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AVENIR POPANDOPOULO傑作選(2)

(2) Avenir Popandopoulo (Concours Olympique 1981, 3rd Prize)

#14 (6+14)

 (2)は、彼のメカニズムのバリエーションを表している:同じフロントピースが異なるリアピースとバッテリーを組む。或いは同じリアピースとバッテリーを組むにしても、その筋が異なるのだ。

1.Bc6! (スレットは2.Bxb5#) 1...Qc4! 2.Bb7+ Kb6 3.Bc8+ Kc6 4.Bd7+ Kd5 5.Bxb5+ Ke6 6.Bxc4+ Kf6 7.Rf8+ Kg6 8.Bf7+ Kf6 (8...Kh7(h6)?は9.Kh8#まで) 9.Be8+ Ke6 10.Rbd8 (スレットは11.Bd7+ 12.Bb5+ 13.Bc4#) 10...Rac3 (10...Rcc3? だと11.Rxc4 から12.Bd7#が成立する) 11.Bd7+ Kd6 12.Bb5+ Ke6 13.Ba6! --- 14.Bc8#

 白Bの見事な軌跡が黒Sを孤立させる(しかし、どのようにしたらそれが可能になるだろうか?)。前作とは異なり、白Rの動きのエコーや、黒Kの長旅を鑑賞することができる。(もし1...Ra5 ?とすると 2.Bd7!で、以下2...Qd5 3.Bc8+ Qb7 4.Bxd7+ Kb6 5.Bd5+ Ka6 6.Be6 --- 7.Bc8#)

(3) Avenir Popandopoulo (Championnat d’Azerbaidjan 1980 1-2 Place)

#12 (10+13)

 (3)は、POPANDOPOULOバッテリー(リアピースの位置が変化する)の一つのバリエーションであり、同時に同じバッテリーが同一の手順中に複数回開くREHMバッテリー(リアピースとフロントピースが同一)も含んでいる。

 1.e4?(2.e5#) は1…Rc5!で逃れ。また1.Se4+ Kd5 2.Sc5+ Kd6 3.Ba8 (4.Se4#) と進めると3…Rxc5 又はQxd5!で逃れ。作意順は以下のようになる:1.Se4+ Kd5 2.Sc3+ Kd6 3.Sc4+! と黒Rc2の利きを予め止めておいて、3...bxc4 4.Se4+ Kd5 5.Sf2+ 5...Kd6 6.e4! fxe4 e.p. とすれば、これで黒Qg1の利きも止まったので、トライの筋が今度は成立する:7.Se4+ Kd5 8.Sc5+! Kd6 9.Ba8! しかし4段目の黒Pが動いた為に、今度は新たな受けが生じている(Dresden):9...Rg4! だがここでPOPANDOPOULOバッテリーが効果を現す:10.Sb7+ Kd5 11.Sd8+ Kd6 12.Sf7#.

白Sの軽妙なダンスと、黒のODTが印象に残る傑作!

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