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【僧侶がグッときた言葉】世界が終わるまでは…/WANDS

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スラムダンクと夏休み

今日はメインブログの過去記事から一本。

今回のタイトルを見て懐かしさがこみ上げた方も多いでしょう。

今回ご紹介するのはロックバンドWANDSのヒット曲「世界が終わるまでは…」。

この曲は私にとっては夏休みとつながりの深い一曲です。

1994年 、私が3歳の時にリリースされてこの曲は、いまだに根強い人気を誇るバスケットボール漫画「SLAM DUNK」のアニメ第二期のエンディングテーマに起用されました。

私が小学生の頃、夏休みになると午前中に「SLAM DUNK」の再放送があり、球技が一切できない私もよく観ていました。

原作よりわかりやすくキャッチーにした工夫が、バスケットボールのルールを知らない私でも楽しめました。

そのせいか、今でもこの曲を聞くと、畳でゴロゴロしながら観ていた夏休みの記憶が蘇ってくるのです。


分かち合うという喜び

小学生の頃は、アニメの曲としてなんとなく聴いていたこの曲ですが、高校生になって初めてミュージックビデオを観てみると、90年代の味のある作りで、音楽として好きになり、カラオケでもよく歌うようになりました。

それからさらに時は経ち、多少人生経験を経ると、昔は歌詞の意味までは考えずに聴いていたこの曲にもグッとくる言葉があったのです。

それがこちら。

恋人にしろ友人にしろ家族にしろ、私たちの人間関係の深さは時にその人の理解度で計られることがあります。

「あの人のことならなんでもわかる。」

「誰よりも私を理解してくれる。」

人間は自分を知ってもらう、理解してもらう、認めてらうこと、いわゆる承認欲求を満たされることで愛情を感じる生き物です。

これだけたくさんの個性が行き交う社会の中でそんな人と出会うことができれば、信頼できる人や愛する人と思うことはごく自然なことでしょう。

確かに、他の人にはわかってもらえない自分の悩みや意見、価値観を理解してもらえる、共感してくれるというとてつもない喜びです。

一生のうちで一人でもそんな人と出会うこと、それは人間にとっての大きな目標でもあるかもしれません。

人を苦しめるギャップ

ただしこれは諸刃の剣で、お互いを理解すること、知ることが愛情であるとするならば、それができなくなった途端に急に不安を感じてしまうものです。

自分をわかってくれて、相手のこともわかる、そんな経験で得た喜びが大きければ大きいほど、わからなくなった時のギャップは大きくなります。

幼い頃には自分の言うことを素直に聞いてくれた、我が子、順調に関係を築いていきたパートナー、なんでもわかると思っていた人の気持ちがわからない、考えていることがわからなくなった瞬間に、人はすごく大きなショックを受けるのです。

人というのは刻一刻と変化し続けるもの。

本の一冊、Twitterの一言を読んだだけで大きく価値観や考え方が変わったり、一口の食べ物で体調も変わります。

極端な話、1秒後には別人になっていることもあり得る他人のことを全て理解することなんてできるはずがありません。

「あの人のことならなんでもわかる」というのは、知り合ってから関係を築く過程で得た、その人の性格や体質を元に「統計と予想」に過ぎないのです。

知り尽くせないからこそ
そこでその予想が当たり、一時的に自分の思い通りになると、相手のことを知り尽くしたと勘違をし、そこから人間関係にはズレが生じはじめます。

それならどうするべきか。

たとえどれだけ信頼し合っている人であろうと、その人の今を知ろうとする努力をするしかありません。

全てを理解し、何も言わなくてもわかることが愛情なのではなく、常に相手がどう感じているか、何を考えているかを知ろうとすることが何よりの愛情なのではないでしょうか。

禅の言葉に莫妄想(まくもうぞう)というものがあります。

さとりを開いたような気になったり、自分は完璧だと勘違をする「妄想」によって修行をなおざりにすることを戒めた言葉です。

今日の天気は今日しかないように、今日のぞのご飯は初めて食べるように、どれだけ気心の知れた人であっても今日のその人とはこれまで会ったことはないのです。

互いの全てを 知り尽くすまでが

愛ならば いっそ永遠に眠ろうか

この歌詞には、たとえ世界が終わるまで離れることはないと信じた人であろうと、全てを知り尽くすことなんてできない、そんな人間の不完全さと、人間関係というものの奥深さ、難しさ、そして尊さが込められているのかもしれません。

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