「ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ」で見たBuffett氏の投資手法の変遷

ご無沙汰しております。
先日、自分の高校3年時にお会いして以来、自分の師匠的存在であるEVのパートナーである太河さんから紹介いたただいた「ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ」という本がありまして。

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Warren Buffett氏といえば、大学2年の時にBHの株主総会に参加したなぁなんて思いつつ、投資手法に関する本も数多あり、自分としてはそこそこ読んだつもりですが、その中でもかなり印象的な本の一冊になりました。

数多あるBuffett本の中でも印象的な理由は、
・色々迷っている今の自分に刺さった
・Buffett氏の若い頃の投資方針の変遷が綺麗にまとまっている珍しい本
などがあります。
(Buffett氏の若い頃に関して書かれている本は、「スノーボール」もあるものの、プライベートに重きを置かれていて、投資方針についてはあまり参考にならなかった気がする)

ではこの本には何が書かれているのか?
簡単に言うと、Buffett氏の資産が1億ドルになるまでの、資産額の推移、投資・買収した会社についての理由や背景を年齢とともにまとめられています。
ということで早速、印象に残ったものを年齢ごとにまとめていこうと思います。

11歳:投機家
初めて株式を購入する。これ以降、いくつかの株式を購入するが、基本はチャートの動きなどを見て取引をしていた。

19歳:割安株投資への目覚め
賢明なる投資家」と出会う。これがきっかけで、後にBenjamin Grahamの授業をとったり、Benjamin Grahamの会社に勤めたりする。

21歳:レバレッジによる投資
借金をして株を買う。

22歳:競争優位の大切さと自らは経営しない方向に
ガソリンスタンドを買収し、自らも接客をするも、道路の反対側にテキサコのガソリンスタンドとの競争に破れ失敗。

23歳:割安株投資家を極める
長らく断られ続けるもようやく師匠であるBenjamin Grahamの元で働くことに。

25歳:自らの投資組合を設立
Benjamin Grahamが引退することで失職。

28歳:成長株投資への目覚め
後に生涯のパートナーとなるCharles Mungerと出会う。

30歳:アクティビスト・PE的な投資
Sanborn Mapsの株式を自分の投資組合と友達で買占め、合計で43.8%を取得。自社株買いを行わせ、利確。
また、Dempster Millの株式も78%を友達とともに取得し、取締役に就任。外部から経営者を招聘し、人員と事業のリストラ、独占的な商品については価格の値上げ(最大で500%)を敢行。事業は回復し売却、会社自体も解散して利確。

33歳:BHの経営者に
BHの自社株買いの価格を巡って、当時の経営陣と対立し怒りのあまり大幅に買い増し、当時の経営陣をクビに。Buffett氏は取締役になるとともに、現場の責任者だった人に繊維事業の経営は任せ、自らは資金管理に専念し、BHの余剰資金を買収や有価証券への投資に向けていく。

35歳:成長株投資の実行と割安株投資への挫折
Disneyに投資。これまで財務諸表ばかりを見てきていたが、無形資産に着目した投資。
競争力はないが、純資産と隠れた資産を狙った投資でHochschild-Kohnを買収。初期はうまくいくも途中から業績が悪化。結果的に少額の損失を出しながら売却。

36歳:保険フロートの獲得
保険会社のNational Indemnity InsuranceをBHで買収。保険フロート得ることで、BHの買収と有価証券投資を加速させていく。

37歳:新たなフロートの獲得
スタンプビジネスのBlue Chip Stamps(以下BCS)の株式の取得を開始。最終的に取締役となり、新たなフロートを獲得したことで、有価証券投資や買収を進めていく。

38歳:投資組合の解散とBHの経営に専念
株価が高騰しすぎたことをきっかけとしてバリュー株の発掘が難しくなったことなどをきっかけとして投資組合を解散。BHの経営に専念するようになる。

40歳:脱割安株投資の本格化
See's Candiesを買収する。それまで割安株投資に重きを置いていた中で、高すぎたためのれんが発生する買収であったため躊躇するも、最終的に合意。

42歳:株価が高騰しすぎておりバリュー株の発掘が難しい中で、シニア債を発行。翌年から株価が急落し始め、シニア債で調達した資金を元に株の購入を再開する。

43歳:成長株投資の本格化
Washington Postの株式の取得し始める。Washington Postのフランチャイズの強さと経営者の強さに投資。

てな感じで、Buffett氏は様々な投資方法を実行しています。そこには、成功も失敗もしていますが、特に重要かなと思うのは、「投資方針をアップデートし続けること」なのではないかなと思います。そして、そこには人との出会いがあります。
(もちろん、「フランチャイズの強さ」「正味資本に対する利益率」「保険フロートによる0クーポンによるレバレッジ」などが大切なのは大前提として。)

この「アップデートをし続けてる」と行為は、一見当たり前のように見えますが、とても難しいのかなと思います。
例えば、John Paulson氏。元々合併アービトラージのファンドだったものが、サブプライムの時にMBSのCDSなどで150億ドルもの利益をだし、その後も銀行株のショートや欧州危機でさらに莫大な利益を出したものの、現在では、パフォーマンスをほとんど出せず顧客の資金が引いていき、現在ではほぼファミリーオフィスの規模にまで縮小しています。
他にも、Paul Tudor Jones氏。1990年代にはGeorge Soros氏とJulian Robertson氏と並んでHedge Fundの3強の一人だったにもかかわらず、今では、運用資産を縮小に見舞われています。
これらが全て、「投資方針をアップデートし続けていないから」とは言い切れないことは百も承知ですが、Buffett氏が圧倒的なパフォーマンスを出し続けられた一つなのかなと思います。

そしてこのアップデートするという行為は、87歳になった今でも続けており、面白いところなのかなと思います。
例えば、ITセクターへの投資。それまでBuffett氏は、わからないものには投資しないという信念のもと長らくITセクターには投資をしてきませんでした。しかし、2011年にIBMの株式を100億ドルの規模で取得しあっと言わせました。結果的にうまくはいきませんでしたが、2016年にAppleの株式を10億ドルの規模で取得し、その後も買い増しを続けた結果、現在ではAppleの3番目の株主であり、BHのポートフォリオで一番大きくなっています。
また、ITセクターヘの投資でいうと、未上場企業の雄であるUberに30億ドルのCBの引き受けも提案していたそうで。
正直ちょっとこれまでだと考えられないことが起きていますが、これもアップデートし続けたことなのかなと思います。

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最後に。
Buffett氏の投資判断についての本や記事は沢山あります。ではなぜ、Buffett氏のようなパフォーマンスを長期的に再現する人がいないのか?と言う話になるのかなと。もちろんそこには、いろんな議論があります。(Buffett's Alphaと言うAQRがまとめたのスライドとか面白いですよ)
ただ、個人的に思ったのは、22歳でガソリンスタンドを買収して実際に経営したことや投機、アクティビスト的な行為を行ったことによって得た経験などが強いんじゃないかなと。定量的でないので個人的にこう言うのは嫌いなんですが。
そして幸いにして自分はまだ23歳です。どこか参考にして自分も頑張ってやっていきたいなと思った次第でした。(ほんと!頑張りたい!笑)

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慶應卒/中等部/塾高/商学部 スタートアップ/VC/エンゲージメントファンドなどのインターンを経てXTechにおります FinTech・PE・ディーゼル・アバクロ・シーシャが好きです
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