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RaaSについてどこよりも詳しく書いてみた

みなさん、こんにちは。

いきなりですが、次の言葉を読んでみてください。

実店舗での販売がオンラインショップでの販売をスタートするのと同じくらい簡単にできたとしたら?

この仮説を持って私たちはb8taをスタートし、ソフトウェアや店舗を私たちの考える小売のあるべき姿にデザインしました。

こちらはb8ta Japan北川さんのnoteに記載されていたb8ta CEOのVibhuさんの言葉の引用なのですが、


なんかとてもわくわくしませんか?(笑)

興奮しているのは私のようにECのビジネスをやったことある方や小売オタクだけかもしれません、、しかし多少の興味はみなさんありますよね?!

そんなサンフランシスコ発のベンチャー企業「b8ta(ベータ)」は商品が売れなくてもビジネスが成立していまう小売店舗の新しい形を提示していて、今夏、日本にも出店するとのことなので、今回はb8taを中心とする小売業界の新しいビジネスモデル RaaS(Retail as a Service)についていろいろ見ていこうと思います。

(先日、日本での取り扱い商品が一部発表されたみたいですが、店舗自体の方は、まだなにも見えませんでしたw)


1. そもそも〇aaSって何なの?

RaaSをはじめ、SaaS、PaaS、IaaS、MaaSなどいろいろありますが、なんとなくしか理解できていない人が多いと思います。少し前の私もそうでした。

〇aaS = 〇 as a Service はそのまま訳すと「サービスとしての〇」なのですが、私の経験上「〇」と「aaS」に分けて理解すると分かりやすいです。

まず「〇」に入る言葉には、貸し借りする「対象」を入れます。

例えば、Software as a service(SaaS)は、対象がソフトウェアで、サービス提供者側からするとソフトウェアを一時的に貸すということであり、顧客側からするとソフトウェアを一時的に借りるということになります。

ポイントはあくまで顧客に商品は利用してもらうけど、所有権自体はサービス提供側が持ったままという所です。

そして「aaS」とは、クラウドを前提としたサブスクリプション型のビジネスモデルのことです。

製品そのものをユーザーに売り切るのではなく、製品の機能をユーザーに定額いくらのような形で提供すること一般的には多いです。

なので「〇aaS」とは...
〇○をレンタルすることのできるサブスク型のクラウドサービス

と言えます(私なりの解釈です)。

ちなみに完全に余談ですが、日本初の言葉で、ZaaS(Zangyo as a service)というのがあるそうですww


そして上記の説明にRaaS(Retail as a Service)を当てはめると、

Rに入る貸し借りの対象物は、店舗の物理的なスペースや店舗運営に必要な従業員の手配、トレーニングやシフト管理、在庫管理、物流サポート、POSなどが入ります。また、aaSということで、店内で来店者がどのような体験をしたかを店内に設置したカメラを通じて収集して、ソフトウェアで行動分析することも可能になるなどクラウド型のITサービスとしての側面も含まれています。

つまりRaaSとは、小売に必要な様々なものがパッケージとなっていて、それを月額いくらか払ってレンタルするようなイメージです。



2. なぜ今さら小売業界が盛り上がっているのか

RaaSの詳しい説明に入る前に、そもそも最近の小売業界で注目されている店舗というのは、どんな特徴があると思いますか??


私なりに考えてみると大きく分けると①体験型店舗②キュレーションメディア型店舗の2つに集約されるような気がします。


①体験型店舗

体験型の店舗とは、

単なる試着や試飲などの体験はもちろん、エンターテインメントやコミュニティー、パーソナライゼーションなどを重視した店舗

のことです。

例えば、NYや上海にあるNIKEの「House of Innovation」という新しいコンセプト店舗は、店内に大きなバスケットコートがあったり、

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自然光、スポーツジム、ヨガルームなどのシチュエーションにあわせて洋服の試着ができるフィッティングルームがあったり、床のスクリーンでゲームができたりします。

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他にもマットレスブランドのCasperは、店舗の中に仮眠室があり、実際に「眠る」ことまでできちゃうのです。

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そのように単にモノを売るだけだったらECで完結してしまう時代だからこそ、リアルな店舗ではブランドの世界観を伝えることにフォーカスしていることが特徴だと言えます。


②キュレーションメディア化した店舗

キュレーションメディアとは、情報やモノがあふれ過ぎて何を見て良いか分からない方に向けて、独自の視点で情報を取捨選択し、見やすくまとめているメディアのことですが、

キュレーションメディア型店舗とは、

信頼のおける人や店舗/企業が独自の視点で選定した商品が置いてあり、まるで雑誌のようなメディアとしての機能を果たしている店舗

のことです。そしてモノが溢れ、自分で良い製品を探してくることがとても労力のかかる時代になったからこそ需要が高まっていると言えます。

例えば、二子玉川にある蔦屋家電+は最新テクノロジーを駆使した家電製品をはじめ、優れた技術を生かして開発された製品、クラウドファンディング中の製品や発売前の最新プロダクトにも直に触れることができます。

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(画像は蔦屋家電+ 公式HP引用)

またそこでは創り手のプロフィールや製品に込められた思い、デザインのコンセプトなど、普段触れることが難しいリアルな情報を、蔦屋家電+のキュレーターが独自の目線で編集して紹介しており、ほとんどメディアといっても過言ではないでしょう。

少し前にこんな本が発売されていましたが、まさに蔦屋家電+の例はキュレーションメディア化の象徴だと言えます。


このように面白い事例がポツポツでてくるようになったことで、やっぱりECだけじゃなくて、小売店舗もあった方がいいよね、あった方が面白いよねという風潮がうまれてきて、一度は死んだと言われたリテール業界が再注目されるようになったのです。



