはメリットだけではない。しかし、特に地方において行政の影響力は(都市部に比べて相対的に)大きい。県が全県域を対象に関わっていることはとても意義があると思う。 仕掛け人さんが「上手く青森県を巻き込んでいる」というこだろう。
また、政令市がない都道府県のほうが県としてのまとまりが実現しやすいかも?ということも感じた。例えば、僕の住んでいる兵庫県で同じような取組を行う場合、県とほぼ同等の権限もっている政令市である神戸市の存在が微妙なことになりそうだ。

読めないまち養父(やぶ)市もがんばっているのですたまたま手元に僕のふるさと養父(やぶ)市の観光ガイド的冊子があったのでパラパラと見てみた。これはこれで我が養父市ががんばって作っている冊子だ。「天滝」、「氷ノ山」などの「観光名所」がきれいな写真と共に紹介されている。
県と市という違いは別として「人が中心」「観光名所が中心」という切り口の違いでずいぶんと冊子が読み手に与える印象が違う。


悔しいが、青森の「人が中心」の冊子の方が心理的な「立体感」がある。読み手に迫ってくる力を感じるのだ。

■「地元の人」では気づかない「地元の魅力」
「地元の人では気づかない地元の魅力」というものが各地域にはある。地域活性化に関わるコンサルをやっている友人は「地元の人に、その地元の魅力を理解してもらうことが活性化の第一ステップ」ということを言っていた。ツアーの終盤でそれを体験する場面があった。

僕は関西に戻る(ツアーは東京組がメイン)飛行機の関係で青森県の階上(はしかみ)町で昼ごはんを食べた後ツアーから途中離脱した。
その昼ごはんは階上町の町長さんも来ていただきご挨拶もしていただくイベント。町長から「階上そば」など地元自慢の食材についてのお話があった。なるほど確かに「階上そば」は美味しかった。急いで昼ごはんをかきこみ、タクシーで最寄りの階上駅まで移動。
移動中のタクシーの中で運転手さんがこんなことを語り出した。
「外から来た人は階上のソバが美味しいって言うけど、地元ではあまり食べないんだ。地元の人間はラーメンのほうを食べるから。ソバの美味しさが分からないんだよ。ソバってフツー過ぎるから」。
「これは何のヤラセなのか?」と疑いたくなるタイムリーな地元の方の声だった。

■そして、やっぱり「人」
始めは前回ツアーに比べ「人」へのスポット比重が低いように感じた今回ツアー。しかし、実際のところは、訪れる先々で出会う「人」が魅力的。やはり「人」の魅力には触れているツアーなのだ。そもそも、初日に配付された冊子に登場している「人」が、ツアー訪問先でチラリチラリと登場してくる。つまり、「人との出会い」をタグとしながら、そのタグを「マイルドに包み込み」、フツーでは体験できない魅力的な非日常を体験させてくれる気持ちいいツアーに仕上がっていた。

「人」と「(フツーの)観光地」との違いはなんだろうか。
「人」は自身が動くので、いろんなカラミ方ができる。とうことも「違い」と言うか「特色」かもしれない。
ツアーの現地集合(八戸)に間に合わない関西組の僕は、集合日の前日に青森県入りした。前泊したのは三沢市。すると三沢市に泊まる夜、前回ツアーでお世話になった地元の方から「アメリカンバー巡り行きませんか?」というお誘いが来た。お誘いには乗れなかったけど、「あぁ、『あの青森』に戻って来たんだな」と感じた。青森の「人」による「からめ手」がここから始まっていた(^^ゞ

ツアー途中の懇親会で、ツアーをコーディネートしてくださっている青森の方の話を聞く機会があった。「自分は出身は青森ではない。しかし、青森で暮らすようになり、その魅力を知った。すると、青森の魅力を青森県外の人に伝えたいと感じるようになった」という主旨の話。「青森」を他の地域に置き換えても意味は通じてしまう内容ではある。しかし、昼間は粛々とコーディネートしてくださっている方が、熱く語る姿は「おぉ・・」と感じるものだった。

「人」と言えばツアーメンバーも「人」である。
今回もツアーメンバーにも恵まれた。ツアー形式の旅が魅力的になるためにはこのメンバーという「人」も重要ファクター。魅力的なツアーメンバーのお陰でいろんなことが楽しい旅となった。これはツアーメンバーを集めた仕掛け人さんたちの手腕だろう。とてもありがたいことだ(^^ゞ

魅力的な青森の人たち、参加メンバー、仕掛け人さんという「人」に感謝。
ありがとうございました!

あぁ、またしばらくの「青森ロス」生活・・・。

▲「八戸舘鼻岸壁朝市」の夜明け。ココは良かったな・・・

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