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プロパラを振り返る(11)

 今日はプロパラ第6号を読んでみることにしよう。やはり目玉商品は上田作。早速引用してみよう。

(19) 上田吉一 (Problem Paradise 6, 1998) 

19 上田吉一

                                       SH#36 Mini, PWC, K-Madrasi
                                       Locust g7; Vizir 8+0

Series Help:黒だけが連続してn手指し、その後1手で白が黒をメイトできるような手順を求める。最終手を除いて、黒は白にチェックをかけてはならない。
Mini:Maxiの逆。黒は可能な着手の中で移動距離が最短のものを選ぶ。移動距離が最短の手が複数あるときには、黒はその中から選択できる。チェック及びメイトに関しては、オーソドックスと同じ。
Platzwechselcirce(PWC):駒を取るとき、取られた駒は取る駒が直前にいた位置に再生する。8段目に発生したPは任意の駒に成れ、その選択は取りを行った側が決められる。1段目に発生したPは動けない。
K-Madrasi:「同種の敵の駒から取りを掛けられると、その駒は動けなくなる」というmadrasiのルールをKにも適用したもの。
Locust:Qの筋で相手の駒を一つ飛び越したその直後の地点に着地する駒。飛び越された駒は取られて消える。取り無しでは動くことができない。
Vizir:(0,1)-leaper。

1.Loxi7(Vg7) 2.Loxg9(Vi7) 3.Loxe7(Vg9) 4.Loxg5(Ve7) 5.Loxd8(Vg5) 6.Loxh8(Vd8) 7.Loxf6(Vh8) 8.Loxf8(Vf6) 9.Loxf5(Vf8) 10.Loxh5(Vf5)
11.Loxh7(Vh5) 12.Loxh9(Vh7) 13.Loxf9(Vh9) 14.Loxf7(Vf9) 15.Loxf4(Vf7)
16.Loxf8(Vf4) 17.Loxc8(Vf8) 18.Loxg8(Vc8) 19.Loxi6(Vg8) 20.Loxi8(Vi6)
21.Loxi5(Vi8) 22.Loxg5(Vi5) 23.Loxg7(Vg5) 24.Loxg9(Vg7) 25.Loxi9(Vg9)
26.Loxi7(Vi9) 27.Loxf7(Vi7) 28.Loxf3(Vf7) 29.Loxf8(Vf3) 30.Loxb8(Vf8)
31.Loxg8(Vb8) 32.Loxg4(Vg8) 33.Loxe2(Vg4) 34.Loxh5(Ve2) 35.Loxd1(Vh5)
36.Loxi6(Vd1) Vc1#

では、上田さん自身による解説をどうぞ。

☆空間的イメージの一つに爆発があって、その試作といったところ。出発はできるだけ小さな固まりが望ましいので3×3はまずこんなものか。そして、周囲に散らばり少しずつ広がっていく状態を描くのは大変難しい。盤面が狭すぎるのかな?ルールと駒の組み合わせは、たまたま見つけたが、もっと旨い方法があるかもしれない。 花火のように大輪が咲けばよいが、現段階ではそんな訳には行くはずもなく、線香花火がくすぶっている程度だろう。
☆鶴の巣篭もりの逆方向とか、盤面曲詰とか言わないでほしい。詰将棋以前をやっているのですから。

こういうのを作る人がいることにまず呆れてしまうが、これをちゃんと解く人がいることにも呆れてしまう(正解者は3名だった)。マニアへの道はまだまだ遠いなあ…。
(平成23年11月30日記)

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