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休日に着たいスーツ

私は在学中にECファッションブランドをたちあげた。今は私の手からその事業は離れたが、その当時、一番大切にしていた思いがある。

"洋服は何か特別な力を持つときがある"

例えば、着るだけで気分が高揚したり、気分が引き締まったり。

女性にとってウェディングドレスは、着るだけで幸せでワクワクした気分になれる特別な存在であることは間違いない。僕の知人でファッションのデザインや制作を学んでいる人がいるのだが、彼女は友人が結婚する際に、そのドレスを手作りしたと聞いた。その友人がそのドレスを着た際にどんな感情がこみ上げてきたのかは分からないが、特別な一着、特別な経験となったことは確かだと思う。

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もちろんウェディングドレスのようにほとんど着ないような服だけではなく、普通のコートやトップスでも同じである。大切な人にプレゼントされたものだったり、記念日に着た思い出の品だったり、記憶や想いが詰まっていたら普通の洋服でも着るだけで何か特別な感情がこみ上げる素敵なパワーが宿っている。ランニングを開始する際に、かっこいいスポーツウェアを買って形から入るのも、本質的には同じだと感じる。

"洋服には何か時別な力を持つときがある"


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私は就職活動で必要になるスーツを買う際に、両親にお願いをして小さな仕立屋でスーツをフルオーダーをした。就活用であったため、限定事項はあったが、自分という存在を表象する道具としてスーツを買うことにひどく興奮した。当然スーツをオーダーすることは初めてだし、スーツを着ること自体もほとんど無かった私は、色んな知識を教えてもらいながら注文をしたのは今も鮮明に覚えている。そしてスーツが完成し、実際に着てみると何か特別な力を持ったような気分になった。サイズは自分にぴったりだし、一番しっくりきた濃いグレーという色味で、生地感も当然自分好みである。

私が有難いことにいくつかの企業から内定をいただくことができたのは、そのスーツを着た時に湧き出てくる根拠の無い自信というかドヤ顔感がプラスに働いたのかもしれない。また不思議なことに、もうこれからは学生ではなく社会人にならないといけないんだという覚悟も自然と芽生えた。もちろんそうしたパワーがみなぎったのは自分でオーダーしたというこだわりや想いがあってこそである。


こうした経験を通して僕はスーツの持つ力に興味を持った。男性は節目となる成人式や卒業式、結婚式などのイベントではスーツを着ることが多い。それだけ特別な存在であり男性がカッコよく見える服でもある。

一方で、毎日のように仕事などでスーツを着ているとだんだんスーツへのイメージが変わってきてしまうのも事実だ。スーツは疲れるし、ジャージのようにガシガシ着るわけにもいかない。最近、デニム通勤なども珍しくなくなったが、スーツ着用が悪者のような捉え方をされる時さえある。もちろん僕はスウェットやジーパンといったラフな格好は大好きである。しかしスーツを着た時に感じるようなエモい力はそういった服からは感じられないのだ。

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だからこそ毎週じゃなくてもいいので、休日に着たいと思える休日に最適なスーツが欲しくなってきた。

大切な人とちょっとカフェに行ったり、美術館に行ったり、本屋に行ったり、そんな休日にスーツをサクッと着るってなんだがとても大人で、エモいような気がしている。

でもビジネスの時みたいにカッチリしているのは自分の中では、なんだかメリハリがなくてフィットしない。自転車に乗ってハンバーガーをテイクアウトしたり、Macbookをつっこんだリュックを背負って走ったり、そんな時でも快適で心地よいスーツがいいのだ。ワイドパンツであったり、少しオーバーサイズであったり、インナーにロンTやパーカーを着たり、生地をカジュアル向けにしてみたり、上下で変化を作ってみたり、要はこだわりあるファッションを緩く楽しみたいということだ。細かいことを言うと出来れば超ハイブランドのセットアップのようなギラギラ感も必要ない。


そんなありそうでない絶妙なスーツをご存知の方がいらっしゃったら教えてください  




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