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火曜に送るメール

その人は火曜日がお休みで、その曜日を見計らってメールを入れる。その人からの返信はいつも遅いので、火曜に連絡を入れたとしても返事はすぐには来ない。本当に急用なときは電話を入れるけれど、そういう急用なことは家族でない限り滅多にない。
返事が遅いことについては、その人にとって私が送った内容が興味が薄いことなのだ。私も近状のことしか書いてないこともある。
LINEが主流となっている今、即返信が感覚として身に付いてしまい、既読返信既読返信…世の中の流れが速くなってしまってる。

◆◆◆

返事が来ないと不満ですか?そういうわけではないんです。
メールですし相手に届いているか不安も無くもないですが、返事がないのは
「どうしたのかな」
「送った内容になにか不備があったかな」
「体調悪いのかな」
「嫌われてるかな」←これ
そう感じるからです。

昔は相手に気持ちを伝えるのは手紙でした。
手紙を何度も書き直して音読して。便箋を封筒に入れて切手を貼って宛名を書いて投函する。相手に気持ちを伝えるためには沢山の手順を経なければなりませんでした。
投函後も相手の家に届くまでにも数日はかかります。その間私たちはドキドキしたりもしますが、日常に追われ忘れた頃に相手から返事が来る。そういう時間の流れでした。

電話という手段もあります。遠い相手と声で会話出来るのは嬉しいことです。声色やテンポで相手の感情が見えます。ただ長電話は料金が跳ね上がりますので、そこが難点でした。

フィーチャーフォンが一人1台の時代になり、メールというすぐに相手に文字を送ることができるようになりました。
絵文字も初めは単純なものでしたが、種類も増えて様々な表情・モノが表現できるようになりました。
メールになり一人一人が気軽に連絡を入れることが出来るのです。しかも手紙のように多くの手順を踏まず、電話のように時間を気にしなくてもいい。大切な人からのメールは別フォルダや着信を変えたりと、カスタマイズが出来るのは便利でした。
最も魅力的なのはフィーチャーフォンのコンパクトさ。片手で持てて操作もしやすく携帯性がよい。これはとても凄いことです。

そうこうしているうちにフィーチャーフォンがネットに繋がり、スマートフォンの時代が訪れました。
スマート=賢い
小さなコンピュータのスマートフォンはいままでの常識を本当に変えてしまいました。
瞬時に個々が繋がり、コミュニケーションや売買、様々な事が出来るようになりました。

そのスピードは気持ちいいものであったりもしますが、時々昔書いていた手紙のことを思います。あの頃は時間をかけることが当たり前で、もっとゆっくりとした速度だったと。時間は大きな川のようにゆったりと流れていて、届く手紙をのんびりと待っている感じです。

間違えた文字に修正液を塗ること、切手が斜めなってしまったこと、便箋は白紙をもう1枚最後につけたこと、作った押し花をセロハンテープで貼ったこと。いま思えばなんて手間の掛かることばかり。それでも思いを伝えたくて好きでやっていたことでした。
懐かしくて、火曜日に送ったメールでそんなことを思いました。

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