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大林宣彦監督『HOUSE』をみておったまげた話

 NHKの某沼番組で、斎藤工が「stay home期間のオススメ映画」の一つとして勧めていたので、前知識全く無しで大林宣彦監督の『HOUSE/ハウス』を観ている。(斎藤工も本作については「とにかく名作、見て」でなんかあんまりちゃんと説明してくれなかったような気がするんだけど気のせい?)

ちなみに斎藤工による他のオススメ作品は
『GO』行定勲監督
『わたしはロランス』グザヴィエ・ドラン監督
『Lock Stock & Two Smoking Barrett’s』ガイ・リッチー監督

だったと思います一個くらい忘れてるかも知れん

 各種配信サービスには軒並みラインナップされておらず、日本映画専門チャンネルが追悼特集を組んでいたので速攻で録画したのだ。

 学園モノかな〜セーラー服の腹チラが眩しいぜ…とのんびり構えていられたのも束の間、あれよあれよという間に本作のペースに乗せられていく。過剰なスキンシップ、大袈裟な表現、作り物の風景、ポップすぎて喧しい音楽、常にロマンチックに耽溺しているような石原さとみ似の主人公(池上季実子)、っていうか主要人物全員あだ名、劇中劇…。小林亜星のスイカ売りがまるでハンプティ・ダンプティ、ここはアリス・イン・ワンダーランド?それとも白雪姫(7人の少女と白い魔女だが)?今の所私は一体「何を」見せられているのかわからない。

 そのうち、羽臼(=ハウス)屋敷パートに入って、やっっとこの映画が「ファンタジー(・エロチック)・ホラー映画」であることがわかってきた。とにかく映像がよくここまでこねくり回したなというほど凝りまくっている。撮影と編集を考えると脳が裏表ひっくり返りそうだ。

 まあ話に筋はあるのだがとにかくしっちゃかめっちゃかで70年代パワーがみなぎっている。ほんでまあよう、ここまで15.6の女子を脱がして乳輪映したもんだな。当時3回以上映画館に足を運んだ男子がうようよいるのではないかと邪推する。これが大林監督の「デビュー作」というのだから、ようこんな企画通りましたねと目玉をひん剥くが、Wikipediaを見てみるとCMディレクターとしての相当のキャリアと、日本映画の低迷が合わさってアレコレした結果らしい。

 本作のカルト的な人気は十分理解できるし、特撮の凄さもわかるし、勢いがあって理屈抜きに面白いと思う。エロ・グロ・ナンセンスを上品に(?)爆走しているような・・・本作から80年代アイドル映画、90年代美少女ホラー映画への道筋がついたのもわかる。だからか、だからこそか、いや、やっぱりそこまで脱がす?パンツ丸見え、四肢バラバラヌードや水中ヌードで笑ってしまう。(時代の名作、しかも反戦映画とあるソレにアレするのはナンセンスだが、フェミ的には話の筋も少女ヌードもまあまあアウト、とフェミ向けに警句は発しておきます。)

 人様のnoteですがあらすじ(とネタバレ)はこちらで是非。イラストがかわいい!

雰囲気はこんな感じ

 そして斎藤工よ、大林監督追悼ということではあろうが、思春期をターゲット層にしたNHK番組で相当ぶっ込んできたな、と。

 何故か鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』を思い出す、といってもほとんど内容は忘れているのだが連想するのだ。生と死の間、的な感じからだろうか。

『花筐/HANAGATAMI』もついでに録画してあったので見る予定だ。

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