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創業して1年。消費者信用産業の変革への決意を叫んでみる。

2019年3月8日にCrezitを創業して1年が経った。プロダクトを出さず(出せず)、この間僕らが世の中に与えたインパクトは皆無。

規制業種の代表格である金融において、サービスの立ち上がりに時間がかかるのはよくある話かもしれないが、それでも自分の実力不足には心底腹が立ってしょうがない。

とは言いつつも、全く何もできなかったわけではなく、無事昨年11月に貸金業登録(通算2度目)を完了し、晴れてノンバンク・金融機関となった。初期サービスの事前登録を12月からスタートしたり、今は更に次の仕込みのために違う許認可・登録も進めていたり、と確実に前に進んでいる。

1年間の振り返り

この一年を少し振り返ると、
実現不可能だろうと言われてもおかしくない、大きなビジョンだけを持って創業したCrezitには、4月には頼もしいシード投資家陣が仲間に加わった。

ゴールデンウィーク頃には、六本木でワンルームのオフィスを借りて、スタートアップらしさ全開になった。オフィスに人が来るたびに、「やべさん、ここはやばいねw 六本木ファイナンス感がすごいねww 」とコメントを頂いた。創業期のマネフォのオフィスをみて、自社を重ねてみたりしていた。
最近人も増えてきたので、次のフェーズにたどり着いたら直ぐ移転したい。

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11月末には貸金業登録を完了して、12月に事前登録ページをリリース。限られたリソースの中でコスパよく、リーンに前進してきた。(ということにしている。)


チーム作りも徐々にではあるが動きはじめている。
直近もまた何人か参画を決めてくれたり、十分(ということは一生ないだろうが)なんとかスタートできる状態に近づいてきた。それでもまだ社員は数名ほど。こないだSmartHRの宮田さんがブログで 今SmartHRに今入れば初期の3%のメンバーになれると書いていたが、Crezitにくれば偉大な金融インフラを作る初期0.1%のメンバーになれる。社員番号1桁台の社員として飛び込みたい方をお待ちしている。何もないがゆえにできることが無限大にあるはず。

この1年、なかなか思うようなスピードがでずフラストレーションが溜まることもしばしばあったが、着実に1つ1つ超えてきてる。そもそも人気もない、まともに向き合う人がとても少なく、ガチガチの規制と政治に塗れた消費者信用産業で、こんな若造でもやりきれるということを示したい、と個人的には日に日に気持ちが昂ってきている。そんな1年だった。

Crezitのビジョン:信用の最適化

簡単にこの一年を振り返ったところで、改めてCrezitが何を目指しているのか整理してみる。

Optimize Credit, Unleash Potential. / 信用を最適化して、人の可能性を解き放つ」という言葉をビジョンとして掲げている。
僕自身が尊敬する起業家の1人にMax Levchinがある。PayPalの創業者であり、今はAffirmというユニコーンスタートアップを作った起業家だ。彼の言葉に下記のようなものがある。

"The way to go disrupt financial system at the very core is you have to go after credit. Credit is the heart of what banking is, that's how money gets created literally. And financing which is probably single most important thing, it's the way to invest in your better self. "

信用というのはあらゆる金融サービスの根幹にあたる。にもかかわらず、与信に関わる仕組みやインフラはレガシーなままだった。金融は人々にとってのインフラであり、あらゆる消費生活に直結するからこそ、この分野でイノベーションを起こすことで、人間に常に存在する時間的、金銭的制約からの解放する、そんなことを目指している。

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なぜこんなビジョンを掲げているのか、僕たちが取り組んでいる課題なんなのかというと金融包摂という言葉に行き当たる。

グローバルに語られる金融包摂はいつもUnbanked = 銀行口座を持たず、伝統的金融システムから排除された人々について、いかに金融を届けるかという命題として扱われる。2015年ごろからのFinTechの走りも、まさにそこからだった。

一方で日本国内では、銀行口座保有率はほぼ100%である。だからといってUnbankedの課題がないのかというと、僕はそうではないと思う。日本においても、実に多くの人々が実態として金融サービスから排除されている。Unbankedではなく、Underbanked、僕らの視点でいえば与信されないという意味でUnderCreditedとでも表現すべきかもしれない。

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僕自身、以前noteで書いたように過去の事故でクレジットカードが未だにつくれない。
その原因であり、この産業への思い自体の原点が学生時代にマイクロファイナンス機関でのインターンであり、話のネタとしてはいいかもしれないが、生活的にはしんどさがある。そこで受けた影響は、ある意味でキャリアにおいても、Crezitというスタートアップにおいての意思決定にも最も強いインパクトを残している。どうしても仕組みを変えたいという強い想いがある。

