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NEX-USコミュを考察する:アイドルマスターシンデレラガールズ

今は総選挙期間、それ故なのか分からないが、こんなリクエストを頂いた。

奈緒について、またユニットのNEX-USについて考察記事を作ってほしい。

オッケー、わかった。書こうじゃないか!ということで、今回はアイドルマスターシンデレラガールズのユニットのNEX-USについて考察していこうと思う。
記事の初めで断っておくが、この記事は考察記事であり、普段このアカウントで書いているダイマ記事ではない。筆者の慣れもあり、このように敬語を用いない常体で書く。そのため、やや強い印象を抱く人もいるだろうが、心してほしい。それでは、記事に関して入っていこう。

前提確認:メンバーと曲

シンセサイズハーモニー

早速デレステから画像を拝借した。メンバーも上の文字の並びの通りだ。曲も実際に聞いてもらえばわかる通り、結構かっこいい曲である。衣装もちょっとセクシーに感じるかもしれない。NEX-USはそんな「Nothing but You」を歌った。

さて、ここでメンバーの属性を確認しよう。

キュート 前川みく・中野有香
クール アナスタシア・神谷奈緒
パッション 星輝子

なんと意外なことにクールではないアイドルが三人もいる。もちろん、その三人のアイドルとしてのこれまでのプロデュース路線もクールとかかっこいいとかという言葉とはかなり無縁なのである。猫・かわいい・メタル、見事にイメージと相反する。彼女達はこのユニットで、楽曲や自分と向き合うのだ。
さらにさらに、クールのメンツも、どこかいじられキャラとしても覚えられて、時には可愛い印象が先行する神谷奈緒。クールとしては十分だが、どちらかというと大人しいイメージが強いアナスタシア(以降アーニャ)。と、クールな二人も二人でこの楽曲の方向性や自分自身を改めて考える必要がある。

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「新しい一面をみせてほしいんだ」

プロローグを一言でまとめると、アイドルに対してこんなリクエストが入った、ただそれだけ。
さて、前提を確認したところで、本文へと行こうじゃないか!

序論:表側の話と裏側の話、そしてリーダーシップ

サクッと結論から言うとこのNEX-USコミュにはまず見ている人に認識されやすい表側の話と、ぱっと見あまり語られていないように見える裏側の話がある。表側の話は分かりやすく、今までの他のコミュに近いような流れであり、よって目につきやすい。しかし、裏側の話はそうではなく、表側の話と比べればわかりづらく、それでいて重要な話なのだ。
もちろん、参加している5人のアイドルの成長物語でもあるので、ちゃんと5人全員にそれぞれの成長などがある。それだからこのシンデレラガールズというコンテンツは成り立っている。

しかし、だ。このコミュに関しては、普通と異なる点が多い。クールな楽曲に一見ミスマッチなアイドル、それも過半数。それ故起こる新しい自分の模索。アイドルが少しずつ成長していく過程を描いているのがコミュなのだが、このコミュはかなりおかしい点がある。

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その軸となっているのがこの神谷奈緒というアイドルなのである。私がこのコミュを見て考えて、明らかな違和感を抱いたのがこの奈緒に関してなのである。

というのも、このコミュを通してリーダーシップに目覚めていくのが奈緒の新しい自分というわけなのだが…、どうもこれの説明がコミュの中で不十分に感じたのがこの考察記事のきっかけである。
デレステでは5人ユニットの場合、プロローグエピローグを除いて5話あるコミュを一人一つずつ割り当てて、それぞれの成長を描いていることが多い。もちろん、全てではないし、また時が過ぎていくにつれ変わっていくこともある。
だがしかし、この回の奈緒の扱いについては妙な展開がある。ということで早速見ていこう。

続・序論:表側の話はその通り「新しい自分」

さっき表側の話と裏側の話があるといったが、事実その通りである。表側の話が分かると、そのように描かれていない裏側の話をみて、「ん?」と違和感を浮かべるだろう。というか、私がそうだった。

第一話から第三話はその表側の話。属性がクールでない三人がそれぞれのきっかけでクールな自分を見つける話である。特に、第一話の有香と第二話の輝子は他のメンバーとの会話はあるものの、自分の経験から自問自答し、答えを見出している。
このように表側の話をまず目につきやすい最初のふたつに置いてるのが誘導みたいなもので、このコミュはこんな感じだよー、と認識させているのである。

展開:リードの第三話

第三話はみくの話。制服にメガネという学生姿なみくなのだが、駅のホームで話している奈緒とプロデューサーを目にしてしまう。二人に話しかけたみくは奈緒によってクールな自分を見つけるのだが、ここまでの二話と違う点がある。

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それは、みくのクールについては、奈緒が答えを出している点である。もちろん、みくもそれで気づいたのだが、自分の行動がきっかけになった有香と自分の経験がきっかけになった輝子とは対照的である(まあ、有香もみくと輝子に言われてクールな新しい自分に気づいているが、それは「有香は意識して黙想という行動をとったが、みくはそうではない」と反論する)。
ここで神谷奈緒というファクターが入ることで裏側の話へと繋がっていくのだ。

さて、ここで裏側の話について詳しく見ていくとしよう。

裏側の話とは、神谷奈緒が主役の物語。彼女の成長物語なのだ。

この第三話から最後まで、奈緒という軸から外れずにコミュは進んでいく。起伏が大きいのもここからであるがため、裏側の主役である奈緒のために物語が進んでいると私は考える。

