Minori Chihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~ 感想

2021年12月26日 神奈川県民ホール 大ホールで開催された茅原実里さんの歌手活動休止前ラストライブ「Minori Chihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~」の感想です。

ライブの感想なので開演前のことを色々書くべきなのですが、上手く表現出来そうにないので省略。一応私のファン歴備忘録があるので、どんなファン人生を送って来たかはそちらで代用します。
存在を知ってから11年、ファンになってから5年弱、みのりんはこれまでの人生で最も強く応援した歌手だったと思います。

単純に曲を聴いていて心が満たされたり、ライブに行って楽しかったり、音楽リスナーとしての姿勢とか心構えみたいなものも考えさせられたり色々ありました。
一端の音楽リスナーとしてみのりんを応援する中で見えてきたこともあって、それがこの記事だったり。(過去投稿への巧みな誘導)

こんなに真面目に文章を書いたのは/真面目な文章を書けたのはみのりんのお陰だとつくづく思います。なんか恥ずかしいくらい真剣な内容だな……

閑話休題。
(急に話が飛びますが、)歌手活動休止のニュースを見たのは丁度違う歌手のライブ会場にいて、開演前のロビーでぼんやりとツイッターを眺めていた時でした。見た瞬間は激しく動揺したものの、一通り読み終わると意外にも平常心でした。
というのも、昨年の騒動の一件から活動ペースはかなり落ちていて、元の活動状況にも戻りにくいだろうなと思っていたので、ある程度心構えはしてあったのです。だからニュースを見ても「ああ、この時が来たんだな」程度で割と冷静でした。(あんまり詳しく書くのは申し訳ないのでやめた)

もう一つ理由があるとすれば、ここ3年間は趣味のリスク分散に注力していたから。音楽リスナー的に言うと、「推しが一人しかいなかったら引退した時の逃げ場が無くなってメンタル死ぬぞ」→「じゃあ色んな人の曲聴いて趣味の幅を広げておこう。ついでに新しい推しが見つかるかもね!」の意。
実際、この3年間のうちに信用して付いていける人を2人見つけたので、私のリスク分散は機能していたという。だからみのりんショックも最小限で抑えられたと。

さて本題に戻ってラストライブの話。
以上の経過を辿って来た私は、サマチャンファイナルで泣くこともなくロスを感じることもなく、11/18にRe:Contactを聴いて取り乱すこともなく、至って冷静な心境で当日を迎えたわけです。
なので今日も落ち着いた心持ちで、有終の美を飾る姿を見届けられると思っていたんですけどね。そんなことはなかった……(ナレーション風)

1.Re:Contact
2.Contact
3.詩人の旅
4.too late? not late...

Contact~詩人が最初に来て、Re:Contactは終盤だと思ってましたごめんなさい(ファンとしての考察力のなさを懺悔しながら)
そりゃあSIGNALで繋ぐわな……本当にすいませんでした……
too lateは俊龍デビュー作の片割れにしてファンは皆待ってる曲だし。嬉しかったです。でもキーが下がってたので一瞬何の曲かわかりませんでしたごめんなさい(リスナーとしての音楽知識のなさを懺悔しながら)
キー下げたのは高音が出にくくなったからということでしょうか。

5.みちしるべ
6.境界の彼方
7.この世界は僕らを待っていた

ここはもう言うこと無いです。好きです。

8.キラキラ輝く、世界の時間
9.Dears ~ゆるやかな奇跡~
10.いつだって青空

Dearsからのいつだって青空は直感的に分かる曲の温度感は勿論として、こだまさおりさんの歌詞が何より優しくて、この2曲を並べた必然性が分かるというか。一体何を偉そうに言ってるんですかね。
こだまさんの歌詞のすごく好きなところって、とにかく言葉の選び方や文法から優しさが溢れているところなのです。元から暗い曲や攻撃的な曲はさておき、少しでも「明」の要素がある曲なら優しさが必ず存在するというか。
全然上手く言えなくて申し訳ないんですけど、どんな種類の明るさでも根底に流れている優しさが共通していると思うのです。
それはみのりんの音楽性にある&音楽熱想のContact制作秘話で斎藤Pが仰っていた「明るい曲でも何かしらの切ない要素が含まれている」事との相性が良いのではないかと。頼む伝わってくれ……

CMBインスト
11.Dream Wonder Formation
12.TERMINATED
13.Paradise Lost

CMBインストですが、開演前にお手洗いに行ったにもかかわらず耐え切れなくなったため場外へダッシュしてました本当にすいませんでした。Shining Moshを逃したのは人生の大失敗……
DWFからのタミネパラロスは意外にも今までで一番落ち着いて聴けました。どちらもみのりんの存在を知った頃に聴いた曲なので思い入れは深くて、今日も仕事帰りの電車で聴いてあまりの感慨深さに車内で涙腺が緩んでしまって……

