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わたしの東大受験物語

はじめに

初めまして! 東進東大特進コーススタッフで、東京大学文科一類 2年の 布施 乃理佳(ふせ のりか)と申します。
私は大阪生まれ大阪育ちで、中学高校と奈良の西大和学園に通い、大学進学を機に上京しました。今回は、私の受験生活をゆる~く振り返っていきますので、よろしければお付き合いください☆

高2夏まで

この「高2夏」という期間は、私が受験勉強を本格的に始めるまで、という意味で区切ってみました(詳しくは後述しますが、私は高2の秋に勉強中心の生活に切り替えました)。
中学の頃は概ね成績は良かったものの、中3の途中から中高一貫あるあるの中だるみに陥り、少し成績を下げていました。しかし、失恋を機に一念発起し、高1の夏には成績は回復。学年10位には入るかな~という程度の成績で高1を終えました。この頃は部活(競技クイズ)もかなり熱心にしていたのですが、部活があった日でも毎日必ず、少しでもいいから机に向かうことで、学習習慣をつけるように意識していました。
高2いっぱいは部活を続けるつもりだったのですが、高1の終わりから高2になる頃に、コロナ禍に見舞われてしまいました。オンラインでの活動などもしていたのですが、目標としていた大会がなくなるなど、やはり思い通りには続けられない状況になり、早めに引退することにしました。そこで、受験勉強を本格的に始めようと思ったわけです。

高2秋~

受験勉強を本格的に始めるにあたり、私は主に2つのことを意識しました。その2つとは、
① 頑張りを可視化すること
② 高い目標を掲げること

です。以下で順番に見ていきます!

① 頑張りを可視化すること
私は毎日タイマーで勉強時間を計って記録していたのですが、解けた問題数や、逆にスマホのスクリーンタイムなどでも良いでしょう。自分でどのくらい頑張ったかわかると、その頑張りをもっと増やして達成感を味わいたい!と自然と思うようになりますし、逆に頑張らなかった日は現実を数値で突きつけられるので、反省材料になります。モチベーションの維持にはかなり効果的な方法です。

② 高い目標を掲げること
「東大合格」がもちろん最終目標ではあるのですが、短期的な目標を考える場合に、あえてすぐには達成できない目標を設定することで、努力を続けるモチベーションにするという方法をここではご紹介します。私の場合は高2の秋で学年200人余りの中で1位を取る、という目標を掲げました。一応高2の10月頃に受験した模試での目標ではあったのですが、ここでは達成できず…。しかし、逆にこのことがバネになり(ツァイガルニク効果?)、2月に受験した模試では奇跡的に全国1位まで取ることができました。

いよいよ高3!!

私は高2まではもっぱら国数英を固めることに注力していたので、高3になって本格的に社会(世界史、地理選択でした)の勉強を始めました。少しだけ社会の対策について触れておくと、
世界史:苦手だったので、荒巻豊志先生の授業や過去問演習で触れる以外は論述の対策は特に行わず、高3の秋頃までもっぱら教科書を読んでいました。できれば教科書の内容は夏くらいには一通り頭に入れられれば良かったなと後悔…
地理:問題演習や学校の授業、村瀬哲史先生の授業を通して学んだことを分野別にルーズリーフにまとめていました。主な内容は、最新の統計や論述で抜けやすいポイント、問題を解く際の着眼点など。
という感じでした。もちろん社会も早いうちから始めておくに越したことはないのですが、やはり英数国は高3から伸ばすとなると苦労しやすいので、私はこの3教科を優先したことについては全く後悔していません。

また、高3といえば夏休みの過ごし方について聞かれることが多いのですが、私が通っていた高校では夏休みも(出席は一応自由とはいえ)毎日授業がありました。なのであまり参考にならないかもしれないですが、勉強時間が長く取れるとき、という状況においては、複数の科目を勉強することを意識していました。1つの科目をずっとやっていると、集中力が落ちてしまいがちだからです。また、夏休みにいつもより増えた分の勉強時間で社会に取り組むと、夏模試で結果を伸ばしやすいと思います。

高3夏~

高3の☆BIG EVENT☆は、やはり夏模試と秋模試ですよね。これらの模試を存分に活用するには、①返却前に一度復習することと、②その復習を友達と一緒に行うことをおすすめします。まず①については、返却前に自分の解答を評価し、返却後に採点された答案を見ることで、自分と採点者との認識のずれを確認することができます。とはいえ模試が終わってすぐに復習する気力はなかなか出ないですし、どうしても「いや合ってると思って書いたんやから合ってるやろ~」と自分に甘くなってしまいますよね。そこで効果的なのが②の方法です。放課後に友達と採点についてあーだこーだ言いながら見た夕暮れの空は忘れられない思い出ですね…(圧倒的アオハル)。

