梁山泊訪問記(平成31年)その1

 梁山泊を訪問するのは、今回で4回目だ。これまではオカザキだったりtamamixだったりと、大概「せっかく首都圏に行くんだから、ついでに~も」というものを考えていたのだが、今回の小旅行は純粋に詰将棋関係者に会う為のものにした。それでも終わってみると、シナトラ君が参戦してくれたお陰で十分旅費に見合った(いや、それ以上に)価値のある旅になったような気がする。以下、忘れてしまわないうちに、この旅行の記憶を書き留めておこうと思う。

「連休がなかったら、作ればいいじゃないの」とのマリー・アントワネットの助言に基づき、「首都圏の予備校視察のため」などと適当な理由をつけて3月22日~23日を臨時休講にしておいたので、今回の旅行日程は22日~24日の2泊3日ということになった。22日の11時前に、悠々と七戸十和田駅を出発。途中「もはや車内販売では弁当を買えない」という事実にショックを受けるも、何とか新宿まで耐えて、乗り換えの合間におにぎりを頬張って凌ぐ。余裕を持って出かけた心算だったのに、何故出だしからいきなり土俵際に追い詰められているのだろうか?それでも、一番気にしていた「乗り換えミス」はせずに済み、予定より少し早い3時半過ぎに海老名駅に到着した。
 駅の改札を出て、すぐ携帯を取り出してご主人に電話をかける。ちなみに、私にとっては、この「今着きました」という連絡だけで通話料が3万円以上かかっている計算になる。というのは、私のガラケーは月の基本料金が3000円ほどで、私がこれを使うのは年に1度、このようなときに限られるからだ(笑)。
 電話をして数分後、梁山泊ご主人とシナトラ君が登場。彼とはこのときが初対面だ。勿論、事前情報から「シナトラ君かな?」とは思ったのだが、彼の顔を知っている訳ではないし、「100%の確信が持てないなら発言しない」というのがレトロ作家(ほんまかいな?)。ところが、彼はその上を行っていて、予めネットでこちらの顔を調べておいたという。この用意周到さは大したものだ。

 既に梁山泊にいたのは、竹中さんや太刀岡君(彼とも初対面だった)、久保君ら。部屋に入ると挨拶もそこそこに、シナトラ君が「来る途中、新幹線の中で作ってきたんだけど」といって将棋プルーフゲームを並べ出す。これがまた難しい。しかし、みんながウンウン唸っているのを尻目に、解答王の竹中さんがこれを瞬殺する。しかも彼は、レトロの基本である手数計算などを何も知らずに解いてしまったらしい。ほんとかよ…。あれを目の前で見せられたからには、そのうち彼が「私は解図力53万です!」と宣言しても私は文句を言わないよ(笑)。
 尚、私は1時間考えても正解が見えず、作者に解答を聞くという屈辱を味わうことになった。しかもその作者が自分の弟子とは、これ以上の辱めもそうないだろう(笑)。私は何のためにわざわざ青森から出かけてきたのだろうか?
 こういうとき、いつも私はフラッシュ暗算で小学生に負けたことを責められている数学科の学生のような気分になる。「自分はそこで勝負しているんじゃないのに~」という感じだ。本当のプルーフゲームというのは、手数計算と駒取り場所の確定をすると、その向こうに作者の設定した謎が浮かび上がり、それを解決するというものなんだよ。分かってないなあ、みんな(←ただの負け惜しみ)。

 その後、角さん、山路君、それに井上さんも加わり、最終的には11人になった筈(間違っていたらゴメンナサイ)。若手は真面目に詰将棋を解き、ロートルはテーブルでだらだらと与太話をするという、いつものパターン。そのうちに、「浦野先生のハンドブックシリーズにあやかって、表紙をソックリにした『ばか5手詰ハンドブック』を出したら、間違って買う人がいるんじゃないか」という話で盛り上がる。帯の文句は「私はこれで将棋が弱くなりました(笑)」と○○九段に書いて頂くとか、めちゃ失礼な意見も飛び出し、みなで爆笑した。ビールを飲みながらこうしてバカ話をしていると、「ああ、海老研に来たんだなあ」と実感がわいてくる。

旅行記(4-1)


今回の主役の一人、シナトラ君。 

旅行記(4-2)


パンケーキを食べる度に看寿賞が取れちゃう山路君。 

旅行記(4-3)


こちらも看寿賞作家の馬屋原君。相変わらず色男ぶりを発揮しております。

旅行記(4-4)


そしてこちらがグダグダ組(笑)。 

旅行記(4-5)


みんな真剣に解いているのに、一人だけカメラ目線のヤツがいるぞ(笑)

 2時頃に一旦お開きとなり、さあ寝ようかと思って洗面所に行くと、久保君とシナトラ君がいて、つい私も会話に参加してしまう。そのうちに角さんまで来て(ジョジョを見たら寝るんじゃなかったの?)、熱い詰将棋論議が再開。例によって、何を話したか全然覚えていないが、あとで隣人から苦情が来なかったか、一寸心配だ。結局5時過ぎに就寝。明日は詰工房だが、果たしてみんな大丈夫なのか?(続く)

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