3. RaaSが特に注目されている理由

2章で説明したように、小売店舗の役割が再定義されている中で、RaaSと呼ばれるサービスが誕生しました。この章では小売業界の中でも特にRaaSが最近注目を集めている理由ついて書いていこうと思います。


①D2Cブランドとの相性が抜群だから

RaaSが注目を集めている理由の一つとして、D2Cブランドと相性が良いというのが挙げられます。

D2Cについてはこちらの記事で詳しく書いていますが、D2Cブランドはそもそもスタートアップが多いです。

そのため、次のような要望があって店舗を持ちたいと思っていても、資金面を理由に先送りするケースがよくありました。

・ブランドの世界観や製品のこだわりを直接伝える場がほしい
・実際に触ってみないと分からない良さを伝えたい
・新規顧客接点をつくりたい
・実験段階の製品の感触を確かめたい
・長きにわたって応援してもらえるファンをつくりたい

上記な要望があったとしても資金を理由になかなか店舗を持つことに踏み出せないスタートアップのD2Cブランドは多く、一つの成長の壁となっていたのです。

しかしRaaSを利用することで、潤沢な資金がないD2Cブランドであっても、スピーディーにリアル店舗に挑戦することが可能になります。

月額いくらを払うと、店舗デザインや賃料などはもちろん、店舗スタッフの手配、店舗及び在庫管理、POSなども一括で含まれるため、小売進出へのハードルが一気に低くなるのです。

また来客数、顧客の声、商品の売れ行きなどのデータ共有や分析サービスもあるため今後の戦略に生かすことができたり、そもそもRaaS店舗自体に集客力がある場合も多いことから、新規顧客獲得の恩恵を得ることもできるのです。そのためITへの投資費用や広告費用をあまり捻出できないブランド、知名度が低いブランドなどにとってはとても助かる仕組みなのです。


②巨大IT企業がこぞってRaaS市場を狙っている

また①とは少し毛色が違いますが、RaaSという市場をAmazonやMicrosoftなどといった巨大IT企業がこぞって狙っていることもRaaSが人々の注目を集めている理由の一つだと思います。

Amazonは無人決済小売店「AmazonGo」に導入されている、レジなし決済システム「Just Walk Out」を、小売業向けにRaaSサービスとして提供することを発表しました。

一方でMicrosoftも負けていません。米小売業界の上位であるWalmartやKroger、Walgreens Boots AllianceなどとRaaS領域で戦略提携をしました。

特にKrogerとは、EDGEと呼ばれるスマートシェルフのサービスを発表していて、Krogerがもつ売場の知見や顧客データを元に、MicrosoftのAzure・AI技術によって生成されたアルゴリズムを活用して、小売業の業務支援を行うRaaSサービスを展開しようとしています。

また小売流通業界のライバルとして君臨していて、かつAI/クラウド領域でも圧倒的な存在感を放っているAmazonグループといかに対峙していくのかという観点で、小売企業とMicrosoftの課題意識が一致して、両社の連携が加速したという点もなかなか面白いです。


4. ついにb8taが日本にやってくる

そして2015年にシリコンバレーで生まれ、RaaSのパイオニアとして知られている「b8ta」がついに日本にやってきます。

ベンチャーキャピタルのEvolution Venturesと合弁でb8ta Japanを設立し、今夏、新宿マルイ 本館、有楽町電気ビルへ2店舗出店する予定らしいです。丸井グループ、三菱地所、カインズ、凸版印刷などといった企業が出資していて、日本での新たな小売体験の創出をチームで推し進めているような印象です。

b8taは、RaaSにかかる月額料金以外の費用は基本的にかからず、販売数量に応じた手数料が無いことや、スタッフへの教育をとても重視していることなど様々な特徴があるのですが、

端的にいうと、、、

消費者目線ではSF在住ユーチューバー「drikin」さんの動画にでてくるような時代の最先端をいく製品がたくさん並んでいて、出品者目線では実店舗への展開をまるでオンライン広告を掲載するのと同じくらい手軽なものにしたような感じです


てなわけで、ぜひオープンしたら行ってみようと思います!


5. b8ta以外のRaaSについて

アメリカを中心にb8ta以外にもまだまだRaaSを展開している店舗がありますので、簡単に紹介していきます。

アメリカ初のRaaSを展開する企業としてShowfieldsやNaked Retail Group、Neighborhood Goodsなどがあり、基本的なRaaSのビジネスモデルとしては似ている部分も多いですが、それぞれの思想が反映されていて面白いです。

例えば、Showfieldsは、「世界で一番面白い店」を自称していて、NYにある巨大店舗では、ブランドごとに店内スペースを区切って貸し出し、ブランドの世界観を考慮して内装を作り込むなど、D2Cブランドへの配慮を徹底しています。

そして消費者は様々なブランドの商品を、その世界観ごとまとめて体験でき、見本市の様な感覚でショッピングできるようになっているのです。


一方でNeighborhood Goodsは、スタッフから顧客への「人間らしいアプローチ」を非常に重視しており、人材の育成に特に力を入れています。顧客との間にポジティブな関係を構築することで、「また行きたい」と思わせるような店づくりを目指しているのが特徴です。

お客さんが座ってゆっくりできるスペースやレストランも設けられていて、既存または潜在顧客と交流したり、新商品のコンセプトを試したりといったことイベントも頻繁に開催されたりしています。

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このようにアメリカや中国を中心に、まだまだ日本ではほとんど馴染みがないRaaSビジネスがたくさん誕生しているのです。今回のnoteで少しでも小売業界に興味を持っていただけたら嬉しいなと思います。


もっともっと書きたいところですが無限に書いちゃいそうなので、今回はこのへんでやめておこうと思います笑

簡潔にまとめると小売って奥が深くて面白いよねって話でした。おしまい。



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