高3冬~直前期

私は12月頃から共通テスト向けの勉強に切り替え、学校の授業で行う二次形式の演習、およびその復習以外は共通テストの対策をしていました。共テ直前でも、週に各科目1年分くらいは二次対策をしておくと安心かと思います。

共通テスト

東大受験生の皆さんは、共通テストは大きく躓きさえしなければ大体の場合において大丈夫です。難しく感じても、それは全受験生が難しいと感じているはずです。少しエピソードトークをしておくと、私が当日いちばん焦ったのは、初っ端の社会の問題のビニールが開けられなかったことでした。地歴と公民の問題が一緒に封入されているのですが、ょゎょゎすぎてそれが破けなかったのです! 普通に試験監督の方を呼び、開けてもらって事なきを得ました。試験監督の人は受験生をサポートしてお金をもらっているので、遠慮せず助けてもらいましょう。

人生で最もつらい41日間

共通テストの結果は799点。私の年は難化したと言われがちですが、元々私は最低ラインは800点、と言っていましたし、一家そろって安全志向なこと、絶対浪人したくなかったこともあり、志望変更もかなり真剣に検討しました。それでも、苦手だった数学にずっと立ち向かい続けたこと、社会2科目の論述を頑張ってきたことなどを考えると、落ちたくない、より、諦めたくない、という気持ちが勝ち、当初の予定通り文Ⅰに出願。今思えば特に安全志向であるとは言えないのですが、早稲田大学法学部の共テ利用と、神戸大学法学部の後期にも出願しました。
出願を決意こそしたものの、不安や焦りで毎日精神的にボロボロでした。共テで感覚がなまってしまい、解けない問題があるたびに発狂していた記憶があります。それでも、2日間セットで、二次の時間帯に国語と数学を解き、社会と英語を勉強する日→二次の時間帯に社会と英語を解き、全科目を復習する日、というサイクルで、生活リズムを本番に向けて整えるとともに、まんべんなく各科目に触れられるようにして、本番に備えていました。この期間に一緒に勉強の進捗を送りあって励ましあってくれた友人や、直前まで答案を添削し続けてくださった先生、私が勉強だけに集中できるような環境を整えてくれた両親には感謝してもしきれません。

二次試験

二次の前日に新幹線で上京しました。前日はコロナがまだまだ流行していたこともあり、あまり出歩きたくないということで、人生初ルームサービスを取ってもらいました。さすがにテンアゲでしたね。
しかし、1日目からあまり手ごたえのない国語と、昨年の激難化からさらに難化した数学で撃沈。正直もう大阪に帰りたかったです泣。それでも、だめだったと言ったら本当にだめになってしまう…!という言霊的な考えから、そのことは口には出さず、2日目に切り替えようとしていました。
2日目は割と切り替えて臨めたはずだったのですが、結局手応えなし。帰りには、このキャンパスとは永遠にさよならなんだな~と思いながらも、やりきったという感慨の方が強く、不思議と悲しさはあまりありませんでした。それでも、お世話になった人たちには申し訳ないという気持ちでいっぱいで、涙を抑えるのに必死でした。

二次試験を終えて

先述の通り、確実に落ちたと思っていたので、大阪に帰ってすぐに(そのことはやはり言霊ということで口には出さず)後期の勉強を始めました。周りは誰も後期の対策をしていませんでしたが、勉強して徳を積んでおけば、東大の先生が私の答案を優しく採点してくれるかもしれない、などと、これまたスピリチュアルな考えもあり、二次試験前に劣らないくらい熱心に、人生初小論文に立ち向かっていました。

合格発表

私は怖くて見られなかったので、父に見てもらいました。するとなんと私の番号が…! 隣の席で、席を立つときに挨拶してくれた好青年の番号がなかったことがショックでしたが、もはやそれ以外には感情を抱く余裕がありませんでした。支えてくれた塾や学校の先生方に報告するうちに実感が湧いてきて、本当に安心しました。その日の夜にはInstagramのアカウントを作り、小論文から解放された記念として家族で小籠包を食べに行きました。

最後に

本当に私の回顧録という感じのだらだらした文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます! 受験期にはつらいことも色々ありましたが、東大ではたくさんの賢くて、勉強以外にも色んな才能があって、しかも気さくな、たくさんの友人に囲まれて、私は今人生でいちばん幸せです。この記事を読んでくださっている皆さんも、こんな刺激的な日々を体験してほしいなぁと願いつつ、この辺で筆を置かせていただきます。また何かの機会にお会いしましょう☆

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