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楽しいレトロプロブレム(30)

(29) 橋本 哲(Probleemblad 2007)

Proof Game in 13.0 moves (13+15)

 なくなった駒は、白がQPPの3枚で、黒はP1枚のみ。盤面配置を作るには双方とも4手しかかかりません。ここでまず、b筋の黒Pが2枚駒取りをしてd3で取られたと仮定しましょう。すると、黒は手がかなり余りますが、逆に白はPc2-c4で1手、Qd1-f3-f6で2手、そしてg筋の白Pが成ってb筋の黒Pに取られるのに7手かかりますから手数オーバー。よって、b筋の黒Pは成っていることが分かります。
 ではPb3xPc2xQd1=Bと成って、その後このBをd1-c2-d3と捨てたのでしょうか?しかしそうすると、白はRかSをf6に捨てることになります。でもこれでは、白の手が足りません。従って、黒BのCeriani-Frolkinも不可能であることが分かりました。
 すると残るはPronkinですね。つまり、黒はBc8をd3に捨ててからd1=Bと成り、これをc8に戻したのです!これで黒側の駒取りは尽きていますから、g筋の白Pが成っていることも分かりました。白Pが成る為にはその前にf6に捨駒をする必要があり、それがQであることもほぼ明らか。つまり、黒Pがd1で取った白Qは成駒なのです!
作意は、1.g4 d6 2.g5 Bf5 3.g6 Bd3 4.exd3 Sf6 5.Qf3 Sh5 6.Qf6 gxf6 7.g7 b5 8.g8=Q b4 9.Qg4 b3 10.Qd1 xc2 11.Se2 xd1=B 12.Sg3 Bg4 13.f3 Bc8となります。作者の主張は「Pronkinの為のPronkin」、所謂Hashimoto themeですね。

 ちなみに、1号局の作者はG.Donatiだったのですが、惜しくも余詰。その後、橋本氏がこの主題で何作も発表した為に、現在ではこの名が定着しているようです。

(30)Michel Caillaud (feenschach 1980)

#2 (12+9)

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