<無給医の残業代請求について>

4/1以降にツイートする予定でしたが、3月まで大学院生の方や4月から無給となる方のために一足早くお伝えします。

Twitterでは見づらいので、noteにもupしました。

なお、内容は私が弁護士と相談して伺った事柄を含みますが、私は法律の専門家ではありません。

必ず一度は弁護士に相談されることを強くお勧めします。労働問題に関しては無料や格安で相談に乗って頂ける事務所も多数あります。

あくまで今回の内容は大学病院での無給医や、最低賃金以下での労働をしている医師を対象としています。

研修医や市中病院勤務や当直時間帯での労働などに関しても適用できるかは判断しかねますので、ご了承下さい。

また雇用契約書すら存在せずに労働している場合や基礎研究に従事している時間に関しても判断しかねます。

私は臨床業務として時給約1400円での契約書が存在したために、これに従って請求を行いました。

なお、1ヶ月の労働時間は40時間で計算され、5-6万円の給与が支払われていました。

大学院生は日直及び当直が免除されていましたが、実際の労働時間は月100時間程度でした。

主な生活費は大学から割り当てられる外勤と、自分で確保する当直バイトです。

年間約700時間、4年間で約2800時間の無給労働でしたが、もっと劣悪な環境の大学病院勤務医も多いかと思います。

<交渉の下準備>

結論から伝えると、必要なのは勤務実績の記録です。

これは機械式のタイムカードが理想ですが、自前のノートなどでも構いません。現在はアプリなどもあるようです。

労働者がこれらを証拠として提示した際に雇用者が給与支払いを拒む場合は、"労働者が実際には働いていないこと"を雇用者である大学病院が示す必要があるとの事です。

従って、働いた証拠である上記記録があれば、残業代を請求することが可能です。

この際に外来・手術・当直の予定表よりも、タイムカードや自己記入のノートなど、あくまで"勤務実績の記録"が最優先されるようです。

一般的な常識とは異なりますが、それがルールのようです。

記録をこれまで一切していなければ、電子カルテのログイン記録などを用いることも可能だそうです。

私の相談した弁護士曰く

"実際にこちらが証拠を揃えて大学と交渉した場合には、大学側の弁護士は速やかに残業代の支払いを指示するはず。仮に争いになった場合には無給医が働いていない事を大学側が証明することは困難であり、大学側に勝ち目はほぼ無いことが自明であるため。"

自分は1年前より通販で購入したタイムカードを用意して、勤務記録を残していました。

明確な記録を残していなくても電子カルテのログイン記録と勤務表でも交渉は可能かと思われますが、弁護士にご相談ください。

<実際の交渉>

まずは教授に交渉を行いましたが、"前例がないので許可できない"とのことでした。

これは予想されたことであり、教授も大学に雇用されている労働者に過ぎません。

ただし後に大学事務が出した見解は、"大学院生が労働している事実を教授が認め、医局から大学側に給与請求があった際には給与を支払う方針"とのことでした。

従って、もし無給労働問題に理解がある教授であれば、給与の支払いを直接お願いするのも有効かもしれません。

次に上記証拠と弁護士の見解及び名刺を添えて大学事務長に直接掛け合ったところ、事務長・事務書記(?)と教授と私での交渉の場を設けていただきました。

交渉の場では許可を得た上で音声録音を行い、正当な額(法律的には過去2年分)の時間外労働時間分の給与を請求しました。

明確な法律違反である証拠があり、速やかに支払われなければ大学を相手に訴訟を起こす旨も伝えました。

事務の方や特に教授からご意見を頂く場面も複数回ほどありましたが、許可を得た上で音声録音している旨及び法律に反した発言をしている旨を指摘したところ、支払って頂くことに合意を得ました。

<交渉を終えて>

4年間で約2800時間の無給労働を行いましたが、時給1400円で約1300時間分である180万円を取り返すことができました。

法律に基づいた請求なので、遡って2年分が限度です。

現実的には医師の生涯収入の中では微々たる額なので、多くの医師が我慢しているとは思います。

しかし、私としてはあまりに不等な給与と判断して行動を起こしました。

"修行中の身であり、学位のためだから止むを得ない"という意見もありますが、時給1400円で雇用契約をしている以上は労働者への支払い義務があります。

私の部署では同僚や後輩が支払い請求を行なっていますが、他部署の大学院生に関してはこのまま知らぬ振りで済まそうとしている節があります。

余計なお世話である事を自覚した上で、証拠資料を持って労働基準監督署へ情報提供を行う予定です。

上記を読んだ限りでは、この手続きはやや面倒に見えるかと思いますが、まずは弁護士に相談して頂くのが最良の解決策かと思います。

また、遡って請求できるのは2年分までなので、可能であれば早めに行動を起こすことが重要です。

医師の労働環境には解決すべき多数の問題があるとは思います。

しかし、この無給労働問題に関しては一定数の医師の努力・協力があれば覆すことが可能だと考えています。

長文となりましたが、読んで頂きありがとうございました。


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