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最高の喜び 7 海鮮美味しいけどなぁ

毎回、結婚しよ!って、コールするげんちゃんは、土曜日には、ほぼ我が家にやって来た。
母と、もっともっと仲良くして欲しいから、かなり意図的にやってるかも。
料理上手な母の手料理は、かなり、本格的で、まるで懐石のフルコース並で(一応有名な料理屋さんで働いてたからだと、おもうねん)

赤貝なんか、貝で買ってきて、中身を出しては、まな板にバーーンって叩きつけて、綺麗に包丁で、切り目を入れて!

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こんな感じ。大好きやん!マジ旨い‼️
きっと母は、物凄く張り切ってやってたんやと、思う。あれもこれも食べさせたいという思いで、お得意の茶碗蒸しやったり、お刺身の盛り合わせ、上品な、色の付いてない煮物。
アーーー、もう一回今、食べたーーい!

でもさ、げんちゃんは、遠慮しがち?なんか、この赤貝も、刺身の盛り合わせも
「わーー、美味しそうですね!」
とは言う。けど、箸をつけない。
「遠慮せんと食べてや!」

「あまりに煮物が美味しくて、食べ過ぎて、刺身まで手が届かないっす!」
と、訳のわからんことゆうてはる。(笑)

ほんで、汚れたワイシャツを毎回持って来るねん。ワイシャツだけはいっぱいもってはったから、リュックに詰めて、相変わらずスーツ姿で。
これは、母の好意で始まった。そうゆうた方が、げんちゃん持ってきやすいし、洗うのはあたしやけど、ワイシャツにはアイロンかけて次の土曜日に、ハイって渡すん。げんちゃんアイロン持ってないし、ヨレヨレのワイシャツ着てはったからさ。今みたいに記憶形状のなんてなかったしな。ちょっとパリッとさせてあげたかった。営業やし。ただ、それだけの理由。

ある日、母は、天王寺に美味しいお寿司屋さんがあるから、と、誘ってくれた。
ドンドン出て来る刺身と、お寿司。
わぁーって言いながら、あたしはバクついてたけど、またもや、遠慮がちのげんちゃん。
食べーやもっとと、お皿に入れてあげると、刺身を一個、バクって、飲み込む。噛まない。
「げんちゃん、噛まんと、喉詰まるで」
と、また、お皿に入れる。
また、バクっと飲み込む。
?歯が痛いんかな?
そう思ってたら、トイレ行ってきますと。
帰ってきたら、目が赤いねん。

わかりますよねー。でも、あたしは、マジわからんかった。
どうした?げんちゃん。
「なぁ、どっか、具合悪いん?」
「いやー大丈夫です。それにしても旨いっすね」
なんか変?
何回トイレ行ったやろ。
なぁ、母さん変やなちょっと。帰ってきたら聞いてみるわ。
「どうしたん?なんか、無理してる?お腹の具合悪いんちゃう?」

やっと分かったわ。
げんちゃん、生魚全て、お寿司ネタほぼ全滅。
子供の頃から食べれないらしく、噛むと胃液が上がって来るらしく、飲み込み、トイレで吐き、その繰り返ししてはった。

「ほな、魚無理ゆうてくれたらよかったのに、寿司屋には誘わんのに。」
「すんません!お母さんがせっかく誘ってくれてはるのに、わし、頑張って食べようと思ってたけど、あきませんねえ、申し訳ないです」

アホやなぁーー
そうやったん!
可哀想なことしたねぇー

じゃあ口直しにって事で、帰りにうどん屋行って、げんちゃんは大好きな、月見うどん食べはった。ゴメンなー、あたし全然知らんかったわ。
でも、げんちゃん!いつかあたしが、魚克服さしたるからな!食べれるように、したる!
と密かに誓った。
個人的にですけど、げんちゃんの好きな月見うどん、あれ美味しいか?
卵崩したら汁が濁るだけのうどんやん。
それやったら、おぼろ昆布の昆布うどん、昆布入れるだけで、なんと出汁が最高にうまくなる!そして、なんとゆうても、けつねうどんやろ!と、それも、密かに毎回思ってる。


言わへんけど。


ではでは。

#月見うどん #赤貝 #刺身 #お寿司

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