雨の日も晴れの日も 美しさを感じる日常
海士町に来てちょうど4週間。TOUCAは3ヶ月ずつ移動していくルールなので、Entoでの生活も3分の1が終わろうとしていることに驚いている。
本来であればここにTOUCAプログラムとしての活動報告、活動経過、具体的な成果などなどを書くべきなんだろうけれど、実際まだ何も成し遂げられていないし、なんなら毎日散歩をしている。事務局の皆さん、本当にごめんなさい。
今日は全然報告することもなく、私が感じている日常をアウトプットしておきたいだけの noteです。
海士町に来て感じているのが、お天気のギャップ激しくない?と言うこと。とにかく晴れて、そして雨が思いっきり降る。あまり中間みたいな感じがなくて、そして風が強い。これでも島に囲まれた内海なので穏やかだけれど、風が吹くととても寒いし、天気が良いと信じられないくらい心地よい。
ただそれが、どちらが良くてどちらが悪いと甲乙付け難いのが、海士町の魅力かな?と感じている。海士町の雨は、なんだかそれはそれで趣がある。靄の中、向こうにうっすらと見える西ノ島。そこへぼーっと行き交う内航船。ただただ静寂の中に移ろう風景は、水墨画のような、ちょっとした異空間のような佇まいであって、心が落ち着いていくのを感じる。
もし私が旅行者だったら、限られた日数の中で雨に降られ特にやることもなく部屋で過ごしていたとしたら、同じような心持ちになれただろうか。3ヶ月と言う短いようで、そこそこ長い時間が私の心にこの景色を楽しむ余裕を与えてくれているように思う。
「美しさ」とは、どこか日常とかけ離れた場所にあるような物のような気がしていた。しかし、ここに来て、美しさは常に目の前にあって、それを認識できるか、できないか、それだけのことかもしれないと思っている。小さなほんの一瞬の出来事に、心が震えるかどうか。それは、きっと心に余裕がないとわからない、微細な変化なのかもしれない。1年のプログラムを通して、この世界の美しさを見つめていけたら、とても嬉しいなと思う。