考察:魔女のような前半と次につながる後半の第四話

初めに行っておくと、この第四話は私が妙な違和感を抱いた現場である。おかしい。このコミュはおかしい点が多い。

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メンバーは奈緒、アーニャ、有香の三人。半ばメタのような話ではあるが、この前半部分はおかしい部分が非常に多い。

まずはアーニャの「私達を導いてくれる奈緒」というセリフ。このセリフが出る過程が成立していない。
・ここまでのコミュで出てる部分の奈緒はプロローグと第三話のみ。アーニャが関わったのもプロローグのみで、アーニャがどこでリーダーシップのある奈緒を見たのか不明瞭。アーニャが見たのは間違いないし、事実このコミュの奈緒はリーダーシップが強いのだが、この時点でアーニャがそれを言えるかというと疑問。
・みくから話を聞いたのならばアーニャがそれを言っているはず。なので、このアーニャの発言は自分自身が見たものを発言していると思われる。なら、その具体例がないのは話としても妙。
・その後にわざとらしく「奈緒の新しい一面」とアーニャが発言している。これはやや強引に奈緒の新しい一面を説明しようとした「ボロ」のようなものである。

そんなアーニャに奈緒と有香も合わせて話していることから、奈緒の新しい一面はこうなのだな、とはっきりする。確かにそうなんだろう。そういうことなのだから。だが、この時点では示されていないのである。

大事なことなのでもう一度、この時点では示されていないのだ。

そして有香の「奈緒ちゃん頼もしい」もこれはある意味ネタばらし発言。
・単にこの発言は有香の感想と筆者は解釈しているが、その後の「かっこいい奈緒」が付随するのが違和感。
・というのも、【この発言自体は普段通りの神谷奈緒】と解釈できるのである。周りが不安に思っていた場合、それを元気づけることが多いのが神谷奈緒である。頼もしいのは事実なのだが、新しい一面と考えるには説得力不足。
・そもそも可愛い方の奈緒はこのコミュではないところでよく出ていたが、「奈緒の新しい一面」を出したいのならそれについて有香かアーニャが触れているのが自然なのである。

つまり、このコミュの前半部分はかなりコミュの流れを強引に作っている、中々にメタい部分なのである。だから、魔女がネタばらしをするようなイメージから、あの見出しとなっている。それでフォーカスされているのが第三話でしかまだ見えていない、奈緒の新しい一面であるリーダーシップであるから、裏側の話は神谷奈緒のための物語であると筆者は考えている。

そして後半部分。アーニャが不安を口にする。「私はどうですか?」と。

元々口数が多くないアーニャであったが、第二話に出たときもさほど多くなかった(というか、輝子がひとりでに解決したのでアーニャが半分置物に近い状態であった)。しかし、アーニャもアーニャでクールな自分というものを悩んでいたのである。
そして思い出について口にするアーニャ。故郷である北海道とロシア(のどこだよ、ロシア広すぎるよ)と思い出はたくさん!のようである。

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どうしてそうなった。そして次の第五話は実際にアーニャ、奈緒、プロデューサーで北海道へ行くコミュとなっている。
そう、だ。この第五話で第四話を補完する流れなのだ。

私がおかしいと言っていた部分を、物語のページをやりくりしてどうにかしていくのだ。

補完:表と裏の物語を同時に終わらせた第五話

3人、北海道へ。

ここで少し話は逸れるが、デレステではそのアイドルに関して重大な変化や局面であるときにカードとなる傾向にある。特にデレステでの登場回数が多いアイドルだとその傾向が顕著であり、このNEX-USでは有香とアーニャがカードとなっている。
奈緒で言うと、トライアドプリムスでワンマンライブをした「Trinity Field」と周りが年下二人な上に楽曲が切ない恋の歌であるがために話が展開される「Frost」がカード化されている。

さて、閑話休題。北海道へぷち里帰りとなったアーニャだが、そこで前の第四話からの流れが続く。

アーニャ北海道へ

過去を思い出し、そこから新しい自分を見つけるアーニャ。
そして、そのアーニャを激励する奈緒。

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そう、このコミュは、この物語は、新しい自分を見つける物語です。
新しい自分に全員気づけた。これで、もう悲しくない。めでたしめでたし。

まとめ

三行でわかるこのNEX-US考察記事

表と裏の主題があるコミュ。どちらも新しい自分に気づくことが鍵
表側はクールじゃないはずの3人のクールを見つける話
裏側は奈緒が新しい自分に目覚め、それをアーニャの成長物語と合わせた話

さて、NEX-US考察記事をここまでお読みいただきありがとうございました。
あくまでこの記事は、私がNEX-USというコミュやユニットについて一通り見て感じたことを自分なりに噛み砕いて解釈をした結果です。第四話への違和感を解決するために、「表と裏の話がある」説を解説しました。表側はぱっと見分かりやすいクールじゃない3人の話。裏側は奈緒のための成長物語。でも、実はひとつのようにも今このまとめを書いてると思ったりはします。

まあ、NEX-USというユニットはそれぞれの新しい一面を見つけることで大きな成長を得た、転機のユニットであることは間違いなさそうです。

では、最後までお読みいただきいただきありがとうございました!

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