温故知新(詰パラ250号-03)
今日も又「短編名作選」から。
(7)岸本雅美
(将棋世界 昭和34年8月号)
23香成、14玉、34飛、同銀、16飛、23玉、13飛成、同玉、24金迄9手詰。
上部に脱出されそうだが、3手目慌てて16飛と蓋をしようとすると失敗する。飛車を2枚とも捨てて上々の仕上がり。
(8)小峯秀夫
(将棋世界 昭和35年6月号)
24金、同歩、31角成、23玉、14金、同玉、12飛成、同香、13金、同香、41馬、23合、26桂迄13手詰。
整った初形からは想像もできないような意外な展開を見せる。鍵を握っていたのは何と41桂だった。
(9)酒井克彦
(詰パラ 昭和38年2月号)修正図
99金、同銀生、78銀、同玉、68金、88玉、78金、同玉、68龍、89玉、
98銀迄11手詰。
解説者も書いているが、この初手が入ったことで作品価値が倍増している。5手目の打ちにくさは相当のもの。やはりこの作者は、見えているものが違う。
(10)柏川悦夫
(将棋世界 昭和43年10月号)
25桂、同飛、12金、24玉、33龍、同玉、42角、32玉、31角成、同玉、
53角成、32玉、42馬迄13手詰。
短編というのは、気品のある初形をしていなければならない。私が柏川作品から受け取ったメッセージはそういうものだった。手順と形の調和というものを柏川氏ほど厳しく追求した作家を、私は他に知らない。
こういう形で作品紹介するだけならまだまだいくらでも続けられるのだが、もうここら辺で終わりにしよう。なにしろ名作選だけあって、やっているときりが無い。
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