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もしパナホーム長野中央のCMOだったら?/#21 マーケティングトレース

前回の #マーケティングトレース ** **に続き、今回もとあることがきっかけで企業選定しています。

住宅業界は意外と初めての取り組み、SUUMOやHOME'Sといったプラットフォームではなく、プラットフォームに掲載し集客を狙う側となります。

会社概要:パナホーム長野中央を理解する

会社名:株式会社パナホーム長野中央
設立 :1981年
所在地:長野県松本市島内4370-7
代表者:岡沢 信一
資本金:4,000万
従業員:50人前後
事業 :パナソニック ホームズの販売・施工・リフォーム事業
店舗 :長野県内に3営業所

パナホーム株式会社は2018年4月にパナソニックの完全子会社化に伴い、パナソニックホームズ株式会社に社名を変更しています。

社名変更に伴ってグループ会社も変更していますが、パナホーム長野中央はそのままになっています(他も複数社あり)

おそらく、直営か代理店の違いでしょうか。

各地域ごとに対応できる様に、直営or代理店を置いていると考えられます。

パナホーム長野中央を取り巻く市場環境について整理します。

パナソニックホームズの販売・施工、リフォームを事業としているため、住宅市場、リフォーム市場について見て見ます。

住宅市場について(新設住宅着工戸数)

次に利用目的別(持家、分譲、貸家)にみてみます。

貸家が一番多いですが、今後は減少する見込みですね。

考えられる要因としては

・人口減少
・良好な分譲地獲得困難
・過剰供給

でしょうか。人減ってるし消費冷え込むし、過剰気味に供給されているし、など、あまり明るいイメージは持てません。

リフォーム市場について

https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/16975.php
(リフォーム産業新聞)

リフォーム市場は、新築と異なり既存住宅に対する供給のためダウントレンド予測にはなっていません。

長年の傷みを単に補修する目的で行なったり、将来的に子に譲る為のリフォームなどが考えられます。

大体の市場感がわかったところで、 #マーケティングトレース に入っていきます。

PEST分析:外部環境を整理する

【政治的要因】
・改正省エネ基準制度の義務化
 省エネ基準以上の断熱性能を有していない住宅は新築することができない
 制度のこと(見送り・延期になったが、省エネ住宅は増えてくる流れ)
・瑕疵から契約不適合へ
 言葉の表現が代わり内容も買主に寄り添ったものに変更されている。
 買主が1年以内に損害賠償請求の権利行使が必要だったのが、1年以内に
 不適合内容の通知で足りる内容に変更。
・消費増税
 消費税10%への引き上げ
他にもいくつかありますが、関わりそうな部分は上記。

【社会的要因】
・少子高齢化
・人口減少
・若年層の可処分所得減少
・老後不安
・コロナウイルスによる材料調達遅延

【経済的要因】
・収入減少
・景気後退
⇨コロナウイルスの影響も生じる

【技術的要因】
・スマートハウス
 ITを使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅。
・IoT住宅の取り組み
 amazonやGoogleなどがスマートホームに参入

住宅建設する側は環境問題もあり省エネ化に進み、技術進歩のおかげでスマートーホーム化など、便利な住環境が整いつつある。一方で昨今のコロナウイルス騒動の影響もあり材料調達遅延、業種業態によっては営業自粛により需給双方で影響が出ている。心理的に購入買い控えに傾く可能性もある。

SWOT分析:市場機会、事業課題を整理する

<内部要因>
パナソニックブランドの知名度は強みになる一方で、同じ長野県内でパナホームブランド同士がエリア内で展示場を展開しているため、パナホーム長野中央からすると競合にあたるのがマイナス要因として考えられる。(例えばパナホーム長野中央とパナソニックホームズ東海は同じ諏訪市にある)
<外部要因>
スマートハウス、スマートホームなど技術発達による住環境整備が整えられている中でパナホームの「HOME X」はプラス要因として今後期待できる。
直近のコロナウイルスの影響が今後どこまで影響するか未知数だが、長野県内の需要は問題なくとも材料調達の懸念がある。