14.雪、無音、窓辺にて。
15.a・b・y
16.君がくれたあの日

無音は来るって分かってたのにダメだった……間奏のVnをギターリフで完コピしたチャンババに泣きそうになった……あれは技術だけじゃなくて愛がないと出来ない芸当だと思うのです。みのりんとCMBが築き上げてきた経験値の為せる技だって割と本気で信じてます(恥ずかしいけど書いた)
私はどうしようもないクズみたいな逆張り人間なので精神論とか絆とかをあまり信じられない=冷めた目で見てしまうのですけど、今回ばかりは本当に絆と呼ばれるような何かを信じてしまう心境なので。
あと、無音が終わってa・b・yのイントロが始まった時の鳥肌が立った感触はまだ忘れられないです。

17.FEEL YOUR FLAG
18.Voyager train

FEEL YOUR FLAGで門出のエールを送った後、ボイトレで「人にはいつも別れと出会いの道がいくつも現れるけど選ぶ度に愛が残る」って歌うのはズル。
こんなの今のファンの気持ちだよ……やっぱり畑先生は予言者だった。
そういえば以前斎藤Pのツイッターで、「畑さんは『数年後数十年後に歌ったら別の意味に取れるように書いている』と言っていた」という発言を見た気がしますが、本当にその通りだと思います。
あっ、元ツイ見つけたので貼っておきます。

これは次のeverlasting...のこだまさんにも通ずるものがありますが。というかボイトレとeverlasting...は両方ともParadeの収録曲だし、みのりんのParadeが一区切りを迎えるこの瞬間に当てはまらないわけはなく。

19.everlasting...
20.sing for you
21.Sing

Dears ~ゆるやかな奇跡~とeverlasting...に共通して思うのは、昔の曲を今のみのりんが愛しているということ。曲を作った当時のみのりんに寄り添い、曲を何度も歌ってきた今までのみのりんに寄り添い、今のみのりんにも寄り添い、そしてみのりんもまた曲を愛しているのだろうと。誕生時、過去、今、いずれの時点にも息づいている音楽があるって凄いし幸せだなあと。そしてきっと未来にも寄り添うはず。
それからsing for youとSingは聴き入ってしまってあっという間に曲が終わってしまった。さっきも書いたように手の施しようがないクズ逆張り人間なのでメッセージソングを聴くのはあまり得意ではないのだけど、みのりんだから音源をしっかり聴くことができて、今日もまたしっかりと受け止めることができたような気が。本当に気のせいだったらどうしよう。
それともう一つ、everlasting...~Singのメッセージコーナーをラスト前に持ってきたのがみのりんらしい。普段はパラロスやタミネが終盤に来るのに、今回はそれを中盤に持ってきて最後にメッセージを伝えてくれた。みのりんが私たちに伝えたいことをこんなにも大切に抱えて、最後にちゃんと渡してくれたのが嬉しかった。

22.純白サンクチュアリィ
最後の曲になってようやくラストライブの実感が湧いてきました遅すぎてごめんなさい。純白を聴けるのは最後だって思ったら落ちサビでマイク向けられたところでダメになって泣いてしまってもう本当にダメでした。


終演後は座席に座ったまましばらく何も考えられなかった。
寂しいとか切ないとか終わっちゃったとか本当に最後なのかとか色々思ってたのに言葉にできなくて感情処理できなくて、こんなの人生で2回目くらいだった気がする。
会場を出て駅へ歩いていく道中もぼんやりとしたままで、師走の冷え込む空気も、周りを歩く他のファンの喋り声も五感で捉えられないというか、捉えてるけど全部右から左で流されてしまって「寒い」とか「賑やか」とかを感じられないくらいの放心状態で。
そこで本当に全部終わってしまって、茅原実里という人間とその音楽が活動休止という一つの終わりを迎えてしまったことをようやく実感して。
今振り返るとあれは完全にロスだったなと。サマチャン後はあまり感じなかったロスが一気に来てしまってなんかもう本当にダメだった。

ライブってすごいなと思った。
終演後の放心状態のまま色んなことを思い出したけど、思い出すことはライブのことばかり。
初めて行ったTTO2017、河口湖初遠征で凄く楽しくて自分でも驚くくらい満たされたサマチャン2018、5公演中4公演行ったSPIRALツアー、両日参加で楽しくて2日目の美歌爛漫が楽しすぎて本当に幸せで帰りの電車がすごく寂しかったサマチャン2019、15周年を贅沢な環境でお祝いできたBD2019、最後になった今年のサマチャン。普段は音源至上主義の人間なのにライブのことばっかり浮かんできて。

