見出し画像

LE COIN DU RETRO(15-4)

PROBLEMES A CHERCHER(no.18)の解答

R50 M.Ott (Original)

画像1

            H#2 いくつ解があるか? (13+14) 


 黒Rc1はどうやってここへ入ったのだろうか?3つの可能性を考えることができる。

1)a1を通って入った
2)a3xb2xc1=Rと成った
3)g1を通って入った

以上3つの場合について、それぞれ考えてみよう。

1)b2-b3, Bc4-a2, Ba2-b1, Ra1-c1と戻してみると、白Bc1は原形位置で取られていることになる。従って白Be5は成駒であり、a7xb8=B(黒Bf8と合わせ、駒取りは2回となる)という着手があったことになる。このb8での駒取りを説明するためには、a筋の黒Pが2度駒取りをして成らなくてはならない。しかし、g6での駒取りも合わせると、黒側の駒取りが多過ぎることになる。よってこれはillegalである。
2)黒側の駒取りは、a3xb2xc1=Rとh7xg6で尽きている。a筋の白Pはa6xb7とした後で成っている。この駒取りは、a筋の黒Pがa7にいるうちに行われる(訳者注 黒Pa3xb2としてからa筋の白Pを突いたとすると、白Bがb1に入れない)。もし黒Kが不動ならば、初形でa8にいた黒Rがb7で取られたことになり、出題図でa8にいる黒Rは実は元々h8にいた黒Rなのだ。従って、0-0-0はillegalである。これが作者の意図だったのだろうか?
3)局面をほぐすには、以下の局面を想定しなくてはならない:白Rh2,h3; 黒Rg1; 白Bc1; 白Pb2, 白Bg2; 白Kd1、そして白または黒Se1! ここからBf1-g2, g2-g3...と戻すことになるだろう。白Bc1はKがd1にいることを強いる。そして白Pb2,g2が原形位置にいることから、白Qは初形位置のままで取られたことが判明する!よって、出題図の白Qは成駒である。この成は黒のキャスリングを戻さずとも、Pa6xPb7としてからb7-b8=Qとすれば説明できる。このとき、黒側の駒取りはa7xSb6, SxQd1, h7cSg6の3度となる。つまり、3)のときのみ黒の0-0-0の可能性があることになる。従って,“H#2”は次の2解を持つことになる。
1) 1.Sxh4 Rxh1 2.Sf5 Rh8#
2) 1.Rxc2 Qxc2 2.0-0-0! Qxc7#.
 レトロ解析に基く華麗な祭典だ。適切な解答は一つも送られてこなかった。たった一人だけ、2)の可能性に気付いた解答者がいただけだった。(OG)

R51 H.Nouguier (Original)

画像2

R51:×の付いた場所に白KB2P3、黒KP5を配置して、白がen passantで黒を1手詰にできる局面を構成せよ。(6+6)

白はen passant captureによって詰めるのだから、その黒Pは5段目にいる筈であり、更に6、7段目は空いている筈である。ということは、最終手で白が取る黒Pはg5にいなければならない!白Kf5、白Ph5、黒Kh6の可能性はない。何故なら、白Rh4は条件から不可能だからだ。唯一の可能性は、白Kh5、白Pf5、黒Kf6として、白Bh4を配置することだ。e5にあるのは黒Pに違いない。最終手がd6xe5であった可能性を除去するために、c7,d7,e7に黒Pを置く必要がある。f5に利かせるため、e6には白Bを配置し、最後に白Pをd5とh6に置けばよい。「簡単だよ」(H.N. この作品に関しては解答者としてカウントしなかった)
残念ながら、解答者たちは諦めてしまったようだった(解いたのは二人だけだった)。(OG)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?