Crezitがこの課題に取り組むのは、時代の必然性とも密に関係している。
金融は不動産を担保していた時代から、動産担保、そして高度経済成長期に終身雇用が確立し、いわゆるサラリーマンが急増した。そのころからサラリーマンであれば無担保でもお金をかせるだろうと、サラリーマン金融=サラ金が誕生した。
でも今、この根幹が崩れつつある。終身雇用中心に日本型雇用が成り立たない、フリーランスやギグワーカーと言われる新しい働き方の人口が増える。個人と事業者の区別がとても曖昧になっていく時代に、消費者信用産業において新しいスキーマが求められている。必然として。

しかし、単に AIを使います、流動性をあげます、といった話で解決するほどシンプルではない。それは隣のオープンバンキングでの議論をみれば明らかだろう。

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こと消費者信用におけるコアな問題として3つの解決しなければいけない根本課題が存在する。
個人の元に信用情報を返し、信用情報自体の拡張と流通、そしてサービスレイヤーまでを含めた低コスト化。これらを解決することが信用の最適化であり、金融包摂を実現するための方策だと定義している。

これを実現するための手段として、僕たちは大きく2つの事業を展開していく。
1つは個人が自分自身の信用情報を管理し、クレジットを育てていけるようなPCM(Personal Credit Management)。
2つめに、与信に関わる機能群をCrezitAPIを通して外部に提供していくCaaS(Credit as a Service)。

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消費者にとっての最適化と、事業者にとっての最適化、この両軸が実現しなければいけない。

日本でも今年になって急激にBanking as a Serviceについての注目が集まっているが、残念ながら日本の法規制(特に銀行法)では、欧米のようなBaaSの生態系は生まれないだろう。なによりも消費者信用を担ってきたのは、銀行ではなくノンバンクであった日本において、本来オープンバンキングではなく、オープンノンバンキングが求められているのかもしれない。
Crezitは、ノンバンクとして消費者信用に特価したCredit as a Serviceプラットフォームを作る。与信コストの課題と、データの流通・拡張についての課題は、サービスレイヤーから信用情報DBまでの統合であり、それをデジタルに行うことだと僕は考えている。

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最初のサービス

上記で話してきたような大きなビジョンを掲げてはいるが、これは最初から到達できるような山では決してない。

スタートアップにおいて、シンプルさは非常に重要だと思うが、課題も解決策も、決して簡単なものでないのが現実だと思う。だから僕たちは未来のあるべき姿から、一つ一つ要素を分解して、1つめのピース、1つめの課題を解決するようなスタートを切ることにした。それがモバイルクレジット「CREZIT」。信用情報の管理や向上をサポートするようなプロダクトにしていく。そのための第一歩としてローンがある。

しかし、少額のローンというスタートも決して簡単ではない。
ビジョンを実現する上で、この山の登り方はもしかしたら間違っているかもしれないし、もっと効率的なものがあるのかもしれない。でもそれはどのスタートアップも同じ話。僕たちは金融機関ではありつつも、スタートアップして高速に、リーンに山の登り方を見つけていく。

決意表明

Crezitが捉えている課題に間違いがないのであれば、あとは誰がどうやるかだけの問題だ。

どんな人ならば複雑性を極めるこの領域で、課題を解いていけるのか、一度考えてみた。
産業構造を俯瞰的に捉え、市場、事業、個人それぞれが抱える課題を抽出し、ソリューションを企て、与信という大きなテーマにおいて、未来あるべき姿を描いている人は今の市場に何人いるだろうか。描くだけならまだしも、そこに向けて変革を起こせるリーダーなど片手で数えるほどしかいないだろう。

表面的に類似したテーマにチャレンジするの企業は何社もでてくるかもしれない。チャレンジャーバンク、ネオバンク、信用スコア、AI与信。だけど、耳障りのいい言葉では僕らが捉えている根っこの課題は解けない。(別の課題は解けるかもしれないが)

僕自身、残念ながら上述したような人材像からは程遠いところにいる。この1年、様々な業界の先人たちと議論するなかで、毎週のように自分の未熟さを思い知らされ、打ちひしがれ続けている。だけど、これは僕がやらなければいけない事業であり、僕にしか解けない課題だと何度も思う。そんな現状への怒りと使命感とともに、ある意味で人生をかけて臨んでいる。

ただ、1人でできるかといえば決してそんなことない。上記で話してきた僕たちのビジョンを実現するには圧倒的に全てが足りていない。

コミットメントとスキル、情熱を持ち合わせた人たちの力を必要としている。最初はちょっと興味がある、話を聞きたいからでも、話したり議論したりする中できっとこの事業、この道のりの険しさと楽しみ、興奮を伝えれると思う。だから一度カジュアルにでも話を聞きにきて欲しい。


必ず世の中に大きな価値を生み出して、未来にあるべき産業の姿を実現していくと叫び、1年の振り返りの末筆とする。




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Crezit, Inc. | 消費者信用とインターネット | 人の想像力や可能性を広げていく事業を作りたいです。

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コメント (1)
すぐ少額のローンが借りられるようなサービスは今リリースすべきではないでしょうか。多くの人が本当に困るはずなので。
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