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金融サービスで起業したい学生や未経験者はどうすべきか。


最近、Crezit社で新しく学生インターンを1名採用した。TwitterでDMが来たので会って話してみたところ、シニア層向けの金融サービスを検討したりしつつ、経験がないので修行したいということで(と認識している)、非常に面白いなと思い採用させてもらった。

大学生ということで現実問題、金融のような重たい産業に関わる事業を作るハードルが存在しているらしい。僕自身も学生時代のインターンをきっかけに途上国でマイクロファイナンスのスタートアップやりたいなーと思いつつ、さっぱりどうやればいいかわからなかった経験があるので、この気持ちはとてもわかる。

また、多くの金融領域ではライセンス取得に資本金要件として数千万円が大前提だったりするし、サービスの検証をミニマムにやるにしても、厳密にはライセンス未取得段階でテスト提供するのもアウト。投資する側としても、経験の少ない学生や金融未経験者に対してリーンにPDCAを回すのすら難しい金融領域で、初期段階で投資する意思決定は難しいというのはとても納得がいく。

ただでさえ難しいのに、学生にかかわらず、金融未経験の人が新規に金融事業を作る難易度はえげつないかもしれない。業法・業態など規制環境もとても複雑なので、そこのキャッチアップだけでもかなりの時間を割かれることになるかと思う。

ユーザーの課題に向き合うのは大前提として、今回はどうやってドメイン知識について学習していくか、どう立ち上げていくべきかを考えてみた。割と当たり前のことでしかないが、それをやるのが大事だと思う。


取り組む課題に関わる業態・業法の理解

そもそもの金融機関とはどんな種別が存在するのかを把握・理解して、自分の課題がどの金融領域になるのかを理解する必要がある。

やってる側からすると当たり前ではあるが、意外とノンバンクと信金や銀行の何が違うのかを把握している人は少ない。同様に、例えば資産運用の形としてどんな業態が存在するのかを正しく理解することは非常に重要。

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例えば、チャレンジャーバンク・ネオバンクを新規に立ち上げたいと思った場合、既存の枠組みでは銀行業や銀行代理業、擬似的に実現する仕組みでは資金移動+前払い式+貸金+etc...、新しく成立する法制での実現を考えるのであれば金融サービス仲介法制についてキャッチアップするのがいいかもしれない。

レンディングの事業の場合、貸金業か銀行業、銀行代理など様々あり得はするが、現実的なライセンスの難易度を考えると貸金業登録を目指すのが良いだろう。

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このように、自分の解きたい課題と、係る規制や業態を正しく把握することからはじめよう。(当たり前だが)

関連する市場と業法に関するドキュメントの読み込み

例えばCrezitでは、消費者信用産業という個人の与信に関わる市場を広くターゲットとしているが、金融業の中の枠組みではノンバンク (貸金業や割賦販売)が中心となる。

基本的に、各業態や各業種について金融庁や経産省、自主規制団体・業界団体などの公開している資料を読み込むのは大前提スタート地点となるかと思う。業法 x 課題でぐぐると大抵レポートが山ほどあるのでそこから初めて、全体感を掴んでいくのが良いかと思う。
貸金業であれば日本貸金業協会、クレジットであればクレジット協会、割販小委員会などなど...


公的機関のドキュメントは全部読むのは基本として、様々なリサーチや論文を読むと全体像は把握できると思う。


金融の基礎理論の学習

意外と大事なこととして、学問することがある。金融自体、長年研究されてきた歴史があるので、当たり前の基礎をクイックに学ぶには教科書・学術書を読むことは非常に筋の良い選択だと思う。

スタートアップ界隈の人はあまり大学で真面目に勉強するタイプの人は少ないこともあり、経済学とか金融論、ファイナンス理論を勉強せずに金融事業を考えている人が多すぎる気がする。リスクとは何かを正しく把握できなかったり、情報の非対称性とその対策、ゲーム理論、市場原理、全部原理原則として学ぶべきだと考える。

なによりも金融の事業を作る以上、基本的に各法律の理解、個人として必要な資格の勉強など求められるので、ここは頑張りどころである。

おすすめの本などはまた別途紹介する。


とにかく業界の人にヒアリング

次に近場にいる業界のプレイヤーにヒアリングに行くのがいい。最近Twitterやってる業界人、特にスタートアップの人は多いので話に行ってみると良いかもしれない。ここ2年くらい色々な人とお話させているがみんな暖かく迎えてくれて色々教えてくれたりする。意外とオープンな人が多いので、低姿勢に感謝の気持ちを込めてお話を聞きにいくのがいい。

