プロパラを振り返る(112)
今日読んでいるのはプロパラ49号(January-March 2009)。この中からヘルプを2作と、フェアリーを1作紹介することにしよう。
(232)Toma Garai(Problem Paradise 49, 2009)
H#3 2sols.(4+8)
1.Rd6 Sxh5 2.Kd5 b5 3.Be4 Sf4#
1.Bd6 Sxa7 2.Ke5 Kg4 3.Re4 Sc6#
2組の黒R,Bによるd6とe4地点でのdoubled Grimshaw、そして白Sのswitchback(駒取りだが)。点対称に近い配置から繰り出される、如何にもヘルプらしい手順構成に感心させられる。
(233)Christer Jonsson(Problem Paradise 49, 2009)
H#4.5(2+11)
1...f8=B 2.Qe4+ Bb4 3.Qd5 Bd2 4.Ke7 Bh6 5.Kd6 Bf8#
(227)と対をなす、成BによるRundlauf。前作と違い駒取りなしのQuiet Geometrical Circuitに仕立てることには成功したが、その分作意に無関係な配置も増えてしまって痛し痒しといったところか。
(234)上田吉一(Problem Paradise 49, 2009)
SH#2 5sols. (4+4)
b)GIh2→g1
Lion a8, Camelrider b7
Moose g2, Eagle f6, Giraffe h2
Series help:黒だけが連続してn手指し、その後1手で白が黒をメイトできるような手順を求める。最終手を除いて、黒は白にチェックをかけてはならない。
Lion:Qと同じ方向に、駒を一つ飛び越えた後任意の地点に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
Camelrider:(1,3)-rider。
Moose:Qの筋で、駒を一枚飛び越してから進行方向と45度をなす地点に着地する駒。そこに相手の駒があれば取れる。
Eagle:Qの筋で、駒を一枚飛び越してから進行方向と90度をなす地点に着地する駒。そこに相手の駒があれば取れる。
Giraffe:(1,4)-leaper。
a)
1.a1=LI 2.LIg7 Mh8#
1.a1=M 2.Mg6 Mh7#
1.a1=EA 2.EAg5 Mh6#
1.a1=CR 2.CRg3 Mh4#
1.a1=R 2.Rg1 Mb8#
b)
1.a1=B 2.Bb2 Ma1#
1.a1=S 2.Sc2 Mb1#
1.a1=CR 2.CRd2 Mc1#
1.a1=GI 2.GIe2 Md1#
1.a1=M 2.Mh2 Ma7#
10種成+Mooseの限定移動という、今迄にもよく見た構成。複雑に見えるがそうでもなく、基本的にはg2のMooseがg1(h2)を押さえつつ跳ねるための台になる駒を用意しているだけ。
上田さんらしく、a),b)ともそれぞれ最後の解だけは破調を用意しているが、そこにも「Mooseを最遠移動させる」という統一性を忍ばせてあるのが何とも洒落ている。
(平成27年1月14日記)
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