4P:マーケティングミックスの整理

パナソニックホームズ商品の販売のため、パナホーム長野中央独自の商品があるわけではありません。(認識違いでしたらすいません)

グループ共通のProduct・servicePromotion、Placeの運営方法などあるものの、パナホーム長野中央独自の取り組みとしては自社HPのみ。

パナホーム長野中央独自のHPを所有しているのは代理店だからですね。

他のパナホームも同様にHPを所有していますが、パナソニックホームズは所有していません。

独自で集客する必要があるからHPを所有しているのではないでしょうか。

理由は定かではありませんが、パナソニックホームズ商品以外にも別事業が存在している(住宅系でもパナソニックホームズ関係ない)からではないでしょうか。

もしくは他の理由が存在している可能性もあります。

とはいえ、HPを見る限りパナソニック商品の取り扱いがメインであることは間違いないので、競合他社をどの様に設定するかがポイントですね。

長野県内におけるSTPを次に考えてみます。

STP:セグメント、ポジショニングを整理する。

ターゲット:
長野県松本市以南地域を中心にいる、20~30代の住宅購入検討者層。

ターゲット地域の理由は松本市より北部はパナソニックホームズ東海があるため、長野県内での長野中央のカバー範囲を松本市より南としています。

ポジショニング:
パナソニックホームズ東海を競合と見るかによりますが、両社共にパナソニックブランド商品を扱っている会社同士なので、グループ会社通しとして捉えます。

実際にユーザーが住宅購入を検討する時は、

となっているはずだからです。

ここでどこを競合と設定するかですが、一旦SUUMOの長野県ハウスメーカーのアクセスランキング上位4社ほどを抜粋して競合設定します。

1位:タマホーム
3位:一条工務店
4位:住友林業
5位:三井ホーム

※2位はアイダ設計ですが、営業所がパナホーム長野中央から離れていることもあり除外しました。
※パナホーム長野中央は20位でした。

パナソニックホームズのポジショニングを軸にしたため、他社のマッピングで微妙な立ち位置もありますが、上記で仮置きします。

パナソニックホームズは耐震性や耐火性など安心して暮らせるための住宅構造を実現する技術力生涯安心して暮らせるためのアフターサポートが強みです。

ではここで、パナソニックホームズ(パナホーム長野中央)が購入検討者に対してどのようにコミュニケーションを取れば良いのか?について考察していきます。

まずは、一般消費者が住宅事業者を選ぶ時に重要視するポイントについてみてみましょう。

突出しているのが建物の性能です。

建物の性能の中でも特に何を重視するのでしょうか?

高耐久性耐震性が上位にきています。

どこのハウスメーカーも耐震性訴求は行なっており、正直どこがどう強いのかが比較してもわからない(判断できない)と思います。(個人的にですが)

高耐久性についてですが、取り上げた4社のHPをざっと確認する限りだと、パナソニックホームズ一条工務店が耐久性について訴求しています。
※これも実際にどちらが優れているか、個人的には判断できません。

参考までに耐震性を実際に家を建てて揺らす「実大震動実験」の「最大ガル数(≒揺れの大きさ)」を元にランキング作成されていたのを見つけました。パナソニックホームズは5位と、一条工務店、住友林業、三井ホームよりもやや劣っている様です。

もしあなたがパナホーム長野中央のCMOだったら?

実態はどうであれ、住宅購入者が重要視するポイントパナソニックホームズが訴求しているポイントがマッチしているのは間違いないと思います。

その上で、

もしあなたがパナホーム長野中央のCMOだったら、どのようにして新規見込み客を自社に呼び込むか?

を考察していきたいと思います。

結論だけ先に書きますと

を実行します。

それでは順を追って結論に至ったプロセスを記載します。

新規見込み顧客を集客するには?

