私家版・近代将棋図式精選(32)
(56)植田尚宏
(近代将棋 昭和58年7月号)
33銀、同桂、13銀、同香、21飛、同玉、23飛成、22銀、12銀、31玉、
32龍、同玉、44桂、31玉、32歩、41玉、52と迄17手詰。
これ以上ない程端正な実戦形から、盤上の流れに身を委ねているような自然な展開で収束に至る。純粋な正算だと思われるが、それでも最後に龍捨てが入るのが、作者の力なのであろう。
(57)若島 正
(近代将棋 昭和58年7月号)
24飛、13玉、14歩、同桂、12銀成、同玉、23角、13玉、14角成、12玉、
23馬、21玉、13桂、11玉、12馬、同玉、21飛成、13玉、25桂、同角、
24銀、14玉、23龍迄23手詰。
8手目の13玉が、攻方にわざわざ馬を作らせ桂も与える所謂「不利逃避」。ただ、それ以降の手順に余り詰将棋としての面白みが感じられないのが、作者自認の欠点。それでも、このコンパクトな配置で構想を実現しているところには感心せざるを得ない。
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