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私家版・近代将棋図式精選(109)

           (227)金田秀信

227 金田秀信

          (近代将棋 平成18年2月号)

81金、83玉、82金打、93玉、92金、同香、73龍、同歩、71角成、83玉、
82馬迄11手詰。

 非効率な初手も一寸面白いが、3手目重く打った金を次の瞬間にすいっと滑らす、この感触が全て。何より、この初形と平易な変化が作者らしい。


           (228)植田尚宏

228 植田尚宏

          (近代将棋 平成18年3月号)

64角、53歩、同角成、21玉、13桂、11玉、12歩、同飛、33馬、22飛、
21桂成、同玉、31馬、同玉、32銀、同飛、23桂、21玉、11馬迄19手詰。

 簡素な配置から、まさに流れるような手順が展開される。気負ったところは少しもない。大ベテランの手による、いわばお茶漬けの味。


           (229)武 紀之

229 武 紀之

          (近代将棋 平成18年6月号)

34角、イ44玉、22角、34玉、33飛、44玉、45飛、同と、34飛成、同玉、
33角成迄11手詰。

イ同玉は32飛、24玉、35角以下。
イ42玉は32飛、同玉、23角打以下。

 足の長い大駒を4枚とも敢えて短く使う。33飛-45飛の組み合わせが見えないと難儀するが、最後は作法通り重く打った飛を捨て去って綺麗に収束する。この持駒だと危ない紛れもかなりある筈だが、それらを全部見切ってこの初形に纏めたのは流石という他ない。

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