4PのPromotionですね。

Promotionをテコ入れするにあたって、何を行なっていくか?

現状はOnlineは自社サイトとポータルサイトへの掲載のみ。Offlineは雑誌(恐らくSUUMOなど)やチラシ、展示場での集客を行なっていると考えられます。

では、実際に住宅購入時の情報取得方法は何があるのでしょう?

住宅展示場での情報収集が圧倒的。高い買い物だからか次いで知人などの紹介がランクインしています。

他にも、情報収集する際の行動順位についてみてみると、住宅展示場が一番多いですね。次に住宅メーカーのウェブサイトなので、住宅展示場⇄ウェブサイトを往復する行動がメインになっていそうです。

ということは住宅展示場の存在を知ってもらうのと合わせて自社WEBサイトへの集客も必要。
(住宅展示場をOnlineで知ってもらう=自社サイト知ってもらう)

打ち手の工夫ができるのは、検索(SEOやSEM)SNSでの集客。

まず、SEOはどうか?

例えば、シークレットモードで「松本市 注文住宅」と検索

ホームズやSUUMOといったポータルサイトが上位にきており(勿論最上部はSEM)他サイトもポータルサイトがメイン。

今からSEO対策しても勝てる気がしません。

SEMでも不動産系は入札単価が高そうなので消耗戦になりそう。

では検索で残っている手段は?

MEO(Map Engine Optimization)でしょうか。

例えば松本市のMap上で「住宅展示場」と検索してみるとどうなるでしょうか?

ポナホーム長野中央は出てきません。

ハウスメーカーでも出てきません。

どのような運営をされているかわかりませんが、テコ入れできる可能性がありますね。(「パナホーム」だと勿論出てきます)

では次にSNS

住宅購入を検討する際には、耐震性や耐久性を重視するのは勿論ですが、どんな家で住めるのか?のイメージを掴みたいとも思うはずです。

すると相性が良いのはInstagram。

実際にInstagramで「住宅展示場」と検索してみると、5.5万件もの#タグがつけられています。(それだけ投稿する人が多いということですね)

注文住宅だと164.2万件です。

例えば「注文住宅」であればユーザーに好まれる様な以下の投稿が良いでしょう。こういった画像は、ユーザーが「どんな空間で過ごすことができるか?」「理想の居住空間」を見て楽しみたい、作ってみたいと思わせることができます。

こういった投稿を行うことで、パナソニックホームズの住宅に興味を抱く人もいるでしょう。

ユーザー投稿内容をRTし、時にRTキャンペーンをやってみても良いですね。(UGCと拡散性を狙う)

しかし、いいねやフォロワー数を増やしても展示場への来場者や自社サイトへの訪問者数が増えないと意味がありません。

パナホームのKGIからKPIに落とし込む必要がありますね。

なんのためにSNSを運用するのか。

KGI:売上目標達成
KPI:展示場来場者数

ユーザーエンゲージメントを高めつつ、以下図の様なフローを作りたい。

このKPIを達成する為の設計が大事になります。

しかしInstagram経由で展示場来場者数を可視化するのは、位置情報を用いた広告配信でないと難しいと思うので、Instagramでの運用KPIは自社サイトへの誘導が良いでしょう。

では、どんな投稿内容が良いでしょうか?

先ほどの雰囲気重視の投稿よりも、ユーザーがより興味を持ち「検討したい」状態に持っていきたいですね。

例えば、雰囲気だけでなく「どんな風に生活できるか?」をイメージさせる。

例えば一条工務店のInstagram

住環境の雰囲気だけでなく、生活感を演出することでどんな生活ができるのかを具体的にイメージしやすい投稿内容になっています。

カルーセル形式の投稿になっているので、最後に自社WEBサイトへ誘導する様な投稿を持ってきてもいいですね。

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今回は以上です。

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