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温故知新(詰パラ366号-01)

 今日と明日は、詰パラ366号(昭和61年8月号)から作品を紹介したいと思う。今日はフェアリー編。今回もまたプロブレムから。
 このあたりから漸く図面が「女」とか「僧」ではなく普通の絵文字になっているのだが、現在の目から見ると図面も汚いし絵もしょぼい。看空さんの手書きの図をそのままスキャンしたのではないかと思ってしまう程だ(笑)。恐らく、当時の印刷屋にはチェスピースなんかなかったんだろうな。

 今回はシリーズヘルプ。黒だけが連続して手を進め、白が1手で黒を詰めることができる局面を作るという問題だ。まずは“フェアリーの王様”Dawsonの古典的作品から。

(4) T.R.Dawson (Fairy Chess Review 1947)

SH#8 (2+8)

1.Kc4 2.Qb4 3.Rb3 4.Bc3 5.d4 6.Rb5 7.c5 8.Bd5 &d3#

 お次はぐっと新しくなって、HeinonenのAUW。

(5) Unto Heinonen (feenschach 1983)

SH#17 (2+9)

1.f1=B 2.g1=R 3.Rg3 4.Re3 5.g3 6.g2 7.g1=Q 8.Qg4 9.Bg2 10.Bd5 11.Ke4 12.Qf5 13.g4 14.g3 15.g2 16.g1=S 17.Sf3 &Sc5#

 最後は趣向的なものを。

(6) P.Ivanic (Diagramme und Figuren 1965)

SH#36 (5+1)

1.Kf3 2.Ke3 3.Kd4 4.Kd5 5.Kd6 6.Kd7 7.Ke8 8.Kf7 9.Kg8 10.Kh7 11.Kh6 12.Kxh5 13.Kh6 14.Kg7 15.Kf7 16.Ke8 17.Kd7 18.Kd6 19.Kd5 20.Kd4 21.Ke3 22.Kf3 23.Kg3 24.Kxh3 25.Kg3 26.Kf3 27.Ke3 28.Kd4 29.Kd5 30.Kd6 31.Kd7 32.Ke8 33.Kf7 34.Kg7 35.Kh7 36.Kh6 &Qh2#

 これにしても、悪いけどお遊び程度にしか見えない。この程度で喜んでいるプロブレミストが詰将棋の複雑怪奇な知恵の輪趣向作を知ったら腰を抜かすに違いない。

 ここで、日本が世界に誇るフェアリストにご登場願おう。

           橋本孝治

天竺バカ自殺詰 8手 (詰パラ 昭和61年8月号)

59角、48角、23飛、46玉、68角、73玉、75香、同角生迄8手詰。

 それにしても天才的作意だねえ。まあ、天才だから当然なのかもしれないが。

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