「曲がライブで完成する」みたいな歌手や作家の発言を見聞きすると、「いやこの世に永遠に残るのはスタジオ音源なんだからそこで100%完成させろよ……ライブは80%を100%にする場所じゃなくて100%を120%にする場所だろ……」と思ってしまう面倒な人間なのに、やっぱり思い出すのはライブのことが大半で。
そういえばみのりんはスタジオ音源でちゃんと100%を作ってきてくれる人だったなあと。そしてライブで200%、300%になってた。そういうところもみのりんの音楽を好きになった理由の一つかもしれない。

こんなにライブのことばかり思い出すのはなんでだろうな、と考えてみた。
環境の要因もあるし(特に河口湖)、単純に非日常で音楽を聴く場でもあるし、ライブならではのリアルタイム性やエンタメ性とか色々あるから、記憶に残りやすくて思い出しやすいのは自然なことのはずなのだけど。
これらの要因だけでは決して説明し切れないくらいの質と量でライブのことを思い出して走馬灯みたいに頭の中をどんどん流れていって、そこで初めて、みのりんが直接伝えてくれた愛がすごく心に残っていることを痛感したわけです。遅いわ!!!もう現場ないのに!!!(2時間ドラマならここで犯人の号泣シーンが入る)

ところで当日連番してくれた人はParadeツアーが初参加で、その後長らく離れていたけど私が強制連行したSPIRALツアーでまた現場に来るようになった……という人で、終演後のファミレスでご飯を食べながら色々と話をさせてくれて、自分の中でなかなか言語化できなかった感情や、共有・共感を経ることでしっかり受け止められるような気持ちに付き合ってくれたので感謝です。ありがとうございます。あのタイミングで話が出来たことで落ち着いてこの文章を書けています。

最後に一番大声で言いたいことを書いておきます。
それはこれからの人生でもみのりんの曲を聴き続けるということ。
本人が活動を休止したからには新曲は出ないしライブもない。でも今までの音楽は音源という形で永遠に残って、小説を読み返すみたいに、あるいはアルバムの写真を見返すようにいつでも手が届いて、音楽に紐付けられた思い出や感情が蘇ってくる。
他人の受け売りだけど、「人は2度死を迎える。1度目は心臓が止まった時、2度目は全ての人から忘れ去られた時」という。
今こうしてみのりんの音楽活動が終わって、人間の人生なら1度目の死を迎えた時なのだと思う。(蘇生待ってるけど!!)

でもファンがみのりんを忘れずに、みのりんの曲を聴き続けていれば本当の死は来ないと思う。
今ファンが出来ることは、忘れないことと聴き続けること。
それは無理してまで誰かに布教しようとか、一日に一曲は聴かないといけないとかそういうのじゃなくて。あくまで自分の心の赴く範囲で。

音楽は凄く不思議なもので、形はないし質量があるわけでもないのに、それが耳に入ってくれば心のどこかしらが動くし、その音楽を聴いていた時の自分の心情や環境、出来事を瞬く間にリプレイすることができる。
しかもリプレイするだけじゃなくて今それを聴いている瞬間さえもが音楽に紐付けられて、次にそれを聴いた時は今日のことを思い出すかもしれない。
みのりんがこの先二度と音楽活動をしないとしても、これまでに私たちが積み重ねてきたものは消えないし、それどころか新しい何かを積み重ねていくことができる。その条件が忘れないことと聴き続けることだと思う。
(忘れること=二度と聴かないこと。受動的に聴くことはあるかも)

だから私はこれからもみのりんの音楽を聴き続けるし、たとえ数か月、あるいは年単位で間が空いたとしても忘れているわけではないからまた聴く。
そういえば中高生の頃に繰り返し聴いていた音楽ユニットがあって、大学生~社会人になるにつれて殆ど聴かなくなってしまった。でも最近は半年に1回くらい、ふと思い出して再生してみると安心感があってホームに帰って来たような気持ちになって、やっぱりこの人の歌とこの人の曲はいいな、好きだなと思って一日中聴き続けることがある。
10代の頃の思い出―1ヶ月3,000円のお小遣いをやりくりして初めて彼らのCDを買ったこと、そのCDが受験勉強の支えになったこと、お年玉で昔のCDもまとめ買いしたこと、ニューアルバムが出ると聞いて発売まで毎日学校帰りのバスの中で試聴動画を見続けたこと、もちろんライブに行って生で聴いたことも全部蘇ってくる。

きっとみのりんの音楽も、自分の中で彼らと同じような立ち位置になるのだろうと思う。(聴く頻度はもうちょっと高くあってほしい)
四半世紀しか生きていないような人生経験の浅い人間が言うことではないかもしれないけど、こんなにも自分の心に強く響いて、自分もまたこの人とこの人の音楽が大好きで応援したいと思えた歌手はみのりんしかいないので。
いつか戻ってくる日まで、戻ってこなかったとしても、私のこれから生きていく人生には必ずみのりんの音楽が在り続けると心から思います。

みのりん、たくさんの素敵な音楽と愛をありがとう!!大好き!!