私家版・近代将棋図式精選(51)
(87)添川公司
(近代将棋 昭和61年3月号)
A23歩、イ11玉、12歩、同玉、13歩、ロ同玉、14歩、12玉、
22歩成、同玉、13歩成、11玉、12と、同玉、23と、11玉、
12と、同玉、34角、22玉、
「23飛生、11玉、12歩、同玉、24飛成、11玉、B14龍、13飛、
12歩、22玉、13龍、同玉」
「23飛、12玉、C53飛生、22玉、23歩、11玉、12歩、同玉、
13歩、ハ同玉、14歩、ニ同玉、D25銀、13玉、22歩成、同玉」
「23飛生、11玉、12歩、同玉、24飛成、11玉、15龍、22玉、
24龍、11玉、14龍、13飛、12歩、22玉、13龍、同玉」
14飛、22玉、24飛、31玉、32歩、同玉、23角成、31玉、41馬迄73手詰。
A23とは31玉、32と、同玉、14角、22玉以下逃れ。
イ31玉は32歩、同玉、43銀成以下。
ロ同桂は22歩成、同玉、23と、21玉、12と、同玉、34角、21玉、22歩、
同玉、23飛生、31玉、32歩、同玉、43銀成以下。
B15龍は22玉、24龍、11玉、14龍、13飛以下逃れ。
C63以遠でもよい(非限定)
ハ同桂は22歩成、同玉、23飛生、31玉、32歩、同玉、43銀成以下。
ニ12玉は22歩成、同玉、13歩成以下ハと同様。
D14歩は22歩成以下ニと同様に進むが、1歩足りないので逃れ。
添川氏による、知恵の輪的な趣向作。まずは14手かけて22玉を12玉にする。これで34とが消去でき、34角と据えて趣向の骨格が出来上がる。それから24歩を手に入れ(欲張ってすぐに15歩まで入手すると、25銀に対して15玉で逃れる)、再び飛を横に振ってから、歩を軽妙に使って16銀を25に移動させる。これでもう一度縦に成って15歩を入手し、14飛以下の収束に入るという筋書きだ。
歩を叩くリフレインが面白く、徐々に局面を変化させていくパズル的な面白さも十分。唯一の不満はC53飛生が限定移動ではないことだが、これは望蜀というものだろう。(この作者は当然「64馬の利きを消す」という意味付けを考えたに違いないが…)
ちなみに、これの元ネタが以下の作品。この時代、このような合駒入りの趣向はかなり希少価値があった筈。長編における森氏の代表作と言えるだろう。
(参考図)森 敏宏
(近代将棋 昭和39年3月号、修正改良図)
14香、13歩、同香、22玉、12香成、同玉、34角、22玉、23飛生、11玉、
12歩、同玉、
「25飛成、11玉、14龍、13飛、12歩、22玉、13龍、同玉、23飛、12玉」
「26飛成、11玉、15龍、22玉、24龍、11玉、14龍、13飛、12歩、22玉、
13龍、同玉、23飛、12玉」
「27飛成…16龍…25龍…14龍、13飛…23飛、12玉」
「28飛成…17龍…14龍、13飛…23飛、12玉」
「29飛成…19龍…14龍、13飛…23飛、12玉」
『53飛生、22玉、23飛生、11玉、12歩、同玉』
『63飛生、22玉、23飛生、11玉、12歩、同玉』
『73飛生、22玉、23飛生、11玉、12歩、同玉』
『83飛生、22玉、23飛生、11玉、12歩、同玉』
93飛成、22玉、23龍、31玉、41香成、同玉、52角成、同玉、63金、
61玉、62歩、71玉、72金、同玉、73歩成、同桂、同龍、81玉、82歩、
91玉、83桂、92玉、93歩、同角、91桂成、同玉、81歩成、 同玉、93桂、
91玉、71龍、92玉、74角、93玉、73龍、94玉、83龍、95玉、85龍迄
153手詰。
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