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温故知新(詰パラ279号)

 今日は詰パラ279号(昭和54年5月号)を読んでみよう。まず初心コーナーに目を通すと、「かつての詰パラ会員がノーベル賞をもらうかも知れない」と書かれている。誰のことかと思ったら、数学者の志村五郎氏のことであった。(Fermat予想の証明に貢献した谷山・志村予想で有名)
 氏が投稿した詰将棋も2作紹介されているが、いずれも昭和26年のものだけあって、今の目で見ると素朴な作品である。数学の才能と詰将棋の才能は一致しないということなのか、それとも氏にとって詰将棋は暇潰し程度のものだったのか。
 尚、御存知とは思うが、ノーベル数学賞というものはない。数学の世界では代わりにフィールズ賞というのがあるのだが、この賞は受賞資格に「40歳以下」という年齢制限があることでも有名である。もし同様に看寿賞の受賞資格に年齢制限があったとしたら…などと考えてみると一寸面白いかも。

 それから、学校で興味深い作品を2作見つけた。

           谷沢保平

54 谷沢保平

          (詰パラ 昭和54年5月号)

57香、65玉、69馬、74玉、96馬、同馬、73金迄7手詰。

 開王手による馬の展開というのはこのあたりがオリジナルだろうか? それとも、もっと古いのがあるのかな?

           会沢宏一

55 会沢宏一

           (詰パラ 昭和54年5月号)

13角、66玉、57角成、同玉、93角、56玉、59飛、同桂成、66角成、同玉、67金迄11手詰。

(変化)
2手目46合は68角以下。
6手目66合は68金、56玉、66角成、45玉、36金迄。

左右から遠角を打っては成り捨てる。ストーリーとしては見え易いが、豪快な感触はやはり魅力的だ。半期賞受賞作。

似たような筋としては、最近では藤井孝太郎氏のものがうまく出来ていたと思う。

           藤井孝太郎

55-a 藤井孝太郎

          (詰パラ 平成15年5月号)

13角、37玉、46角成、同玉、73角、36玉、46角成、27玉、18龍、同玉、28角成迄11手詰。

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