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私家版・近代将棋図式精選(35)

          (61)飯田岳一

61 飯田岳一

          (近代将棋 昭和58年10月号)
           第62期塚田賞特技賞

75銀、94玉、85金、同銀、93馬、同玉、91飛、92角、94歩、同玉、
92飛成、93歩、同龍、同玉、84角、94玉、95歩、83玉、73歩成、92玉、
93角成、同玉、83と、同玉、85香、73玉、65桂、同歩、64銀打、62玉、
52と、同玉、53銀生、41玉、52銀打、31玉、21と、同玉、22飛、同金、
同と、同玉、34桂、33玉、23歩成、同玉、35桂、34玉、44金、35玉、
26と、同金、45金打、36玉、37歩、同金、同馬、同玉、38と左、26玉、
25金、36玉、35金左、46玉、47歩、同成香、45金引、56玉、47と、同玉、
48と、56玉、57香、同成香、同と、同玉、58と、56玉、57香迄79手詰。

          (詰上がり図)

61-1 飯田岳一(詰め上がり)


 曲詰の大家岡田敏氏が書いていらっしゃるのだから間違いないが、これがこの詰上がりの1号局らしい。引き違いと大菱が古くから作られているのに、この大十字が昭和58年まで誰にも作られなかったというのは、実に不思議なことだ。


          (62)市橋 豊

62 市橋 豊

          (近代将棋 昭和58年11月号)
           第62期塚田賞中編賞

11龍、12歩、22龍、14玉、23龍、15玉、13龍、14桂、27桂、同香成、
16歩、25玉、47角、36銀、26歩、同成香、36角、同成香、26銀、同成香、
同馬、同玉、24龍、同龍、27香、16玉、17香迄27手詰。

 普通に22龍-23龍-13龍とすると14歩合とされ、以下27桂に対し同香生と応じられて逃れ。11龍と回り道をして歩を発生させ、更にその歩頭に龍を捨てることにより桂合を強制し、それによって打歩詰を打開するという、実に手の込んだ構想もの。17手目の36角を同歩と取ると変長になるのが何とも惜しいが、構想自体は一級品だと思う。 ちなみに、攻方57桂を追加すればこの変長は消せる筈。

 無論作者は、以下のOT松田作を知った上で創作したに違いない。参考図としてこれも引用しておこう。

          (参考図)OT松田

62-a OT松田

          (近代将棋 昭和50年6月号)
           第45期塚田賞中編賞

61飛成、62歩、45馬、74玉、72龍、65玉、66歩、同玉、56金、67玉、
63龍、同歩、68歩、76玉、54馬、75玉、65馬迄17手詰。

 自分で発生させた歩の上に龍を捨てるという、何とも珍妙な構想作。やりたいことさえ成立すればあとはどうでもいいという無造作な作りが、何ともこの作者らしい。

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