まだまだだが、僕自身もローンやクレジットについて知っていることはシェアしていきたいので気軽に連絡ください。


大人の仲間探し

死ぬほど勉強して誰よりも詳しくなるか、そうでないのであれば業界の知見が深いひとを仲間に加えるべき。ただこれはどこのスタートアップもやっていることだったりする。

僕も関連しそうなキャリアの人にはなるべくアポをとって話したりしているが、そもそもオープンバンキングについて、あるいは信用情報機関の未来等を考えている業界人の数が少なすぎるので難しい。Linkedinで一度洗ってみるのはいいかもしれない。

資金調達について

例えば貸金業をやりたいとすると、純資産として5000万円が必須となる。それプラス人件費や、(会計上はいらないが)貸付用の原資などを考えると立ち上げるために必要となる資金は途方もない数字になるだろう。
ソーシャルレンディングをやりたいならば、第二種金融商品取引業の取得を目指すことになるかと思うが、これは純資産要件以上にコンプラ対応が激しい。そのために必要な人材採用なども考えると、少なくとも億単位のお金が揃ってようやく前に進めるような状況。クレカなどの割販も同様、資金移動業であれば流通額の100%以上を信託・保全しなければいけない。

要するに膨大なお金がかかるので、最初からある程度の資金調達をする必要がある。

普通のスタートアップのシードファイナンスと基本的には同じ話だが、大きな未来を描いているのならば、バリューを上げて調達するべきだと個人的には考える。資本政策で死んでは意味ないので。狙ってるマーケットの大きさ、課題と、逆算して数億・数十億のValの違いは誤差であることを丁寧に説明していくという当たり前をやるだけ。

最初の資金調達についてはまたどこかで書いてみたいと思う。

周りや先輩のフィンテック起業家を見てて思うが、やはり初期からお金を集めている人はキャリアや経験に重きをおかれて資金調達を成功させているケースが多いのは事実だと思う。そういう意味で、未経験や学生が一度どこかで経験を積むのは理にかなった戦略だと言える。


フィンテック企業で修行

金融サービス全般的に当てはまると思うが、2,3年で勝負の着くような戦いではない。どの起業家もそうだが、特に本気の人は10年,20年かけて未来を作ろうとしているので、捉えている金融課題が正しいのであれば、決して慌てなくてもいいのではないかと思う。

そういう意味でどこかで経験を積む・修行するみたいなのは、こと金融領域について考えると悪くない戦略だと考えている。

自分自身の例でいえば、金融やファイナンスが好きだったが、Crezitを起業するまでに学生時代にマイクロファイナンス関連のインターン、GEで外資流のファイナンス経験、BASEで子会社立ち上げ、SMEs向けのレンディング 、ファクタリングの事業立ち上げなどと、意図はしていなかったがバランスの良い経験を積めた。

おすすめなフィンテック企業

仮に代表や経営陣と近い距離で働けるとするならば、個人的に下記企業でのインターンできる機会があれば飛び込むと思う。

基準としては、①自分の興味や課題感のある領域のスタートアップ、②代表がそのドメインについてめちゃくちゃ詳しく、未来を考えている、③まだ世の中にあまり知られていない。④創業期〜メンバーがまだ少ない

③④については正直、ほとんどのイケてる金融スタートアップって大きくなった後で評価されるので、規模が小さかったり創業期の段階で見つけるのは難易度高く(というか、創業数自体多くない)、下記に挙げたところもCrezit以外はかなりシリーズも進んでしまっている。

そういう意味でもし与信・消費者信用領域に興味があるのであればCrezitはかなり筋がいい選択肢だと思う。(消費者信用のスタートアップってそもそも他にないので。)

決済関連

証券・資産運用

保険

給与前払い・ペイロール

与信・消費者信用


消費者信用に興味ある人へ

消費者信用って単純そうにみえて、とても複雑だと思う。日本のフィンテックの起業家をみていると、多くが証券会社や投資銀行出身で、比較的トランザクションやマーケットに近いところでの経験にレバレッジをかけて起業しているケースが多い。
一方で、ローンやクレジット、決済を経験している人は(おそらく)属性的にもあまり起業家志向の人も少ないのかなと思う。そういう意味で、マーケットサイズや課題の深さに対してチャレンジする人が相対的に少ない領域なので、興味のある方は是非一緒にやっていければ良いなと思います。

Crezitに興味がある方も是非下記 or Twitterよりご連絡ください。


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Crezit, Inc. | 消費者信用とインターネット | 人の想像力や可能性を広げていく事業を作りたいです。
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