覆面推理をはじめから(2)
一口に覆面推理といっても、実は色々なバージョンがあります。しかし出題する度に最初からルール説明するのも面倒なので、私は自分が実際に作図してみた順に、便宜上Type A, Type B, Type Cと分類しています。
Type A:平仮名だけを用いる。同じ駒種には同じ文字が対応するが、それが先手の駒か後手の駒かは不明。
Type B:平仮名は先手の駒、片仮名は後手の駒に対応する。また、同音の文字は同種の駒を意味する。
Type C:平仮名だけを用いる。同種の駒でも、先手と後手の駒には異なった文字が対応する。
尚、飛と龍あるいは歩とと金のように、同じ駒の両面でも、生駒と成駒は別な文字に対応します。
分かり易いように具体例を挙げると、
Type A:「あ」=先手玉か後手玉
Type B:[あ」=先手玉、「ア」=後手玉
Type C:「あ」=先手玉、「い」=後手玉
という感じです。
勿論、覆面推理の基本形はこれですべてという訳ではなく、更にこれらのバリエーションも考えることができます。みなさんも、Type DやType Eを思いついたら、是非それで作ってみて下さいな。
ではこれから、実際に覆面推理の作品をいくつか解いてみることにしましょう。(これから扱う例題は、ほぼすべてType Bです)
例題1
双玉なので、「あ(ア)」が玉なのは明らかですね。また、「い」が成駒だとすると不可能両王手になってしまうこともすぐに分かると思います。従って、「い」は生駒です。すると、21に配置されていることから、「い」は銀以上の駒ということになりますね。では、飛・角・金・銀のうち、どれなのでしょうか?
「い」が飛・金なら不可能両王手になることは、成駒の場合と同様です。では銀なのでしょうか?
(「い」=銀の局面)
しかしこの場合、先手は12銀を戻すしかありませんが、13に戻しても、あるいは持駒に戻しても、いずれの場合も更にその前の後手の着手が存在しません。よって、これは非合法な局面となります。
従って、消去法により、正解は「い」=角となります。
(「い」=角の局面)
この図が現在後手番であり、合法であることを各自確認して下さい。
では、12の「い」を22に移したb)はどうでしょう。 「い」が成駒、あるいは銀・角だとダメなのはa)と同様です。金も不可能両王手です。すると残りは飛しかありませんね。
(「い」=飛の局面)
この図なら、21飛を持駒に戻せば、更にその前の後手の手もあるので(それは何ですか?)合法な局面ですね。これでa),b)とも完全に配置が確定しました。
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